茨城県の中世城館跡総合調査も自分が関われることは終わったのだが、つい先週、某郷土史家の先生から大量のフィールドノートを寄託された。コロナ禍がなければ何年も前にお会いできていて、総合調査に反映できたはずなのだが、そうならなかったのはちょっと残念に思う。こうなったら、『図説 茨城の城郭』の続刊で利用させていただくのがもっとも有効な道に思われる。

報告書にはまだ書けない未確認城館もいくつかあり、今日はその一つに行ってみた。手がかりは諏訪大明神の祠と大日如来の板碑。その一帯が砦跡だったとされる。

諏訪大明神と思われる祠を見つけた後、道端で草取りをしている93歳のおばあちゃんからいろいろとお話を伺い、お屋敷の裏山も歩かせていただくが手がかりなし。お話の中に出てきたかつて遊山講(ユサンコ)で行ったという場所が気になったのでやぶをかき分け行ってみたら、そこはまさしく大日塚。

塚の頂上には探していた板碑があるではないか。この丘が城址ということになるが、残念ながら明瞭な城郭遺構はこの時には見つけられなかった。

帰宅途中、地元の城址公園に寄ったら、ソメイヨシノが咲きかけていた。でも、今日の風は冷たい。