2020-01-13 Mon 00:00
![]() 常磐大の中村正之先生らが研究と普及を進めて来られた「さわれる天体写真」は、本ブログでも11年来のおなじみだが、この間の技術の進歩によってこんな世界もひらけて来たという記事が出ていた。2010年に大田原で見せていただいたときは数分かけてジワーッとお餅のように膨らんで来る様な感じだったのが、今や1時間に新聞紙大5000枚印刷可能というところまで来ているそうだ。この進化は「互いを分かり合えるよう、皆が一緒に使える物を作りたい」という技術者の思いの実現でもあったという。 中村正之先生から近年のイベント時の写真をご提供いただいた。宇宙のように触れないものはもちろんだが、人の顔を触知図にすれば直接触れるほどには親しくない方の顔も認識できるという面白い使い方だと感じた。 ![]() ![]() ![]() 昨年の秋に足を骨折して5週間松葉杖生活をしたが、健康な時には気にも留めないことの一つ一つがバリアになっていることに気づかされた。健常者が使う道具と障害者が使う道具とそれぞれに使いやすく特化していることで、気づきのチャンスが生まれにくくなっているのではないだろうか。目が見える人と見えない人が1つの触知図を使うという共有体験は、目が見えないということのその先のことまで気づかせてくれる機会になりそうな気がする。 →『さわれる天体写真展』 茨城県結城市民情報センター(2009-01-21) →大田原市ふれあいの丘天文館 理想実現に向けた取り組み(2010-09-13) →宇宙を触って感じる 視覚障害者向けの天文資料(2011-02-26) →さわれる喜怒哀楽展 in汐博2011(2011-08-03) |
点字がポコポコ出てくる点字ディスプレイがあり、タッチパネルもあるので、もうすぐ触れる凸凹ディスプレイも出てくるのではないでしょうか。
また、タッチパネル(タブレット)を凸凹ディスプレイと組み合わせにすると、目の見えない人も見える人にも便利ではないかと思います。
2020-01-13 Mon 22:16 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
さらに進化が期待されそうです。
2020-01-14 Tue 10:53 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
masaさん、お元気で研究を進められているんですね。素晴らしいことです。最近連絡なかったからどうしてるかなーと思ってました。
私が視覚障害者の知人や盲学校の先生、プラネ業界有志数名と共に「視覚障害者のためのプラネ」の小さな研究会を立ち上げたのは1990年代前半だったと思います。当時はウレタンフォームのお餅ジワーッが最先端でした。障害者に実際に触ってもらいながら何ヶ月もかかって触星図/触星座絵のイラストを改善し、画集を作ったものです。 スピーカー配置を工夫して、上下左右前後に音が移動する仕組みも作りました(日周運動などを表現する)が、プラネのドームは反響が強いため、せっかくの効果が薄れてしまう欠点もありました。このあたりの発想は冨田勲さんの立体音場システムが原点です。 当時は研究そのものがマイナーで、技術や手法を確立しても、なかなか次にバトンを渡せる人がいないことが最大の問題でした。障害者が点在する距離は一般の比ではないため、大都市など一定数の障害者客数が居ない限り、わざわざ予算を割いて導入したがらないという悲しい一面もあります。 ですが、細々とでも意思が受け継がれ、masaさんのように専門的に研究してくれる方も現れ、そして様々なハードやソフトが持続的に生まれているなら、あのとき始めておいて本当に良かったと思えます。 すみません、長々と思い出話を… そうか、ここにもみゃおさんありだったのですね。
masaさんは何年か前にみゃおさんと同じようなご病気をされてしばらく休養されていましたが、今はお仕事に復帰されているようです。
2020-01-14 Tue 17:25 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてんの皆様へ
masaです。皆様、お久しぶりです。(はじめましての方もいらっしゃいますね!)触察画・触察写真の制作(?)をしているmasaです。北斎さんにつかまってしまい、天体写真のみならず冨嶽三十六景の制作、展示会まで開催することになってしまいました。難しいことはわかりませんが、充実した日々です。北斎さんと宇宙パワーのお蔭で、どうにか健康を保っております。もうすぐ活動の拠点を栃木県(大田原市)に移しますが、まだまだ続けていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
masaさん>
お久しぶりです、茨城の久保庭です。覚えてらっしゃいますか?(上記の通り、ここではHN:みゃおを名乗ってます。)masaさんからしばらくご連絡無かったので心配しました。 風の便りにご病気のことは聞いておりましたが、かすてんさんのブログ等でその後もご活躍なさっていたことを知ってホッとしたところです。今度は北斎ですか!素晴らしいですね。浮世絵はある意味「版木を主軸とした記号論」と見なせますからね。目が見えない方でも版木まで立ち戻ることでデコボコを通じて感じ取ることができるという見事な構図です。応援しておりますから、やり遂げてくださいね。 私も重病で障害を抱えて6年あまり経ちました。例えようのない不安の中で日々過ごしておりますが、この立場になって始めて理解できることもあると、前向きに考えています。お互いがんばってゆきましょう。お身体無理しない様にお過ごしください。 >目が見えない方でも版木まで立ち戻ることでデコボコを通じて感じ取ることができるという見事な構図です。
そうですね! 木版多色刷りの先導者の鈴木春信が、すでに、白い着物の柄に着色無しの空摺りをしていました。浮世絵恐るべし。
