33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
尾が出た小惑星(6478)Gault みゃおさんが撮影
2019-01-11 Fri 08:24
1901111.jpgみゃおさんは本当にすごい人だ。尾が出た小惑星(6478)Gaultのニュースをおとといお知らせしたところ、さっそくその夜に撮ってくれていた。それも特別な機材ではない、20cm望遠鏡と無改造のノーマル一眼レフで。

 →ほんのり光房:小惑星が尾を伸ばす!?
 →AstroArts:尾を伸ばす小惑星Gault(06478)
 →最初のニュース:小惑星(6478) Gaultから尾っぽが生えてきたらしい
別窓 | 話題いろいろ | コメント:10
<<行きたくて行くわけではない | 霞ヶ浦天体観測隊 | インフルエンザをやり過ごせるか?>>
この記事のコメント
さすがにメートル級の天文台でなければはっきり写せないだろうとは思いましたが、思いがけず好シーイングに助けられました。強い画像処理が必要なことは最初から明白だったので、それでも負けないくらいたっぷり露出をかけました。たった20cmの望遠鏡と無改造のノーマル一眼レフですが、工夫すれば意外に写るもんですね。

ところで、この尻尾はいつまで続くのでしょうか?
2019-01-11 Fri 09:54 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>メートル級の天文台でなければはっきり写せないだろう
 (の)さんが早速冷却CCDで撮っていたのでさすがと思っていたら、みゃおさんは20cmの望遠鏡と無改造ノーマル一眼で撮ってしまいましたね。手間の掛け方が違うにしても、よくこれだけ写りましたね。工夫すれば意外に写ると書かれていますが、みゃおさんでなければここまで出来ませんよ。

>この尻尾はいつまで続くのでしょうか?
 予測つきませんね。ところで、この尻尾はどの方向へ出ているのでしょうかね?殴られた方向というのはないでしょうが、太陽と反対方向なのか、軌道方向に近いのか?
2019-01-11 Fri 11:07 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
なるほど尾の向きは考えが至りませんでした。

もしGaultが彗星だったとして、尾がどんな向きに出てるかというのを、ステラナビゲーターでシミュレートしてみました。撮影時刻とほぼ同じ10日3:00JST設定、各尾の長さは0.02AUです。撮影画像と同じ範囲を並べてみました。

http://kuusou.asablo.jp/blog/img/2019/01/11/526ee4.jpg

イオンテイルはほぼ太陽と反対方向なので、今回の尾もさほどイレギュラーな方向では無さそうです。少しずれているのは???ですが…。

「ぶつかった衝撃による反動」というのは核近傍のごく狭い範囲だと思いますので、地球から見る尾は飛散した後の別の力(太陽風や近くの惑星の引力など)による流れに収束してゆくと思うのですが、いかがでしょうか?
2019-01-11 Fri 13:11 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>尾の向き
 面白そうな議論ですね。横からお邪魔します。
 
 ダストの尾の計算で、相対速度の小さい場合を考えると、太陽重力に依る潮汐力の方向に伸びて行くと考えられますよね。衝突の場合もそうなる(ダストの尾と同等)のではないでしょうか。

 それでも、円軌道に近い小惑星の場合は、潮汐力は、内側にも外側にも対称に働くはずなのに、尻尾になってしまうのは、太陽風の影響でしょうか。反対側にも伸びていませんか? ダストの大きさと、相対速度が小さければ、潮汐力の影響より太陽風の影響が大きくなるので、外側だけになると思います。
2019-01-11 Fri 13:37 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
メインベルトの小惑星とは言っても、軌道面はかなり傾いて彗星の様ですね。
https://goo.gl/BxTMAz
2019-01-11 Fri 20:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
離心率=0.1936で、楕円軌道ですが、これは彗星よりは小さめです。
 それから、いつまで尾があるかという問題ですが、衝突で出てきたダストで太陽風の影響が大きいならば、いずれ、尾は本体から離れて単独で飛び去っていって、ダストトレイルになると思います。
2019-01-12 Sat 09:46 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
ちょうど良いところへS.Uさんが来てくださいました(笑)

私が実際に衝突場面を見たわけではないし、どこかに記録されてる訳でも無さそうなので、「正面衝突で本体が割れるほど木っ端微塵」なのか「併走しててちょっと擦った」だけなのか、粒子の飛び具合や大きさを推定する要素がありません。どうして「衝突によりダストの尾が発生」という結論を出したか、肝心なことがニュースソースに書かれてないんです。

S.Uさんならどういう理由が見つけられますか?

