
吉田拓郎『ah-面白かった』
1972年の夏、岡山県美作郡加茂の親戚宅へ2週間ほど遊びに行ったことがある。東京の自宅からでは決して見ることができない天の川も見られるし、たくさんの星が写る星野写真も撮ることができると、TS-50、カメラと撮影機材一式、星図やデータブックなど、30kg近くを担いで意気揚々と出発した。天文遠征に弱いのはその時からだった様だ。あろうことか、その間一晩も晴れることなく帰宅となった。落胆が大きく、機材を持って帰る気力もなくなってしまった。いまのように宅配便が手軽に使える時代でなかったため、来年またくるからと架台と三脚を置いて帰ってきた。あのときに、TS-50の上半身と下半身は生き別れになってしまったことになる。
星見では何の成果もなかったが、田舎の生活や風景や遊びや人との出会いは新鮮だった。そのときの出会いの一つが吉田拓郎だった。一つ歳下の再従兄弟が拓郎に夢中でレコードをかけまくっていた。当時は深夜放送をほとんど聞かなくなっていたので、デビュー2年後に拓郎をほぼ初めて聞いたことになる。その後もほとんど聞いてはいなかったのだが、拓郎の誕生日パーティに毎年行ってるというアーチストの知人から、今年で活動終了って言ってたよと聞き、ザビギニング&ジエンドじゃないが最後のアルバムは聴いてみようと思って購入した。
これも拓郎、ということでしょう、50年も経っているので。