2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
まさに珍物 いいお父ちゃんのままでは終わらない
2022-07-07 Thu 00:00
2206151.jpeg『北条時政』 野口実著 ミネルヴァ書房 2022年 3000円

 『鎌倉殿の13人』は半分が終了したところで頼朝が死んだ。これまで以上に御家人間がザワつき始めたようだ。ここまでいいお父ちゃんキャラだった時政もそのままいけるわけではなさそうだ。
 ここふた月ほど原稿書きのため史料集に目を通すことはあっても、本を読む時間がほとんど無かった。その間に、一旦は低くなりかけていた積読の山が再び高さを増してしまった。そこへ予約しておいた本書が届いた。山本みなみ氏の『史伝 北条政子』が届いた時は、積読山を飛び越えて読んでしまったが、山本氏の師匠による本書も同様になった。
 序章で研究史の紹介がされる。これまで耳にしてきた歴史解釈がいつ頃誰によって提示されたものなのかを知るのは、ここから先の理解に大変役に立つ。いま、地元の数十の城館それぞれについて短い解説文を書こうとしているが、ただでさえ史料が少なく、通史として参考にしたい自治体史も、根拠となる史料を示して記述しているもは数が少なく、出典がないということは噂レベルの話とほとんど変わらないことになってしまう。というわけで、研究史や出典の重要さを感じることの多い中で本書を読み始めたので、こうあるべきだよなと思った次第。本書全般、記述が細部に亘りそれでいて広範囲なので、さらっと読める本ではないが、鎌倉幕府成立時期の世情がかっちりと知ることができそうだ。
別窓 | 城郭・郷土史 | コメント:9
<<雲が激しく流れる涼しい夜 | 霞ヶ浦天体観測隊 | KEK公開講座2022オンライン開催>>
この記事のコメント
八田知家さんは、ドラマでは、土建業が得意で、常時、堅苦しくない、ニッカボッカのように動きやすい服装をしておられるようですが、これは何らかの記述が文献にあるのでしょうか。
2022-07-07 Thu 07:42 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
「鎌倉殿の13人」ドラマとして楽しく視聴しています。
私の地元のヒーローは自分のイメージとだいぶ違う感じで描かれており、黒幕として史実とは異なり処刑されてしまうのではないかと危惧してしまいました。(なにせ、人が次々と殺害されるもので・・・善児怖い)なんとか史実通り出家で済んだのでホットしています。
三谷さんは今のところ八田知家を土建の専門家のような感じで描かれているようですが、やはり私も何か根拠にしている資料とかあったのかなと気になるところです。
2022-07-07 Thu 18:01 | URL | ヒガラ #-[ 内容変更]
おもしろいストーリー展開と演出で、こういう風に解釈するかぁ!と驚かされる場面が多々あります。

八田知家は出るたびに年中道普請をしているので土建家の親分みたいですよね。京武者知家のイメージとは少しかけ離れているように私は感じています。
でも、根拠はあるのです。知家が朝廷から命ぜられていた御所の夜間警固の役目を(知家の)郎従がサボったことに端を発し、朝廷と幕府を巻き込んで大問題になったので、事をお治めるために幕府は知家への制裁として鎌倉中の道路を造れと命じたことが『吾妻鏡』文治4年5月20日の条に書かれています。おそらくこれを根拠にあのいくつかの場面を作っているのだと思いますが、その後ずっと道路を作り続けたわけはないでしょうね。

あと、富士の裾野の巻き狩りで鹿の剥製作っていましたが、知家はあそこで遊んではいません。あの時は、今のつくば市北条の多気義幹に調略を仕掛けていましたから(治承4年の常陸政変)。
2022-07-07 Thu 18:41 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
さすが、かすてんさん
ありがとうございます、合点がいきました。
2022-07-07 Thu 19:20 | URL | ヒガラ #-[ 内容変更]
ヒガラさん

史料上死に方が曖昧な人はみんな善児の仕業にされそうですね。実は、頼朝の落馬の原因を仕掛けたのは善児だと描くかもしれないと予想していたのですが(例えば吹き矢でうなじに猛毒を打ち込まれるとか)、これは外れました。義時へ疑いがかかるような描き方でしたね。
2022-07-07 Thu 20:43 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
何らかの史実があるものですね。
 以前から、大河ドラマで、これは『軍師官兵衛』や『真田丸』で気づいたことですが、これは何? と思うような不自然とか不思議なエピソードは、だいたい歴史文献に根拠があるのですね。脚本家が文献に変わった記述見つけると、視聴者にも謎を残す形で採用するのではないかと思います。
2022-07-08 Fri 07:02 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
『吾妻鏡』は北条氏の意図が大盛りの史料ですので、慎重に扱わなくてはなりませんが、『鎌倉殿の13人』をドラマ化しようとしたらこれに沿って描かざるを得ないのも事実だと思います。それだけでなく、九条兼実の『玉葉』、慈円の『愚管抄」その他の良質な史料も織り込みながらストーリーを組み立てているのではないかと感じます。最近の大河は時代考証を結構きっちりしているようなので、唐突な展開に見えるところほどなんらかの根拠があるのかもしれませんね。その辺りの事情を知っているかいないかで楽しみ方の奥行きも違ってくるかと思います。また、ありがたいことに詳しい方々がSNSなどで解説してくれてもいるので、そういう意味だったのかと改めて感心したりもします。
2022-07-08 Fri 07:27 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
三谷さんは、朝日新聞に連載のコラムで、大河ドラマの脚本は、おおむね史料を曲げずに利用するが、大事件であっても史料に書かれていない細かいところについては、その場の状況と起こりうる偶然を考えて面白そうなアイデアの創作を入れている、というような意味のことを書いていました。

 思うに、北条氏を意図的に讃えたりけなしたりする立場の他に、もっと自然とか偶然とかの要因を敢えて加えているということではないかと思います。
2022-07-09 Sat 08:15 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
核心部で史料のない部分は、その他の史料との辻褄をどれだけ上手に繋ぎ合わせられるか、それは研究者もこれまで頭を悩ませてきたことだと思います。物語作家の場合は、それに加えて面白く展開させるところに力量が試されるのでしょう。ドラマファンとしては、史料を読み込んだ上で、研究成果に加えてあり得そうな物語で埋めてもらえると、おお!という声が上がります。
2022-07-10 Sun 20:12 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

| 霞ヶ浦天体観測隊 |

FC2カウンター