2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
『現代の物質観とアインシュタインの夢』
2009-03-19 Thu 00:13
0903034.jpg 『現代の物質観とアインシュタインの夢』 益川敏英著
    岩波科学ライブラリー32 1995年 1200円

 小林誠氏の本を読んだ講演会を聴いたりしたのだから、益川敏英氏の本も読みたくなるのは当然。益川氏はこれまでブルーバックスなどの一般向けの著述はなさそうなので、自分に読めそうな適当な本はあるだろうかと探していた。そんな折、地元の図書室の開架で本書を見つけた。小さな図書室だがここの司書さんたちはいつも良い仕事している。
 ノーベル賞受賞が決まってから印刷された帯には「ノーベル物理学賞受賞!小林-益川理論はいかに生まれたのか?」とある。だが本書はけっして小林-益川理論がテーマではない。この折になんでもかんでもノーベル賞に結びつけて販売促進を狙うのも致し方ないのかもしれないが。

 B6版118頁の小さな本で、数式はほとんど使われていない。記述はスマートだが、随所に著者の個性が表れている。
 本書を読んで分かった事。素粒子に関わる4つの相互作用(強い力、弱い力、電磁力、重力)のうち、電磁力と弱い力は電弱理論ですでに統一されている。現時点では電磁力と弱い力は電弱理論、強い力は量子色力学(QCD)でそれぞれ記述し、CP対称性の破れは小林-益川理論で説明するという「標準理論」によって重力を除き良い精度で検証されている。そして、強い力もまもなく大統一理論によって統合されようとしている(出版から13年経ってもまだそこへ至っていないが)。その上、遥か彼方と思われていた重力との超大統一も意外な事に大統一の目と鼻の先(エネルギーでいうと10000倍ほど)に待っているという。これこそ本書のタイトル「アインシュタインの夢」ということだ。そしてその統一の枠組みを一貫して支えているのがゲージ理論という事になるらしい。
 とは言え人が作り出せるエネルギーはまだまだLHCを用いても大統一を検証するための10の15乗GeVにはほど遠い10の8乗GeV程度に過ぎない。道程は遥かなりだ。
★★★
今夜の観測:S.Uさんからのコメントにもあるように春霞なのかはたまた黄砂なのか、夜空は全体が白んで肉眼では3等が見えるか見えないか。7x50双眼鏡ではルーリン彗星は見えない。今夜は風が吹いているので撮影もしない。冬の変光星も沈んでしまって手頃な観測対象がない。双眼鏡でからす座をしばし眺めて終了。
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