
『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』
堤未果著 NHK出版新書 2021年 880円
デジタル化が為政者による国民支配にいかに都合が良いか、いかに容易く個人情報が抜き取られ、吸い上げられ、自由と権利の縮小と剥奪が進んでいるかに警鐘を鳴らす。これまで、政府が都合の良い様々な法律を国民に気づかれないうちに国会を通す際、どの様な目眩しのニュースが流されてその裏で国会通過をさせてきたかを、この法律の時にはこういうことがあったと具体的に記載しているくれているのは本書の優れた点だと感じる。ここに記載された重要な法律通過時に自分もあっち向いてホイ!に引っ掛けられていたことを思い知らされる。本書を読んでいると、ディストピアへ向けて死の行進を続ける亡者の国日本が浮き彫りになり、救われない感覚に襲われてしまう。