2018-05-27 Sun 00:00
![]() これは5年前に書かれたあるブログ記事で、この中で1991年5月に始まった初めての過労死裁判について取り上げられている。1990年5月に33歳で亡くなった青年は私の高校の同期。同じクラスではなかったので特別に親しかったわけではないが、毎日昼休みになると弁当を持ってトランプゲームをやりに行っていた教室なので、彼の姿はいつも視界に入っていた。[高校の卒業アルバムより] ・働き方改革法案も採決強行 「過労死を助長」の声聞かず S.Uさんが別のコメント欄に書いてくれたようにまさに「農奴制」だ。 |
ちょっと調べていただければわかりますが、現在、限定された職種に導入されている「高プロ」に似た制度「裁量労働制」では、労働時間管理がなされていません。ですから、誰が何時間働いたかはわかりません。個人ベースでわからないのみならず、事業所ごとの統計値、推定平均値といったものさえほとんど存在しないものと思います。厚労省で調査しましたが、ほとんどの事業所に存在しないデータですから、調べようがありません。あったとしても、個人も上司も管理していない(本人が自分の労働時間を知らない)わけですから、会社にわかるはずがなく、適当に組み上げたほぼ捏造データと思います。それが証拠に国会に何度出し直しても矛盾が出てきます。確固としたデータが存在しないからです。ですから、労災認定しようにもデータがないことになります。本人が日頃から記録を残す必要があります。
専門型・企画型の裁量労働制は、それでも半分くらいは勤務時間が自由で、会議がすくないとか自宅や喫茶店で仕事をするとか、過労死になる確率は低いと言えるかもしれません。しかし、「高プロ」は事務職に仕事場所の指定可能ですので、たとえば自由な時間管理と言われても会社の机の上に書類を積まれてここで処理せよと命令されるともう時間管理などできません。そして、その書類処理に何時間かかったかは自分なり同僚なりが記録しない限り把握されません。「過労死」は増えますが、「労災認定隠し」の仕組みがはいっているので、過労死の診断が出ても会社が知らん顔をするようになるのではないかと思います。 だったら労働時間の管理を義務づければよいということになりますが、それは法律にはいっていません。それを隠すこと(労働管理の責任を免ずること)が本質的に制度の目的の一つだからです。残業代の節約や自由な働き方というのばかり話題になっていますが、最近流行りの管理者が責任を部下に転嫁する方式であることが主要な本質になっています。丁稚奉公が過労で死ぬと主人や番頭はその責任を追及されたでしょう。労働時間管理をしているからです。でも農奴制だと主人は、そんなに無理していたとは知らなかった、と言えば終わりです。
2018-05-27 Sun 07:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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