2009-01-22 Thu 14:10
![]() 『消えた反物質』 小林誠著 1997年 講談社 820円 現在の宇宙が反物質ではなく物質から構成されているのは宇宙の初期に反粒子の数よりもほんのわずかに粒子の数が多くなったかららしい。割合的にはほんの少し多かっただけとはいえこの宇宙の物質の量を考えると想像を超えたなんとも壮大な話だ。粒子と反粒子がまったく同等であったなら両者が出会うことで光を出して消滅してしまうが、粒子と反粒子が同等でないがために全部が消滅せず粒子が少し残ったという。粒子と反粒子が同等でないことを粒子反粒子の対称性が破れていると表現するのだそうだ。物理学の言葉ではCP対称性の破れあるいはCP非保存という。 どの本を読んでもここから先が難しいのだ。本書もブルーバックスとはいえ侮れん。 |
実は私も同じくブルーバックスの「絵で見る物質の究極」という素粒子物理学の本を読んでいます。グルオンやら色荷やら出て来てこんがらがって来たとこです。(^^;
ブルーバックスシリーズは科学を一般に普及させることを目的に刊行されていると思いますが、中にはそうとう歯ごたえのあるものも混じっていますね。この『消えた反物質』なんか少なくとも物理学の学部レベルの基礎知識がないと理解できないのではないかと感じます。もっともこれは30年前の感覚なので、現在ではこれくらいは高校レベルなのかな?
2009-01-23 Fri 17:58 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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