33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
母のおまじない その2
2019-02-27 Wed 00:00
1901122.jpgこの前、母に教わった新しい靴を下すときのおまじないのことを書いたが、覚えているものがもうひとつある。
さあ、急いで学校へ行こうと慌てて衣服を着る時に限ってボタンが取れたりする。そんなときに母は、すぐに縫ってあげるから着たままこっちへ来なさいと言って繕い物をしてくれた。針が刺さる危険があるので本来ならば着たままで縫うことはルール違反だろう。敢えてそれを実行する時の安全のためのおまじないがあった。あなたも一緒に言いなさいと言われて、母と二人で呪文を繰り返し唱えながら縫ってもらったのも遠い昔のことになった。

  王様の御用御用と多ければ着ててて縫うもめでたかりけり

王様が出てくるので新しいものかもしれないが、もしかしたら原型は殿様だったのかもしれない。「着ててて縫うも」という言い回しが子供心にもおかしく感じられて、「着たまま縫うも」だろうがと思っている。
この呪文も母のオリジナルだったのか、どこかに原型があるのか知りたいものだ。

[追記]こんな記事を見つけた。
 →着針のおまじない☆
別窓 | 天文少年の時代 | コメント:12
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この記事のコメント
>王様の御用御用と多ければ
 これは初めて聞きました。なんかすばらしいですね。

>王様が出てくるので新しいものかもしれないが、もしかしたら原型は殿様だったのかもしれない。
 ボタンつけだったら、洋服なので、西洋起源かもしれません。西洋にも同じタブーがあるのか、できれば海外サイトで探してみたいと思います。いずれにしても、着たまま、羽織のひもの補強とかはしないだろうから、近代の風習のような気がします。

 私は、自分で付けるなら問題なかろうと思って、自分で付けていますが、それでもよろしくないのでしょうか。心配なら、今度から、この呪文を唱えればよいわけですね。
2019-02-27 Wed 13:21 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ボタンつけだったら、洋服なので、西洋起源かもしれません。
 繕い物はボタンとは限らなかったですが、ボタンは多かったです。

>自分で付けるなら問題なかろうと思って、自分で付けていますが,
それでもよろしくないのでしょうか。
 ご自分で繕いをされるとは偉いですね。自分でやる場合には危険は小さいかもしれませんが、でもこの呪文の適応範囲だと思います。

>西洋にも同じタブーがあるのか、できれば海外サイトで探してみたいと思います。
 そういう検索はS.Uさんのお得意分野(?)なのでぜひお願いします。
2019-02-27 Wed 20:16 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
これ、何かで聞いたことあるなぁ(本で読んだかなぁ?)と思って調べました。かすてんさんのお母さんと言い回しは違いますが、下記の短歌じゃないですか?

「西行も旅の衣に急がれて着ていて縫うは目出度かりけり」

読み人知らずのようで、西行ではなく、弘法のこともあります。意訳すると「忙しいのはめでたいことだ」ですが、各地で曲解されて多様なバリエーションが存在するようです。王様という言い方もあるのですね。

いずれにしても出針や着針が縁起悪いことを誤破算にするため、このおめでたい言い回しを唱えながら縫ったのではないでしょうか。たぶん、私の母親や祖母世代なら、裁縫の時間に習った事かと思われます。

私の母は若いころ着物(和服)を仕立てる仕事をしていたため、私自身も小学低学年から針仕事をしてました。当時NHKでやってた辻村ジュサブローさんの人形劇に大きな影響を受け、4、5年生のころには自作からくり人形の着物を作れるくらいになってました。そういった過程で母か祖母ら聞いたことだったかも知れません。
2019-02-28 Thu 02:50 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>〜着ていて縫うは目出度かりけり
 元は同じ下の句と思われますね。

>私の母親や祖母世代なら、裁縫の時間に習った事かと思われます。
 母の母や、学校などから教わったことは十分考えられます。ただ、その世代の女性の方でネットを見られている率は低そうなので、こういう場でリアルな体験談として伺えるとすれば、私のように呪文を唱えて縫ってもらったという話しになりそうです。

>小学低学年から針仕事
>4、5年生のころには自作からくり人形の着物を作れるくらいになってました。
 みゃおさん、あんたは天才やね。ミルマスカラスのマスクを見よう見まねで作った程度の私など足元にも及びません。病気にならなかったら、半日で自宅を回転させてしまったでしょう。
2019-02-28 Thu 14:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
みゃおさん、かすてんさん
>西行も
 やはり日本起源でしょうね。それでも、何か近代っぽい感じがします。

 英語ページ探してみましたが、服を着たまま縫うとかボタンつけるとかわざわざ取り上げているページは見つけられませんでした。そもそも服を着たままやろうという発想がないのでしょう。当然、脱いで他人に預けてやってもらうのだと思います。仮に急いでいるときには、着たままということがあるにしても、それがタブーということもないようです。

