33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
世に出る時
2009-11-03 Tue 00:25
091031.jpgちょっと前のことになるが、金子みすゞ記念館々長で詩人の矢崎節夫氏の話をラジオで聞いた。矢崎氏は金子みすゞの一編の詩『大漁』と出会ってみすゞに魅了され、以来他の作品を探し続けたが、十六年間にわずかに数十編しか世に知られた詩を見つけられなかった。それが、ある方との出会いをきっかけに数日後には五百編を越える未発表の遺稿を託されるという劇的な展開になった話をされていた。矢崎氏はその時のことを「みすゞさんが世に出る時が来たことを感じた」と表現された。
[写真は 山崎浩・沼田秀美『金子みすゞの詩による歌曲集 ふしぎ』CD]

この2年間、鈴木壽壽子さん探しに注いだ私のエネルギーなど矢崎氏と比すべくも無いが、それでも、不思議な出会いの連鎖と、信じ難いほどに細い絆の糸が繋がる様は、壽壽子さんのめぐり合わせだと思わざるを得ない感がある。

それにしても、なぜ私はこんなことをしているのだろう、、、。

40年前、四日市の大気の底で『星のふるさと』に記された壽壽子さんの祈りは、既に多くの方からの共感が示しているように時間を越えた普遍性があると思うし、こういう時代だからこそより多くの人に届いて欲しいと願う。なぜならば、この本と出会うことを待っている人が少なからずいるに違いないと思うからだ。

矢崎氏の言われるような「時」があるものならば、鈴木壽壽子さんもいま世に出る時なのかもしれない。

 →金子みすゞに出合う!――みすゞさんのうれしいまなざし――
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この記事のコメント
おはようございます。
1970年頃筑波山の麓で天体写真撮ってた女性がいましたね。
ときどき天文ガイドに入選してたです。
五藤の6.5cm屈赤持ってたような記憶が。

月刊 天文ガイド 1973/7 やさしい星座写真の写し方-大関知子
たぶん↑の女性。
2009-11-03 Tue 09:47 | URL | 小口径大好き #-[ 内容変更]
こんばんわ☆
かすてんさん・お久しぶりです~
小口径大好きさん、はじめまして♪♪♪
天ガ73.7月号に掲載されてるんですね(@_@)
実家にあるかな~?!見てみよ~っと!
今宵は木星観望をしてましたがシンチレーションが悪くなり
The end!!最初は×96で観望次は×133に上げて黒い布を被り今夜は細かな模様もバッチリ見えました。谷Or9mmの相性もバッチリでしょうか☆☆☆
谷Or9mm・12.5mm・Er25mmのファーストライトでした。
LVは旅立ちました・・・元気でね(^_-)
2009-11-03 Tue 21:14 | URL | ケルナー #-[ 内容変更]
時代を先取りした考えを述べた人、時代を超えた作品を残した人は、いずれにしても「世に出る時」というのがあるのでしょうね。それがいつになるかだけが、まさに「時間の問題」なのでしょう。

 フェルメールや写楽のように、いったん忘れ去られても、世に出れば、今度は永く語りつがえることになるかもしれません。そうなれば、それ以前の「知る人ぞ知る」という状態も、それなりに価値のあることのように思えてきます。

「早ければ早いほどよい」というわけではありませんし、「機が熟せばそうなる」というような単純なものでもないでしょうが、とにかくいつか「出るべくして出るもの」だと思います。

私が鈴木壽壽子著『星のふるさと』を1976年に初めて見た時に、私はこの本の内容を理解したわけでも非常に気に入ったわけでもありませんでしたが、「この本は、ただではすまない。きっと将来何か問題になる。」という予感がしました。 おかげさまで予感は半分くらい当たってきたと思います。

そうそう、この話はまだしていなかったかもしれません。
私は、どこかの病院の待合室だったかの本棚で『星のふるさと』を見つけたことがありました。この本は、きっとおおぜいの人の心に残っていると思いますよ。
2009-11-03 Tue 22:51 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
小口径大好きさん
大関知子さんという方は小口径望遠鏡による観測で有名な女性天文家、という点で『星のふるさと』の鈴木壽壽子と共通点があるという情報をありがとうござます。

