33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
手塚治虫氏との接近遭遇
2009-05-05 Tue 00:51
1982年8月のお盆過ぎのある日、私と嫁さんは大阪発日向行きの夜行フェリーで瀬戸内海を宮崎へ向かっていた。船内で迎えた朝、レストランで朝食をしていたときにふと斜め向こうの席に座る紳士に目が止まった。!!!て、て、手塚治虫さんだ!!!今なら別の行動に出たはずだが、当時は食事の手を休める暇に時々そちらをちらっと眺めるだけが精一杯だった。「サインをもらっておけばお宝だったね」と嫁さんに言うと、「ゆくりできることなんて無かったはずだから周りに誰もいなかったのは良かったのじゃないの」とクールに言う。これは良い考え方だ。そんな貴重なひとときを私達が差し上げられたという気分を頂いたという思い出になった。

0905034.jpg 昭和30年代初期生まれの私たちは『鉄腕アトム』にしろ、『火の鳥』にしろリアルタイムでメッセージを受け取った世代だ。特に『月刊COM』で連載が始まった『火の鳥』からは宇宙感覚、時間感覚、生命感覚などその後の生き方や価値観に関わるような部分で影響を受けた。これについてはいつか書きたいと思っている。
[小学校以来40年ぶりに描いた鉄腕アトム:小学校時代の方が断然巧かったな]

江戸東京博物館 特別展 手塚治虫展 行かなくっちゃ。
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この記事のコメント
鉄腕アトムをリアルタイムで見てきた世代としては
「あの頃は夢も希望も無限に広がっていた」
です。
思えば、幸せな世代だったとも言えますね。
2009-05-05 Tue 14:22 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
中井さん
 同世代だから同じ時代感覚を持って育ったはずですね。あの頃は未来へ向かって夢や希望は実現すると信じていました。そんな子供時代を過ごした私達は、逆に言うと年を経るにつれて未来はどんどん先細り。
 私達はどこで道を誤ったのかと考えないではいられません。どこという一点でなく、分岐点は沢山あったように思います。その誤りの積み重ねがいまなのでしょう。これを一気に転換させようと安易なことを考えるとカリスマやヒーロー願望に直結して、むかし来た道へ後戻りです。50年かけて道を誤ったのであれば50年かけてより良い方向へ向かうしかないのだと思います。
 子供の頃のように未来は今よりも少しは良くなりそうだと感じながらこの世を去れれば上出来ではないでしょうか。
2009-05-05 Tue 18:17 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんは。
かすてんさん>
まあそういう夢も希望もない事は仰られても。
現実はそうかも知れませんが、子供頃の大きな精神的な財産はやっぱり貴重だと思っています。
2009-05-05 Tue 19:23 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
中井さん
 夢も希望も無くなっちゃいましたか?すみません。夢や希望を持てる社会を残せるように生きたいなと言いたかったのでした。
 なぜなら私はアトムや火の鳥に育てられ、小中学校時代はパットマンXに憧れ高校時代はパットマンXと呼ばれた者ですから。
2009-05-05 Tue 21:02 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんは。

かすてんさん>
そうです!やっぱりそう来なくっちゃ!
でした(^^)
2009-05-05 Tue 21:14 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
こんばんわ、ももで~す。
火の鳥はリアルタイムではないですが、ファンです。
先生の生命観はすばらしいと思います。

あのころに見た未来。
それは、それがそもそも間違いだったのだと思いますよ。
分岐点などなくて、その先のない世界だったのだと思います。言わば迷路の行き止まり。
来たところまで戻ってまたやりなおし。
そもそも、堂々巡りの道筋なのかもです。
明るい未来などなく、過去から営々と続いてきているだけ。これからも続いていくかどうかはわかりませんが。
2009-05-05 Tue 21:24 | URL | もも #-[ 内容変更]
こんばんは。

ももさん>
そうかも知れませんね。ももさんらしい冷静沈着な判断かと。
私はまた別の違ったものの見方をしています。
念ずれば通ずですが、ももさんからしたら冷ややかな評価なのでしょうか?