 英語圏の一般人が、急いでいるときに来たまま素早く裁縫ができるほど器用かどうか疑問です。たぶん脱いだ方が早いでしょう。
 
2019-02-28 Thu 22:10 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>英語圏の一般人が、急いでいるときに来たまま素早く裁縫ができるほど器用かどうか疑問です。たぶん脱いだ方が早いでしょう。
 映画を見る程度の貧弱な記憶ですが、おばあちゃんが刺繍をする場面は思い出せますが、英語圏の一般人が仕立てとか繕い物をしている場面は浮かびません。
2019-03-04 Mon 08:35 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>おばあちゃんが刺繍をする場面は思い出せますが

 日本では、戦前までは、女性はみんな裁縫が出来ること、それも、布から何らかの服になるまで仕立てられることが要請されましたね。服を注文すると高かったですから、花嫁修業として、授業料払って習いに行く人もいました。
 でも、実際は、出来ない人も多かったわけで、今日でも、男性女性を問わず、自炊や料理が出来ない人が大勢いるのと大差なかった思います。

 服をゼロから作れる技量があれば、着てて補修するくらいはお茶の子さいさいでしょう。

 英米では、そのレベルの人は洋裁師(テイラー)と言って、もともとはおもに男性の専門職人であったはずです。今の日本では、家庭科は男子も必修で、たぶん補修レベルの裁縫はしていると思います。西洋では、洋裁は男女とも必修にはないでしょうから、今も差は広がるばかりではないでしょうか。
2019-03-05 Tue 12:22 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
少なくとも当時の我が家(実家)や親の実家では繕い物や料理など当たり前のような環境でした。昭和後期世代だと「男が裁縫や料理なんて小っ恥ずかしい」という風潮だったにも関わらず、自分の家庭や学校ではむしろ性別問わず「できないことが恥ずかしい」という雰囲気でした。クラスメイトも自分程度の技量では中の下でした。いまでも当時の父母に遠く及びません。実に環境に恵まれていたと感じます。

ところで王様云々の件ですが、ふと西洋ではなく中国orアジア圏起源ではないかという考えが脳裏をよぎりました。もちろんボタン付けの文化ではなく、西行の短歌のように「繕い物」という意味ですが。どこかの小国の勤勉な皇帝にまつわる逸話が日本に伝わって、近代アレンジされたという可能性は無いでしょうか?
2019-03-06 Wed 06:03 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
靴の話の流れで、こちらにも。心当たりがある話。

和歌があるなんて良い話ですね。これは覚えたいです。

子供の頃にボタンが取れかかって急いで出かける時、脱ぐのが基本でしたが、袖口など体から離れた所だと着たまま縫い直し。
その時は母から「脱いだって言いなさい」と必ず言わされました。脱いだことになるそうです。

その後に「着た」とは言いませんでしたけどね(笑)懐かしいです。
2019-03-06 Wed 21:10 | URL | 泰子 #n5xbwTdc[ 内容変更]
S.Uさん

>西洋では、洋裁は男女とも必修にはないでしょうから、今も差は広がるばかりではないでしょうか。
 西洋では普通のご家庭に縫い針はあるのでしょうかね?そんなことを疑ったら失礼か。

みゃおさん

>クラスメイトも自分程度の技量では中の下でした。いまでも当時の父母に遠く及びません。実に環境に恵まれていたと感じます。
 みゃおさんの技量で中の下って、石岡市のあの辺りってどんな地域かと思ってしまいます。

泰子さん、お久しぶり。

>「脱いだって言いなさい」と必ず言わされました。脱いだことになるそうです。
 このおまじないもいいですね。
2019-03-07 Thu 14:01 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>西洋では普通のご家庭に
 どうなんでしょうね。アメリカ人に聞いてみたい気はします。聞いても、ある家ない家半々くらいというのも考えられます。

>ふと西洋ではなく中国orアジア圏起源
 明朝、清朝の中国は、かつての日本に近い状況だったかもしれません。

 若貴公子が服を着たまま、お気に入りの若い侍女が繕い物をするなど、『紅楼夢』でも韓流歴史劇でもよい画になる感じですが、そういうのはなかったと思います。日本とは雰囲気が違いますが、インドの王家でもできそうですね。
2019-03-07 Thu 17:47 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>アメリカ人に聞いてみたい気はします。
 米国人、ヨーロッパ人、アジア、アフリカ、、、S.Uさん周辺には各国の方がいらっしゃるでしょうから機会があったらインタビューしてみてください。おまじないはともかく、ちょっとした裁縫くらいはできるのかどうか、知りたいです。
2019-03-08 Fri 08:20 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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