2022-09-06 Tue 00:00
![]() 2022年 1630円 横山拓也さん(あるいは iaku )の芝居についてはこれまでに7回書いたことがある。生の舞台を観たのが4回、観に行けなかったものは販売されているDVD12本すべて買って、それもないものは脚本を入手してカバーしている。こうなったのも、最初に『仮面夫婦の鏡』を観たときの衝撃が凄まじかったから。 本作品は、過去に公演した芝居『粛々と運針』をもとに小説化したものだそうだ。横山さんは劇作家なので、この小説はゼロからの執筆ではなかったはずで、随所に横山演劇的な会話や独り言が挟まれている。全編を読み終わってから『粛々と運針』のDVDを観直してみたが、横山さんが得意とする会話劇の巧みさ、特に二組の会話が熱を帯びてきてその応酬がクロスして撚り合わさるようにストーリーが融合してラストへ向かっていく絶妙さに改めて感服した。そうか、『粛々と運針』で撚り合わさった二つの物語を小説にしたものがこの作品だったのか。今分かった。なかなかストンと落ちるラストにはならないで、登場人物が抱えるモヤモヤとしたものを預かるように家路を辿ることになるのが横山演劇の毎度だが、小説の方は意外にも予定調和的なラストが訪れてもの足りなく感じてしまったのがちょっと残念。 |
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