ALL>
あまり期待せず、あまり悲観せずの考えが一番かと思います。
孫子の兵法と似ていますが。
現実をありのまま評価してそれに対応するのが一番かと。
でもそれが難しいのですよ。どうしても主観が入りますので。
あ!私は明るい未来に一票!
2009-05-05 Tue 21:59 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
ももさん、こんばんは。
 ももさんも火の鳥ファンですか。手塚治虫が漫画の中で見せてくれた世界は多岐に渡り、私の子供心にも入り込んでいろいろなことを考えさせてくれました。
 漫画はともかくとして1960年代の社会が抱いていた未来像は現実にならなかったという点で、ももさんが言うようにあのころに見た未来は確かに間違いでした。ただ、いつの時代も人は何かしら未来へのイメージを持ちながら生きるのだと思いますから、暗い未来よりも明るい未来を持ちたいものだと思います。
2009-05-05 Tue 23:15 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんわ、ももで~す。
明るい未来はいつの時代でも見てきたのでしょうね。
それが生きるエネルギー?
戦争や争いはいつまでも終わらないし、機動戦士ガンダムの時代になっても相変わらず戦争している。
数値目標とはいいませんが、目先の未来のビジョンをつくのにも実施するのにも困難な今の時代。
人間の価値感というか存在を受け入れる地球のキャパシティが足りなくなってきているのだと思います。
2009-05-06 Wed 00:10 | URL | もも #-[ 内容変更]
 私も、当時馳せた未来への夢、といえば、『鉄腕アトム』に出てきた無数のカーブする高架道が走っている都市が思い出されます。あの夢はどこへいったのだ、という気もしますが、ほんとうは、夢が実現してしまったあとの喪失感になっているのかもしれません。そうだとすると、また次の夢を見つけるしかないのでしょう。現代の若い人に任せたいところですが、現代のドラマやコミックはどうも現実社会的なものと異世界ものとの両極端で、「近未来もの」があまりないようなのが気になります。作家さんにがんばってほしいものです。

 当時は「世界的な核戦争」の恐怖もありました。私は『W3(ワンダースリー)』が好きでした。「反陽子爆弾」というのは何かよくわからなりに迫力たっぷりのものでした。世界が核軍縮に向けて動くならば、その点では人類は大きく進歩したことになると思います。

2009-05-06 Wed 07:18 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
ももさん、中井さん、S.Uさん
 中井さんが一番上で「あの頃は夢も希望も無限に広がっていた」 と書かれていましたが、その同じことの裏返しがももさんのおっしゃる「地球のキャパシティが足りなくなってきている」ために夢や希望を無限に拡げられない現実の閉塞感なのでしょう。
 S.Uさんの言われる「夢が実現してしまったあとの喪失感」は夢が実現した満足感と喪失感が表裏一体のはず。そう思って見ると、思い浮かびますね。
2009-05-06 Wed 19:22 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんは。
もしかしたら・・・夢と希望に満ち溢れた未来は幻想だったのかも知れないと考えたりします。
でも、いい夢を見させてもらったと感謝の気持ちはあります。
夢を現実にするには現実世界の我々が切り開くしかないのだと思っています。
凄く現実の世界に戻りました(アルコホールのせい?)。
乱文乱筆、お許しを。
2009-05-06 Wed 22:24 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
中井さん
> もしかしたら・・・夢と希望に満ち溢れた未来は幻想だったのかも知れないと考えたりします。
 子供の頃感じた夢と希望に溢れた未来にしろ、現在想像できる暗澹たる未来にしろそれらはいつでも幻想だと思います。現実の世界をどちらへ向かわせたいのかはその時々の人間が選択して切り開くことになりますね。
> でも、いい夢を見させてもらったと感謝の気持ちはあります。
 幻想だったにしろ(そして多くの犠牲の上に成り立っていたにしろ)、おそらく人類史上最大級の夢と希望に満ち溢れた未来像だったのでしょう。
2009-05-07 Thu 08:03 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
確かにいい夢を見させていただいた幸せな世代だったと思います。手塚さんや私の親の世代の方々のおかげでしょう。現代になにか恩返ししたいという気持ちはありますが、どうすればよいかわかりません。
 でも、私たちの子どもの頃は手塚さんの漫画であっても、小学生か怠け者が読むものとされていました。それが、現在は漫画やアニメが日本が世界に誇る文化になっていて、東京江戸博物館だろうがどんな博物館・美術館に堂々と展示されても何の違和感もありません。世の中の知識や文化は確実に進歩しています。だから、未来も明るいはずだと思いたいです。
2009-05-07 Thu 20:14 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>いい夢を見させてもらったと感謝の気持ち
>いい夢を見させていただいた幸せな世代だった
 ここらが同時代感覚なのでしょうね。

 次の週末休みに江戸東京博物館の手塚治虫展へ行く予定です。手塚氏は決して明るいばかりの未来を見せてくれたわけではありませんでしたが、その先見性にまた触れてきたいと思っています。
2009-05-08 Fri 06:43 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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