2008-06-22 Sun 18:29
一日雨。今夜はこれから150mmの豪雨になる予報。
「天の川」地名の一例となる資料を紹介する。それは北海道上ノ国町にある勝山館という中世城館(お城)の調査に関するシンポジウムをまとめた書籍『北から見直す日本史』(網野善彦/石井進編 大和書房)の中にある。 ![]() ・上ノ国を流れる天ノ川は天河と表記され、かつては「テガ」ないしは「ツガ・トガ」と呼ばれていたのではないか。 ・アイヌ語地名で「トガ」は「沼の上手」または「ほとり」「岸」となるらしい。 (松崎水穂「勝山館跡とその城下の謎」より) 古い時代から使われている地元での地名の呼び名は特徴ある地形を表す名称であることが多い。後世その音が漢字で表記され、さらに似ている別の漢字に書き換えられることはよくある。「天の川」「天ノ川」という地名もそうした変遷を辿ってきたのかもしれない。だから、近年命名されたことが確実である場合を除けば、単純に「銀河」や「七夕」と結びつけるのは拙速かと感じる(天文ファンとしては捨てがたいが)。関東以北のこれら三つの「天の川」に共通することは、北方のアイヌ文化の影響を色濃く残すあるいは受けた地域の地名だということ。上記の例にあるような、何か共通する地形があるのではないだろうか。 以上、まぁ地名考というほどではないがそういう視点から想像するのも面白いのではないかと思う。やまのんさんへの回答にはならないけど、ヒントくらいにはなったかなぁ。 |
1618年に上ノ国町に漂着したイエズス会の宣教師が後に作成した地図に記載されていたツガの文字に「天河」を充てたことによるとされている。というのがありました。
地形からの当て字が妥当なところなんでしょうね。 竜神峡の支流なので、竜が帰った道筋の川とかなんか伝説があればなとか勝手に想像してます。
2008-06-26 Thu 02:09 | URL | やまのん #qRpI1ApQ[ 内容変更]
やまのんさん、こんにちは。
おぉ、宣教師アンジェリスまでたどり着いていただけましたか。書いた甲斐がありました。 地名の語源を何でもかんでもアイヌ語に結びつけるのは乱暴ですが、語源や各地にある同音地名の共通点を見つけるヒントとして少なくとも東日本では考慮する価値はあると感じています。
2008-06-26 Thu 10:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
アイヌ語起源、北海道は当っていても、土浦のはちょっとどうかなぁ・・・?
2008-07-11 Fri 20:52 | URL | ほくと #-[ 内容変更]
>土浦のはちょっとどうかなぁ・・・?
近くに江戸崎という地名がありますが、近世の江戸とはもちろん関係なく古文書的には少なくとも中世(1471年)まで遡れます。それ以前のことは分かっていませんが、アイヌ語で岬の先のような意味の「イト・サンケ」という音が江戸崎の語源ではという話を聞いたことがあります。この辺りの地名を調べるときにはそういう見方も押さえておかなければならないのかなぁと面白く感じました。 茨城町にチャシ(アイヌの砦)に立地も構造もよく似たものがあって、この辺までアイヌ文化が来ているのかもよと言ったところ、専門家の知人には一笑に付されてしまいました。 そういえば、地名はある意味やぬしさんの専門でした。釈迦に説法でした、ペコリ。
2008-07-11 Fri 21:21 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
確かに「江戸(えど)」や「手賀(てが)沼」などはおっしゃるとおりかも。それだけ音(おん)が良く残っているような?
2008-07-12 Sat 02:49 | URL | ほくと #-[ 内容変更]
おおお、そういえば手賀沼なんてまさに怪しい地名ですね。地名に当てられている漢字は起源とは無関係なことが多いので、目をつぶって音を反芻しながら少しずつ変えて行くのが良いみたいです。
2008-07-13 Sun 05:56 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
|
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
|
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
|
FC2カウンター