
『中世奥羽の世界 新装版』 小林清治・大石直正編
吉川弘文館 2022年 3000円
最近お城仲間のウモさんが北海道道南を2週間回りながら、チャシ、台場、陣屋、城館を120箇所ほど紹介してくれていた。それを見ながらまた函館へ行きたい気分になってきたところだ。
ウモさんの写真の中に上ノ国町の花沢館の解説看板の写真があった。自分が初めて行った21年前と同じものだが改めて読み直してみた。『新羅之記録』に館主蠣崎季繁や客将武田信広が出てくると書かれているのは良いとして、別な記録によれば小山隆政の館ともいうと書かれている。小山隆政といえば、小山氏の乱で敗死した義政の子で、若犬丸本人または兄弟かと言われる人物なので、そうであれば小田氏とも非常に接点がある。地元の話が北海道上ノ国とも直結しているとは驚いた。
本書がどこまでその件を解決してくれるかはともかく、久しぶりに北海道道南の中世史が気になったのでざっと目を通してみようと思う。