
最近購入した創刊80年記念の限定復刻版岩波新書の帯の文句が心に刺さる。帯にはこう書かれている。
日々につのってゆく言論抑圧のもとにあって、偏狭にして神秘的な国粋思想の圧制に抵抗し、偽りなき現実認識、広い世界的観点、冷静なる科学的精神を大衆の間に普及し、その自主的態度の形成に資することこそ、この叢書の使命であった。「岩波新書の再出発に際して」より1949年3月
岩波新書は戦中の1938年創刊だから、その時代の言葉かと思ったら、戦後に書かれたものだった。そして、その時代への不安はそっくりそのまま現在の不安と重なってしまった。