
隣町の城館調査へ向かっている途中の道で、奥まったところで工事をしている光景が一瞬目に入った。そこは街道閉塞土塁があるところ。興味のない人には単なる土手でしかないので知らずにうっかり壊されてしまわないとも限らない。そうなっては後の祭りなので、確認のためにすぐに引き返した。壊されていたら教育委員会の文化財担当に知らせないとならない。幸い現場の親方(らしき人)はこの土塁は残さなくてはならないことをご存知だったので一安心。初めて見に行った1998年のものと今回2021年のものと同じ位置から撮ったものを並べてみた。藪を刈るとこんなに低いことを初めて知った。
2001年の冬に再び見にきた時、近くで畑作業をしながら「ウチのお父さんもこういうのが好きなんだ」と話しかけてくれたのが、その後私が師匠と仰ぐことになる大竹房雄先生のところのお嫁さんだった。冬場のおいしいターサイを何段重ねかにして頂いてしまった。そのお二人も今はいらっしゃらない。せめて大竹先生に出会わせてくれた思い出の土塁は今後も壊されないで残ってもらいたいものだ。