2020-01-18 Sat 09:05 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
masaです
ミャオさん、ご病気をされたことはある方から伺っておりました。心配しながらも、時折、星ナビ投稿写真コーナーで拝見しており、お元気になられたのかなと少し安心していたところです。
私は、今は、無理をしない範囲で撮影した天体写真を触図化したり、冨嶽三十六景を学生たちと触図化したものを全国に運んで展示会を開催したりしております。それを待ち望んで喜んでくださる方々がいるのが、私の活動のパワーの源になっています。 お互い、無理のない範囲で宇宙も自然も芸術も楽しんでいきましょう。これからもよろしくお願いいたします。 masa様、初めまして。かすてんさんとは、天文&郷土史の愛好でお付き合いいただいている者です。何かのご縁と思い、この場をお借りしてお尋ねします。よろしくお願いいたします。
ご開発の北斎の浮世絵の立体的な印刷は、お酒のラベルほかの商品で複数種が見られるのでしょうか。また、冊子は図書館にありますでしょうか。購入とか展覧会に出かけるのはできないにしても、気軽な機会があれば拝見し触ってみたいと思います。 私は、北斎などの浮世絵が好きで、美術館にも見に行きます。でも、必ずしも和紙に刷ったものが最高とは思いません。原作の性格に依りますが、基本的に大衆向けメディアでしたから、色々な新しい鑑賞法に耐えるのだと思います。
2020-01-18 Sat 10:09 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
masaさん、メッセージありがとうございます。私の病気は悪くなることはあっても治ることは望めません。何か具体的な目標を持ってないと心が折れます。星ナビ投稿も「年に数回以上投稿する」と決めてがんばってます。天体観測は全身使うので、四肢の良いリハビリですよ。
触図ですが、お写真拝見すると「線や面をそのまま凹凸化する」ように見えるのですが、例えば抽象化を図る様なことは無いのでしょうか? 私が1990年前半頃に作った触星座絵は、フラムスチード星座絵のような原図の単純化がスタート地点でした。かなりシンプルにしたのですが、全盲の方には「全く分からない」と言われたんです。指の感覚で凹凸を判別するだけなので、説明者がいない限り、そこに描いてあるのが人なのか神様なのか動物なのか、あるいは手なのか足なのか道具なのか、自力で違いを理解することが平面の絵では困難でした。とは言え、ピクトグラムほど記号化したのでは意味がありません。 数ヶ月ほどかけて改良し、十数種の星座絵を程良いところまで落ち着かせました。全盲、弱視、健常視すべての人が「これはオリオン座だ」「こっちはおとめ座だ」と判別できる触図を作るのに苦労しました。確か、大宮宇宙劇場(当時)で貸し出し用の触星座絵図集として使ってもらった記憶があります。 masaさんが浮世絵の中で「波しぶき」「舟」「富士山」といったものを視覚障害者にどう伝えているのか、もしよかったら教えてください。 触知図分野を切り開いてきたみなさんの開発史を辿るようなコメント欄になっていますね。
2020-01-18 Sat 21:14 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
皆様へ
私の触察画・触察天体写真制作の基本姿勢が「できるだけ原本のイメージを損なわないようにつ照ること」です。それを心掛けながら線描画(版画でいう輪郭線?)を凸化させてさわってイメージをつかんでいただくようにしています。冨嶽三十六景の場合、画像情報が多いために、画像をパーツごとにいくつか分けてそれらを順番に加算して徐々に全体画像を作成していくように組み立てていきます。細かな部分はわかりにくいと思います。おおざっぱな構図だけでもわかって頂ければ良しとしています。水戸市の県立点字図書館及び見和図書館には触察本「さわれる冨嶽三十六景~神奈川沖浪裏」を寄贈しておきました。天体写真については、自宅に持ってきてしまいましたが、皆既日食、金環日食、皆既月食の3つをセットにしたパネルや惑星写真のパネルがございます。欠けていく様子の具合が異なるのがさわって分かります。ご希望があれば展示会など開催できるとおもいます。(星座絵に関しては、友人にできるだけ簡潔にイラストを描いてもらい、凸化させてきました。50くらいの星座についてイラストを描いていただいています。いつか出版したいですね。)
最近、小さな触察資料の作成マニュアル本を作成しました。関心がおありでしたら、ngc2068@tokiwa.ac.jp にご連絡ください。ご住所を賜れればお送りいたします。 長々と失礼いたしました。ご連絡、お待ちいたしております。 masa様、情報ありがとうございます。
水戸市見和図書館方面には行ける機会があると思いますので、その際に拝見して体験させていただくことを楽しみにしています。 私は、これまで触察資料に関係したことはまったくありませんが、よく考えてみると、目に見えないモノを見る研究に関して資料や展示を担当しているので、こういった資料も今後は考えてよいかもとふと考えました。国土地理院の「地図と測量の科学館」には、地形の立体模型や点字の案内地図のコーナーがありますね。また、よろしくお願いいたします。
2020-01-19 Sun 17:56 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
masaさん、詳細ありがとうございます。目的によって表現がかわるのは当たり前なので、様々な方向に発展して欲しいと思います。
