33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
筑波山系踏破のみごとな記録
2018-08-15 Wed 00:00
ある休みの日の朝、その数日前に思いがけず知人から譲っていただいた『筑波山系の山路を辿る』というA4版126頁オールカラーの2014年に自費出版された冊子のページをめくっていた。実はこの冊子については2年前から気になっていて1冊購入したいと思っていたのだが、著者に連絡する手がかりがなく諦めかけていたものだった。本書は、10年間で筑波山と周辺の山々に800回以上登り、今では使われなくなっている数え切れないほどの登山道を探し歩いて、手描きのイラストと文章で記録したものだ。1807032.jpg頁を1枚1枚めくるたびに思わず唸り声が出てしまい、隣にいるヨメさんに笑われるのだが、これを唸らずに読める人がいるだろうか。右図は表筑波の山路のルート図だが、筑波山171回の調査成果が盛り込まれているので、ちょっとやそっとでは解読できない情報量だ。手紙に感想を書きかけたのだが、まどろっこしいので直接お会いしようと思い、奥付にある連絡先へお電話した。いきなりの電話にもかかわらず、『筑波山系の山路を辿る』は無くなったが2017年に作った2冊目の『筑波山系から歴史を辿る』はわずかに残っているのでいらっしゃい、お話しをしましょうと言っていただけたので、厚かましくもさっそくお宅へ伺った。

1807031.jpgお宅へ着くと、早速冊子制作の経緯を熱く語ってくださった。定年後から筑波山歩きを始め、最初はテーマを設定せずにとにかく目の前にある道や石や道標や社などを記録することだけに専念したとのことだ。たまたま家族の勧めで冊子にしたが、出版することはまったく考えていなかったという。最初の冊子が完成して、そこに記録された膨大なデータの中から興味を持ったテーマに関連するものを取り上げてさらに調査を進めた成果が2冊目の冊子になったという。ここでは内容を紹介しきれないのが残念だが、とにかく78歳のそのオタクぶりは見事。
別窓 | 雑感 | コメント:2
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この記事のコメント
これはすごいですね。
 私が初めて筑波山に登った時は、正規のケーブルカー沿いの登山道ではなく、それより東の藪に埋もれた近道だったように思います。なんか突然急斜面の上に御幸ヶ原が現れたような記憶がありますが、怪しいです。

 宮本常一の民俗学の本を読むと、日本列島には、東北の秋田あたりから中国山地まで、山ばかりで人里に下りずに移動できる山人の道が近年まであったとかで、けもの道なのかどういう起源なのかしりませんが、それだけの道が山にあると想像するだけで、オタクでなくても背中がゾクゾクするような気がします。
2018-08-15 Wed 09:32 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
すごいでしょう。在庫に余裕がおありだったら数冊購入してS.Uさんにもお分けしたかったのです。楽しんでもらえること請け合いですから。

この冊子を作られたSさんに言わせると、筑波山は迷ってもそれほど危険な山ではないのに、数本の有名ルート以外へ入り込んで迷った人が文句を言うので、どんどん立ち入り禁止にしてしまっている。こんなことをしているとますます道は埋もれてしまい却って危険になるんだということでした。

>山人の道が近年まであったとか
 同じ時代を生きながら空間的に異次元の世界があるのですから、ゾクゾクしますね。
2018-08-15 Wed 23:10 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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