2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
万分の一ほどの追憶を
2018-07-12 Thu 00:00
2ヶ月ほど前に、あるきっかけから久しぶりに唐十郎を読み直したくなり、本棚の奥から茶色く変色した文庫本何冊かを引っ張り出したり、手放してしまった幾冊かは古書店で再購入したりした。ここで紹介する最初の3冊も古書店で購入したものだが、発売された1960年代から80年代当時に購入したものではなく今回初めて手に入れたものだ。

1805182.jpg『腰巻お仙』 唐十郎著 現代思潮社 1800円 1968年

 この本は当時も読まなかったので今回古書店で購入した。唐十郎の初期の話題作『腰巻お仙 忘却篇』『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』の2本の戯曲と、演劇論『特権的肉体論』が含まれている。

1805222.jpg『唐十郎と紅テントその一党 劇団状況劇場1964-1975』
              白川書院 1800円 1976年

 副題の様に1964年の状況劇場旗揚げから10年間のモノクロ写真記録集。30歳前後なのでとにかくみんな若い。モノクロの世界の中で、ここはひょっとすると連合赤軍のアジトなのかとも見紛う。


1805211.jpg『写真集 唐組 状況劇場全記録』 劇団状況劇場編
              PARCO出版 3500円 1982年

これは前記の写真集の期間を1982年まで拡張し、写真以外の資料(カラーポスター付き公演記録、状況劇場機関誌「SITUATION」復刻縮刷版)も加えた、300ページを越える唐十郎と状況劇場の全記録集という構成になっている。前記の写真集と同じ写真もあれば異なる写真も多数。本書のタイトルに「唐組」とあるが、出版の6年後の1988年、劇団状況劇場を解散した後に現在の劇団唐組となるが、それとは特に関係はない様だ。

1805262.jpg『実存 1968-69状況劇場』 西村多美子著
            グラフィカ編集室 1900円 2011年

 写真家西村多美子が学生時代の1968年-69年に状況劇場の『由井正雪』『続ジョン・シルバー』『腰巻お仙 振袖火事の巻』『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』公演を撮影し、卒業制作展で発表した写真を40年後に写真集として出版したもの。上の2冊と重なる写真は無い。出版後以下のような写真展も開催されている。
  →西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69


先日コメント欄に書いた様に、1960年代後半に唐十郎が吉祥寺の名店会館裏でしばしば公演をしていた当時、2つ隣の駅近くで小学生をしていた自分はアングラ芝居とは縁も無く、清く正しく天文少年の道を歩んでいた。1970年代になって中学生から高校生になる頃にはアングラは文化として社会的に認知され、高校生の視界の端々からも流れ込んで来る時代になっていたが、ついにリアルタイムで体感するには至らなかった。今回、状況劇場に関する3冊の写真集を購入し、自分には共有しきれなかった歴史として当時の舞台の雰囲気を50年の彼方から眺めている。モノクロ写真から伝わってくる汗の臭いと熱気はものすごく、舞台も芝居もその場にいた者たち限りのもの、後日の共有はありえない体験と感じずにはいられない。
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