33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
火星スケッチ 2018年05月〜08月
2018-08-04 Sat 00:00
今期は観測小屋からの条件が悪いので、時期に応じて家の周りの見やすい場所に機材を持ち運んでの観測を予定。使用機材は、鏡筒:TS-65P、三脚:ビクセンHAL三脚、架台:ビクセンHF経緯台、接眼レンズ類:タカハシHi-LE3.6mm。2年前まではHi-LE2.8mm(x179)を使ったが今回はHi-LE3.6mm(x139)を使った。

mars1805051.png2018年05月05日 02時25分。65P。x139。視直径約11.5秒。今期初観測。像はぶよぶよでピントが合わない。南西側にぼんやりグレーの影が見える様な見えない様な。微動のない経緯台で高倍率スケッチはかなり大変そうだ。
mars1805061.png2018年05月06日 02時23分。65P。x139。視直径約11.7秒。昨日よりも見えない。近くにいる月も霞み、土星の輪も見えないほど。火星は橙色がわかるだけ。5月30日以降、視直径が15秒を越えてからが本格的なシーズンだろう。

1805111.jpg倍率x139をフリーストップ式のHF経緯台上で観察するのはけっこうしんどいことが分かった。苦肉の策として、HF経緯台で荒く方向を決めて強めに固定して、視野を横切る火星は微動雲台で追尾することにした。

mars1805111.png2018年05月11日 02時39分。65P。x139。視直径約12.3秒。昼過ぎまで降っていた雨が止んで、夕方は涼しく爽やかだった。今夜も像はボケてはいたが、若干模様が見えてきたような感じ。この後木星も見たが、こちらも数本の縞が分かる程度だった。

1805205.jpg2018年05月28日 今年最初の火星観測日(5月5日)は大気の状態が悪く減速微動を使ってもちっともピントが合わなかった。と思ったのだが、次の観測日に重大なことに気づいた。大気のせいではなくて、単に減速微動装置が空回りしていただけだったのだ。これではピントは合わない。休日に1.27mmの六角レンチを探して固定し直した。そろそろ視直径15秒に近づいてきたので、次回の観測が楽しみだ。

mars1806081.png2018年06月08日 00時20分。65P。x139。視直径約16.5秒。南極冠が大きく見えている。正面やや東に大きく黒く見えているのはオーロラ海だろう。サバ人の海や子午線の湾は西へ回ってしまっていた様で微妙な模様はわからなかった。オーロラ海の北側に薄い影が感じられたのはアキダリアの東隣のルナ湖だったのか?6月6日から梅雨入りしているが、7日の午後以降晴れて夜半まで保ってくれた。ただ、今夜を逃すとこの先1週間は観測できそうにない。
[追記]アキダリアは影へ入ってしまって見えなかったと思ったのだが、1週間ほど前にアキダリア付近で大規模なダストストームが発生したようで、その影響で見えなかったことが考えられる。ルナ湖と感じたのはむしろアキダリアがダストストームの向こうにうっすら透けて見えていたのかもしれない。
 →AstroArts:火星で大規模なダストストームが発生中

mars1806221.png2018年06月22日 00時45分。65P。x125、x139。視直径約19.2秒。今夜も曇りだろうと寝しなにたかをくくって空を見ると火星が見えている。急いでパジャマの上に服を着て望遠鏡の準備。眺めているうちに輪郭の揺らぎは落ち着いて、眼も慣れていくのでいい感じ。ところが表面の模様はいつまで経っても掴み所がない。中央付近を中心にしてわずかに暗い模様があるようには感じるのだが、とにかく形として把握することができない。接眼レンズをあれこれ変えても結果は同じ。30分眺め続けておそらくこの辺りに模様があったと感じられるような図を作ってみた。南極冠ももっとぼやけて小さく見えた。

1806222.jpg部屋に戻ってから今夜の火星面のシミュレーションを確認して愕然。大シルチスが真正面にあったのか。視直径約19.2秒で大シルチスが見えないのが2018年の火星大接近の特色と記録しよう。

mars1807201.png2018年07月20日 21時25分。65P。x139。視直径約23.8秒。一月ぶりに火星を見た。高度は低いわ、正面に街灯はあるわ、電線の隙間から見ているわ、ダストストームは静まっていないわで、ただ大きくなった橙色のぶよぶよする円盤を見ているだけの様。1807201.jpg模様らしきものは感じられる程度で、輪郭をスケッチすることは不可能。

1807202.jpg大シルチス、サバ人の海、子午線の湾など、火星の名所が一望できる最高の位相のはずがこれでは、今年は表面観察は無理ということに等しい。大接近まであと10日。視直径で2%ほど大きくはなるが見え方に変わりはないだろう。この後、天候によって見えても見えなくてももうどっちでもいいわ、という気持ち。

mars1808041.png2018年08月04日 22時50分。65P。x139。視直径約24.2秒。大接近から4日過ぎた火星。蒸し暑い夜で、大気は安定とまでは言えないが、像のぶよぶよする感じがないだけまし。ダストストームが落ち着いてきたのか、大気の落ち着きかわからないが、おぼろげではあるが、久しぶりに模様を把握することができた。図右下のシーレーンの海からキンメリア人の海へ斜めに左上へ向かう模様が見えている。ただし、北極側がかすかに白みがかって見えたが、南極冠は認められなかった。

mars1808051.png2018年08月05日 23時00分。65P。x139。視直径約24.2秒。天気は下り坂だが、火星だけは見えている。肉眼では大気が安定しているように感じられたのと、甥が遊びに来ているのでとりあえず望遠鏡の準備をしたが、見えるよと言いに行った時にはすでに夢の中だった。そして火星の模様は昨日よりも見えにくかった。
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