33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
偽書は、こうあって欲しいと望むその時代の精神世界の反映なのか
2020-12-09 Wed 00:00
2012062.jpg『ユリイカ 12月号 特集・偽書の世界』
           青土社 2020年 1900円

前回『ユリイカ』を買ってから何十年経っているだろうか。石原吉郎とかネルヴァルとか、もうこれは買わなおれんといった特集をいくつか手に入れたのは三、四十年も前になるかも。『ユリイカ』ではなくて『現代思想』だったかもしれないが今やどちらだったかなんて記憶にはない。ツイッターの歴史系の方々の話題に上っていたので久しぶりに買ってみた。安倍・菅政権による偽公文書濫造時代([追記]この点については、むしろ減っているというご指摘もいただき、確かに文書自体を作らせない方向に進んでいることこそ危険と感じる)にぶつけた企画だと思うが、歴史学の話題としては、『甲陽軍鑑』の偽書の汚名がどうして外されたかについての呉座勇一氏の論考や日本最大の偽書と言われる『椿井文書』を偽書と見抜いた馬部隆弘氏の対談とかを目当てにした。偽書には、「こうあって欲しいと望むその時代の精神世界の反映」という一面があるのかもしれない。その他、多角的な視点から偽書について取り上げた論考が集まっているので期待していないものの中に案外面白い話があるかもしれない。
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この記事のコメント
「偽書」というのはどういうものなのでしょうか?

 『甲陽軍鑑』についてはよく知りませんが、原本の流れを直接引いていても、後代の創作が好き勝手に加えられていたら、記述の信頼度はありませんよね。本当の偽書は、最初から偽装なんでしょうけど、偽装にしても、従来の資料の集大成かもしれないし、一部が史実、一部が創作ということではあまり変わらないように思います。

 『平家物語』も鎌倉時代に成立と言われていますが、それがそのまま今までつながっているものなんでしょうか。言葉や文体が鎌倉時代のものと断定してよいかとかそういうところが気になります。
2020-12-09 Wed 07:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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