2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が稼働 (その2)
2008-09-14 Sun 21:02
0809133.jpg さて、LHCが作り出すエネルギー14TeVとはいったいどれほどの大きさなのか。テラは10の12乗、eVは38.3x10の-21乗カロリーだから、14TeV=5.362x10の-7乗カロリーになる。案外小さいと感じられるが、陽子と陽子が衝突する極微の空間の一点で発生するとなるとやはり巨大なエネルギーには違い無い。
 では、この大きさのエネルギーが空間の一点に発生するとブラックホールが生まれて地球を吸い込んでしまうものなのか。

0809132.png これについて簡単な推察を。右図は地球の大気に飛び込んでくる宇宙線のエネルギー(横軸)と粒子数(縦軸)の関係を示している。LHCで作られるエネルギーを実験室系という座標に返還すると約10の17乗eVなので、同じくらいのエネルギーを持った宇宙線は1平方キロメートルあたり1年間におよそ100個から10万個降り注いでいることになる。地球46億年の歴史の中で地球全体に降り注いだ10の17乗eV以上の宇宙線の数となると少なく見積もっても10の20乗個以上。いまだに地球は吸い込まれていないところを見ると2009年以降も多分大丈夫でしょう。
[右図はWikipedia宇宙線より]

080914.jpg 今夜は中秋の名月。夕方には見られたけど直後から皆曇。今週は金曜日まで台風13号の影響で雨予報。20日の同好会の例会前には回復するかな?
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この記事のコメント
こんばんは。
とりあえずは、ホッとしました。
ブラックホールが出来たら出来たらの事にしておいて。。。
ハドロンの名前は「ハルマゲドン」の略称ですか?
・・・なーんちゃって(^^ゞ
2008-09-15 Mon 00:21 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
量子力学的な確率を考えればゼロではないと思いますけど、それはこれまでの加速器でも宇宙線でも同じことでしょう。少なくともLHCの何千倍か何万倍か大きなエネルギーの宇宙線が地球に飛び込んで来ていることは上のグラフから確かです。
2008-09-15 Mon 10:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
ブラックホールが、一般の人が想像してるような回りにあるものを際限なく飲み込んでしまうものならば、そもそも、銀河系の中心の巨大ブラックホールに今頃吸い込まれてますものね。
どなたかが、計算さえているのを見ましたが、LHCの作り出せるかもしれないブラックホールのサイズは、近所の原子と相互作用しようも無い小ささのようです。なにしろつぶれる前が陽子サイズです。
危険性を訴えているという科学者の経歴をwebで捜しているのですが、見つけられてません。
2008-09-15 Mon 13:33 | URL | meineko #-[ 内容変更]
かすてん様、昨夜は、まずまず、きれいに名月がながめられました。
私が関係者から聞いた「量子力学的」な説明を私なりに単純化するとつぎのようになります。
こういうブラックホールは仮にできたとしてもすぐに蒸発するから、少なくとも物を飲み込んで成長はしない。
 それは、量子力学が適用されるような素粒子反応でブラックホールが最初に形成されるからである。そのようにして形成されたブラックホールは、(同じ時間的確率で)やはり量子力学的な過程で元の状態に戻る(消滅して、素粒子群になる)、ということです。長持ちするブラックホールは、やはり重力的なプロセスで作るしかないのかもしれません。
2008-09-15 Mon 18:16 | URL | S.U #znXM71jk[ 内容変更]
こんばんは。
その程度の大きさのブラックホールなら、すぐに消滅しちゃいそうですね(^^)
2008-09-15 Mon 22:03 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
S.Uさん、コメントをありがとうございます。実は書きながらS.Uさんに読まれると恥ずかしいなぁと思っていました。
 仮にLHCで出来るようなミクロなブラックホールならばこれまでの加速器でもさらには宇宙線の衝突でも頻度の差はあれ量子力学的にはできているでしょうが、それらは理論通りに蒸発過程へと進んでこれまでにはブラックホールの発生は無いということ、私なりにこのように理解しました。
2008-09-15 Mon 23:36 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
中井さん、少しは安心してもらえたでしょうか。
2008-09-15 Mon 23:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんわ、ももで~す。
仮にですが、ブラックホールが成長巨大化して地球が飲み込まれたとしたら。
ワタシ達人間はどう認識する(できる)のでしょうかしらね?
2008-09-16 Tue 00:04 | URL | もも #-[ 内容変更]
ももさん
 地球を飲み込めるほどの大きさのブラックホールがいきなりCERNに登場すれば、認識する間もなくクチュっとつぶれて地球全体がゴルフボールくらいになってしまうらしいですよ。
 でも、LHCで作り出せるミクロなブラックホールでは仮に消滅しなくても地球を飲み込むまでに成長するには80億年かかるという試算をしている人もいます。
2008-09-16 Tue 06:48 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
おはようございます。安全だと思っていると、ブラックホールについて考えることは楽しいことですね。
LHCの本来の実験についてはともかく、ブラックホールについては私も報道などで知っただけの素人です。そんなことをおっしゃっていただくようなことはありませんのでご安心?下さい。
 小さい物は消滅するが大きい物は消滅しない、といってもどこらへんにその境界があるのか、そして、時間的に「可逆」、「不可逆」がある、これはまさに熱力学ですね。また、わかりましたらご紹介下さい。
2008-09-16 Tue 08:06 | URL | S.U #znXM71jk[ 内容変更]
meinekoさん
すみませんレス遅れました。

>~銀河系の中心の巨大ブラックホールに今頃吸い込まれてますものね。
 周囲の星や物質がじっとしていればただちに吸い込まれてしまいますけど回転しているので釣り合いが取れているではないでしょうか。でも銀河の中心部に巨大ブラックホールがあればいずれは回転しながら中心部へ落ち込んで行くのかもしれません。でも、現時点では「銀河の終焉」に関する明確な描像はまだないようですね。ブラックホール自体も無制限に大きくなれないらしいですし(http://www.astroarts.co.jp/news/2008/09/09black_hole/index-j.shtml)。

>危険性を訴えているという科学者
 量子力学的に「限りなくゼロにちかい」というのを「ゼロではない」と読み替えればたいていの現象が「起こり得る」ということになってしまいます。そんなところでしょうか。
2008-09-16 Tue 11:45 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
S.Uさん
 ブラックホール騒動が落ち着く頃にはLHCの本来の実験についても世間ではあまり話題に上がらなくなっているでことしょう。そちらも盛りだくさんなのですけど。来年以降本格稼働して成果を上げ始めたらまた話題浮上でしょうけど。
 ブラックホールの蒸発についてはここら辺りで寝たふりして話題から離れようかなと、、、。
2008-09-16 Tue 12:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてん様、了解しました。
また、LHCでわけのわからない現象が発見されでもしたら、その時に、なんやかやと議論いたしましょう。
2008-09-16 Tue 20:14 | URL | S.U #znXM71jk[ 内容変更]
今後のLHC実験についてはS.Uさんの噛み砕き解説に期待しちゃおう。そのときはよろしく。
2008-09-16 Tue 20:29 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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