2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
『小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力』
2009-02-10 Tue 00:39
090206.jpg『小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力』
  立花隆著 朝日新聞出版 2009年 1900円
 立花隆氏は来る2月21日のシンポジウム「小林・益川理論とその検証」の登壇者の一人。最初シンポの案内を見たときなぜ立花氏かと思ったのだが、彼は1990年頃からつくばの高エネ研の取材を始めていて、廃刊になった『サイアス』(朝日新聞社)2000年4月号から12月号に「消えた反粒子の謎に迫る」を連載していたとのこと。本書の主要部分はその再録になっている。そういう本であるから、これを読めば小林・益川理論の証明が理解できそうなタイトルではあるが、実はそうではなくて小林・益川理論の証明をしたBファクトリー実験のルポなのだ。
 実際Bファクトリーをこんなに詳しく紹介した本はこれまで無かっただろう。研究者への直接取材記事に加え写真、図版、細かい数字が上げられていて臨場感のある読み物になっている。そしてBファクトリーに代表される日本の加速器技術のレベルの高さを紹介するという著者の意図が良く伝わる。しかし一方で、その世界最高水準のBファクトリー加速器の真の姿を伝えるには書き言葉だけでは表現しきれない限界も感じる。
 先端物理学の詳細までは理解できなくとも、少なくとも自国の技術力あるいは科学を含む文化力が世界の中でどの位置にあるのかを認識しておくのは国民の常識かも知れない。そこから技術や文化の裾野は広がるのだろうから。
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この記事のコメント
2月8日へのコメントを移動させていただきます。
>Bファクトリーをこんなに詳しく紹介した本はこれまで無かったのではないでしょうか。

立花氏は、1980年代に宇宙開発や医療などを皮切りに科学技術の幅広い分野を取材していましたが、日本の加速器・素粒子実験がレベルが高いにも関わらずあまり知られていないと
ということで以前からそういう記事を発表し、今日でも高い評価を与えてくれているということだと思います。裏返せば、その半分くらいは(少なくとも過去には)我々当事者の広報不足に責任があったと言えます。

 『サイアス』の取材があったのは、実験がもっとも緊迫していた場面で、励ましになったのですが、『科学朝日』からの伝統を受け継ぐサイアスでさえ売れずに廃刊になったのには参りました。また、機会があれば、お話しさせていただきます。

>それから、どうも素粒子ネタで記事を書くとカウンターが跳ね上がる様ですので、

 これは、全国的に「小林・益川理論」について知りたいという人が分野別のリンク集か何にかをたどって訪問されているのではないでしょうか。
2009-02-10 Tue 21:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>『サイアス』の取材があったのは、実験がもっとも緊迫していた場面で、励ましになったのですが、~
 廃刊にならずにそのまま連載が継続していたら、科学史上に残る劇的な場面をリアルタイムにルポできたわけですね。

>全国的に「小林・益川理論」について知りたいという人が分野別のリンク集か何にかをたどって訪問~
 そうかもしれません。いくらなんだってKEKの方々がこんなに大挙して来られるはずありませんもの。それにしても訪問者が多くなってカウンターもびっくりしてしまったのか、昨日からサーバー側に不具合発生で数字が進みません。
2009-02-10 Tue 23:04 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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