仮に「細かい粒子が相対速度の小さい状態で本体から離れた」程度なら、確かに潮汐力に従うことも考えられますね。ただ、最初のニュース画像を見ると反対側や垂直方向などへの流れは無く、まっすぐ一本の尾です。潮汐力と太陽風による圧力って何桁くらい差があるのでしょう?

あと、かすてんさんの図の通りGaultの軌道傾斜は約22.8度もあって、撮影時ころの黄緯は約-18.7度付近でした。潮汐力は黄緯にかかわらず等方向に働くと思うのですが、太陽風は黄緯によってかなり差が出るんじゃないかと思うのですが?このあたりの違いも尾の向きにかなり影響するかも知れません。まだまだ勉強不足です。
2019-01-12 Sat 10:33 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>「衝突によりダストの尾が発生」
 個別の知識はなく計算もできないので、一般的感想ですみませんが、衝突と推定したのは、一本の線にしか見えないからでしょうか。継続的にダストが出ているならば、シンクロンとシンダインの2次元的広がりが出てしまうはずとか。衝突だと尾の長さ方向はシンクロンになるはずです。

 熱照射による彗星からのダスト放出は分子運動速度の上限があって、最大でも数十m/sくらいと言われています。この場合、コマが楕円形に広がることはあっても、尾については太陽風による加速が効いて、ダストの尾は太陽から反対方向だけに行きます。太陽方向に伸びる尾というのは聞いたことありません(彗星からかなり遠くまで来た尾の一部が地球からの見かけ上太陽方向に見えることはしばしばあります)。だから、彗星のダストの尾の計算は、つねに太陽風が優勢になっているのだと思います。

 いっぽう、衝突では、分子運動速度の制約はなく、衝突相対速度まで原理的にいけますので、数km/sも可能です。しかし、この場合は速い破片は当方的に散乱せず、かつ初速があるので潮汐力の方向に飛んでいくとも限らないので、一本の尾にならず、その都度ランダムと思います。

 今回は、衝突によって、小さいかけらが小さい放出速度で一時期に当方的に出、太陽風で尾になったのではないでしょうか。かけらがかなり大きい場合は、潮汐力が効いて太陽の近い側にも出てくると思います。高感度撮影で、よく見れば、太陽側にもあればおもしろいのですが。
2019-01-12 Sat 11:12 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
さっそく詳しい解説ありがとうございます。
これでシンダインまで見えたらすごい!とは思うんですが。アンチテイルも出てないので扇形ではなく、明らかに一本線ですよね、この尾は。

で、最初のかすてんさんの疑問に戻るのですが、「Gaultにぶつかったほうの別天体のエネルギー…平たく言うと事故の相手方から受けた力はどこへ行ってしまったのか」と言うことと、「ぶつかった2018年11月初旬(推定)から2ヶ月もの間、ダストが出続けているのはなぜか?」という疑問が残ります。

ぶつかった瞬間だけの事象なら、一本線の淡いシンクロンが数日程度で消えるはず(?)。地球から全く見えなかったかも知れません。何がGaultに火を付けたのでしょうね?
2019-01-12 Sat 11:55 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>2ヶ月もの間、ダストが出続けているのはなぜか?
 地殻内部から何かが継続して吹き出しているということなのでしょうかね?どのような物質が噴き出しているかも興味ありますね。
2019-01-15 Tue 14:22 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

| 霞ヶ浦天体観測隊 |

FC2カウンター