ケルナーさん
低倍率でも木星がぶよぶよしてダメですね。私には高価な機材はありませんが、たとえあったとしても使う機会はほとんど無さそうです。
2009-11-03 Tue 23:11 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
S.Uさんはほぼ出版時に『星のふるさと』を読まれ、若い感性で何らかの予感を感じられたとのことですが、もしも私がその時期にこの本に接する機会があったとしても、19や20歳の未熟な心では内容を十分に読み取ることも出来ず薄い感動だけで終わってしまった可能性が大きいです。
私は幸いいきなり50歳を過ぎてからこの本に出会ったが為に、若い時代に出版と同時に読まれた方よりもその衝撃が大きいのかと思います。

ともかく『星のふるさと』は個人の本棚に死蔵されているべきではなく、多くの人が手に取れる場所に置いてもらいたい本だと思います。

どこかの病院で目にされたとのエピソード、良い場所に置かれていると感じました。
2009-11-03 Tue 23:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
私には、この三十年あまりの間に何度か『星のふるさと』との出会いがありました。

 まず、天文ガイドで出版されたことを知りました。その直後に、詳細は忘れましたが何らかの高い評価を聞きました。書店で新刊を立ち読みしましたし、ずっと後になっても、待合室のようなところや古書店で何度か目にしました。そして、ついに、ネット古書店のリストに見つけて入手しました。そして、今回、かすてんさんの熱意によって、いろいろなことを教えていただきました。

 いったん気にすると、ものごとはつかずはなれずで寄り添ってきてくれる、という感がします。今後は、私もこちらから追いかけていきたい、と思っております。
2009-11-04 Wed 19:55 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさん

>いったん気にすると、ものごとはつかずはなれずで寄り添ってきてくれる、という感がします。

それこそが「不思議な出会いの連鎖と、信じ難いほどに細い絆の糸が繋がる」下地なのだと思います。S.Uさんが読まれたと言う書評、すぐに見つからなくても、どこかで切っ掛けを掴めることでしょう。
2009-11-05 Thu 07:44 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
ケルナーさん、はじめまして。M.ハイゲンスです(<どこが?)
天ガ見つかりましたか?私はもう処分してしまって持ってないです。
中学~高校時代は手持ちの天文ガイドを何十回と読み返していまして、、、記憶に残っている人の
1人です。

かすてんさん:
ふと思い出して書いてみただけですので。
女性・望遠鏡・天体写真・(たぶん)現像・(たぶん)引き伸ばし = すげー と思っていたから覚えていた
のだと思います。
あっ、あと筑波山の麓もキーワードになってるか。。。
2009-11-05 Thu 18:12 | URL | 小口径大好き #-[ 内容変更]
>私はもう処分してしまって持ってないです。

本棚ゴソゴソしたら出てきたです。やっぱりこの人でした。
掲載されている天体写真の撮影地が真壁町となってますので。
2009-11-05 Thu 18:37 | URL | 小口径大好き #-[ 内容変更]
かすてん様、
>書評、すぐに見つからなくても、どこかで切っ掛けを掴めることでしょう。

ありがとうございます。もちろん、あきらめずに今でも図書館に行けば当時の雑誌や新聞などを探索しております。

 そうそう、今日、おもしろいものをみつけました。残念ながら書評ではないのですが、『星のふるさと』の一種の「宣伝」です。 スキャンをwebにアップしましたので、下の "URL" をクリックしてご覧下さい。(真ん中へんにあります)

 これは、1976年12月29日に発行された私どもの天文同好会の会誌に出ていた書籍の案内です。この記事を書いた人は、...33年前の私です。(ごめんなさい)
 あまり内容はありませんが、当時どんな雑誌が出ていたかが思い出されます。
 
2009-11-05 Thu 21:28 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
小口径大好きさん
筑波とか真壁とか、地元と言えば地元です。近いうちに『天ガ』バックナンバーを見るチャンスがあるので調べてみます。
2009-11-06 Fri 07:42 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
S.Uさん
西中筋天文同好会『銀河鉄道』の過去記事にも記されていますね。今のS.Uさんであれば書評を書かないはずはありませんが、さらっと流していることから、その時点での距離感が見えます。これはこれで貴重な記録だと思いました。
2009-11-06 Fri 07:46 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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