33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
氏とか家とか 現代的な思い込みでは中世を理解できそうにない
2023-05-16 Tue 00:00
2204055.jpeg『中世の家と性』 高橋秀樹著 山川出版社 2004年 800円

 氏とか姓とか一門とか家とか名字とか、近世・近代に作られたイメージを元になんとなくわかった気になっているだけかもしれないので、整理を兼ねて読んでみた。日本史リブレットのシリーズなので95ページとコンパクトで、構成は(1)氏と家、(2)結婚と居住、(3)家の継承と相続、(4)家内のジェンダー、(5)さまざまな性からなっている。初読の時はすぐに挫折したのだが、冒頭で北条政子が例として登場するので、『史伝 北条政子』や『鎌倉北条氏の女性ネットワーク』などを読んだこともあり、もう一度挑戦してみたところ初回と打って変わって読み進みやすい印象に変わっていた。ただ、氏や家の概念を明瞭に区別して理解するのは難しいと感じ、宿題として残ってしまったことも確かだ。
 (4)、(5)では、ジェンダーがどのように絵巻物に描かれているかを多くの例を紹介していて、本書の大きな魅力だと感じる。
別窓 | 城郭・郷土史 | コメント:3
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この記事のコメント
古代以来の氏姓苗字ジェンダーは、学べば学ぶほど理解が難しいですよね。自分にとっては、海賊、山賊、武士、浪人、野武士、修験者に並ぶ難問です。ほぼあきらめ状態です。

 よく保守の政治家が「日本伝統の家庭観にのっとり」とか「神武天皇以来の教えによって」とか言っていますが、それを聞くと「この人、日本史ひとつも勉強してないじゃん」と思います。
2023-05-16 Tue 06:02 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
ほとんどの人は自分の頭の中で勝手に作り上げたボンヤリしたイメージを持っているだけだろうと感じます。
ことさら日本の伝統などという時、たかだか明治以降に起源があるなんてことも多々ありますね。
2023-05-16 Tue 07:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>たかだか明治以降に起源
 そのたかだか明治以降ですら、現在では、政治家を除けば地縁血縁コネが家業維持に通用することはなく、ちゃんとした勤め先があっても、倒産や大病があれば雇用保険に頼るしかなく、老後は年金と介護保険ですので、伝統の家庭観が通用しなくなっていることは明瞭で、そもそもそういう社会構造を作ったのが、保守政党であって、日本史も社会科学もわかってないなと呆れるばかりです。
2023-05-16 Tue 08:53 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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