「バリアフリー」って、目標としては良いけれど、健常者が上から目線で「聞こえの良い言葉」として使っている風潮があって、個人的に好きではありません。全ての人に百点満点という方法論はないと思ってます。健常者も含め、心身に多少の段差があるのは普通で、互いに心配りをしながら各個人に見合った踏み台なり脚立なりを用意してあげるような世の中になれば良いなあと思っています。 私は自力で出向くことが不可能になってしまったため、及ばずながら各地の展示会での成功を祈っております。機会があればmasaさんや学生さん、ここのコメント欄に興味を持った方、障害を持つみなさんなどと共に、心ゆくまでディスカッションしてみたいですね。 S.Uさんがおっしゃった国土地理院に、実は触地図を研究しておられた先駆者的な方がいらっしゃったんです。私が触星図を作るにあたり研究チームで職場を訪ね、様々な道具や機器類を見せていただいたり、知恵をお借りしたことがあります。大恩人です。今は個人で3Dプリンターが当たり前の時代ですが、30年前は大規模なNCマシンしかありませんでした。 それにしても、人のつながりは意外なところに伸びているのですね。 触察画作成ハンドブックについて
かすてんさん、よろしければそちらにハンドブックを何冊か送らせていただきますので、みゃお様はじめ、S.Uさま、触察資料の作成に関心のある方々でご覧いただけませんか。機会がありましたら、牛久で展示会を開催したいですね。(ずいぶん前に、田中千秋さんの取り計らいで、牛久市生涯学習センターで、さわれる天体写真展を開催したことがありました!)
今後ともどうぞよろs九お願い申し上げます。 masaさん
レスが遅くなってすみません。 ご送付いただけると幸いです。ここにお集まりの天文仲間以外にも、土浦でも興味を持ってくれそうな人たちがいますので活用させていただきたいと思います。
2020-01-22 Wed 08:27 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
ハンドブックをお送りいたします
かすてんさんへ
ハンドブックを数冊お送りいたします。皆様でご覧いただければ幸いです。なにかのおりに、みゃお様にもご覧いただければ幸いです。 masaさん、よろしくお願いいたします。
みゃおさんが「バリアフリー」について書かれていましたが、「バリアフリー」の規格ではなく、近くにいる人に気づくことが大切なのだと思います。多少のバリアがあっても気づいてくれる人がいて肩を貸してもらえる社会の方が暮らしやすそうです。触知図が身近に増えてくれば、気づく機会や肩の貸し方を知る機会も増えると思います。
2020-01-22 Wed 11:46 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
触察画制作ハンドブック
かすてんさん
ハンドブックを数冊お送りしました。皆様でご覧いただき、ご意見ご感想等をいただければ幸いです。また、こんなものがきっかけで自分でも作ってみよう、という方が増えることを願っております。私でお手伝いできることでしたら何なりとお申し付けください。 さわれる天体写真の展示会もいつか、実現させたいですね!よろしくお願い申し上げます。 masaさん
ありがとうございます。 受け取りましたら自分のところでできそうなことを考えてみます。
2020-01-24 Fri 08:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
masaさん
本日ハンドブックを受け取りました。 みゃおさん、S.Uさんに、お手紙のコピーを添えて転送させていただきます。 こうしたものを知ってもらい、それをきっかけに隣人の存在に気づくことが理解の最初だと思いますので、私の方でも、機会を見つけて紹介していきたいと思います。
2020-01-24 Fri 22:03 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
今後ともよろしくお願いいたします
皆様
私たちの活動も、ごく細々とした活動です。しかし、歩みを進め始めたら、その歩みを止めたくありません。ゆっくりゆっくり、できることから続けてまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 かすてんさん、masa様、
ハンドブックを受け取りました。 ありがとうございます。 私は、どういうふうにして立体化されているのかまったく知らなかったのですが、 表紙の絵は点字と同じ手法が使われているみたいでまずびっくりしました。 内容はまたゆっくり拝見します。
2020-01-28 Tue 18:14 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
自分には、こう活用したらよいだろうというアイディアがあるわけではないのですが、こうした媒体があるよということはもっと多くの人に知ってもらうべきだと思っています。当ブログでは非力ですので、人と話をする機会などに、話題として提供していきたいと思います。
2020-01-29 Wed 13:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
触察資料作成ハンドブックについて
皆様
ハンドブックを手に取って頂き、ありがとうございます。表紙の凸印刷は、UVニスという特殊なインクで印刷してもらっています。さすがに環足にはその技術もありませんので、開発した欧文印刷さんに印刷をお願いします田。本文中ではコノUVニスについてはほとんど触れていません。むしろ、カプセルペーパーという特殊な紙を使用して資料を作成する際のノウハウなどを中心にまとめました。カプセルペーパーなどは、つくば技術大学さんに問い合わせると、いろいろ教えてくれると思います。私の卒業生もひとり、大学院にて研究中です。 |
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