
『ルポ 女性用風俗』 菅野久美子著 ちくま新書
2022年 840円
女性用風俗(女風)と聞いて、ホストクラブ的なものかと想像したが、どうやらかなり違う世界のようだ。むしろ、落ち着いた癒しの空間と時間を提供することが期待されているようで、現代の日本でさまざまな理由から救いを求める女性たちにとっての解放区的な存在なのかもしれない。女性用風俗に所属してサービスを提供する男性をセラピストと称するらしいが、提供しているサービスは確かにセラピー、ケアワークと言っても良さそうな感じだ。それにしてもなかなかディープな内容の本だった。巻末に収録されている、著者と宮台真司氏の対談も読み応えある。