2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
SuperKEKBの初衝突 ニコ生実況中継が始まった
2018-04-21 Sat 00:00
昨日午前中、KEKから「【本日4月20日(金)12:00から】KEK × niconico生放送・第二弾《世界最強加速器SuperKEKB》,電子と陽電子の初衝突を見守ろう!」のお知らせ」というメールニュースが届いた。そろそろBelle IIの初回衝突イベントが取れそうだというタイミングで、この先1週間ほどニコ生実況中継をするらしい。

世界最強加速器《SuperKEKB》電子と陽電子の初衝突を見守ろう!

1804201.png今日は1時間の放送中もその後の垂れ流し放送中も、陽電子ビーム、電子ビームとも度々アボートになっていた。放送に踏み切ったのだからビームが安定していると判断したからだと思うが、今日の状態は想定内なのか、想定以上に不調なのか不明。明日の放送ではより安定していることを期待しよう。
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この記事のコメント
ご紹介ありがとうございます。

>想定以上に不調
 この程度のアボートは普通です。調整をアクティブにすると、検出器保護が働いてビームを落とすようになっているので、調整も検出器運転も覚悟の上です。パラメータを変えてワザとビームを入れ直すこともあります。

 一般論ですが、2~3日の予定の不定性は想定以内、ただし少なくとも一方のビームが8時間以上運転されなければ、多少の問題の不調とみてください(早朝の時間帯は除く)。たびたびビームを入れている限りは、進歩があるものです。

>しょーたくん「衝突起こるまで続けます」
 1週間は(これだけの期間があればという)妥当なメドだと思いますが、予想より時間がかかる場合も、1週間にこだわらず流れで中継を続けると思います(ドワンゴさんとの契約がどうなっているのかはしょーたさんに聞かないとわかりせんけど)。
2018-04-21 Sat 08:05 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
本日は科学技術週間の公開日。天気は上々、集まりはいかがでしょうか。S.Uさんはどちらで仕事でしょう。

>この程度のアボートは普通です。
 原田氏のお話の中に「焼出し」についてありましたが、昨日の説明よりも今日はよりわかりやすかったです。そういう作業をやりながらの段階ならば納得です。
 電子、陽電子とも昨日よりも安定している様に見えています。

>1週間にこだわらず流れで中継を続けると思います
 先ほどの放送でもそう言っていました。それは良いのですが、このイベントディスプレイが見られる状態って、気になってついつい見てしまう。仕事にならんです。1週間くらいでケリがついて欲しいです。
2018-04-21 Sat 13:29 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>どちらで仕事でしょう
 今は、家庭で私物のPCで、霞天隊ページと、自分が設置した測定器のモニターと、ニコニコと3元中継をだらだら見ています。いろんな場合がありますが、球数に制限のあるゲームではないので、余力を常に残しながら時が満ちるのを待つことが重要ですね。

>このイベントディスプレイが見られる状態って、気になってついつい見てしまう。仕事にならんです

 花火大会かパチンコ台のようなもので、 何となく見ていても飽きが来ないという問題がありますね。今は何かイベントディスプレイが止まっていますね。RUNNINGの画面のほうは更新されているのでデータは取っているみたいです。
2018-04-21 Sat 14:00 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>3元中継をだらだら見ています。
 ハイレベル加速器小僧の自宅での過ごし方ですね。どの測定器ですか?秘密でなければ。

>余力を常に残しながら時が満ちるのを待つことが重要ですね。
 先は長いですから。

>何となく見ていても飽きが来ないという問題がありますね。
 本当にそうなんですよ。陽電子が継ぎ足されながら少しずつ電流値を上げているところなんかなかなかいいですよね。実際の衝突の時はそれぞれどのくらいの電流値まで上がっている予定なのでしょう。
2018-04-21 Sat 14:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>秘密でなければ
 現在、見るべきは、やはりルミノシティモニタです。(私の設置したのは、何種類かあるうちの2台。ニコニコ画面では見えません)ニコニコ画面と同じく、散乱イベントを捕らえるのですが、初衝突というだけなら、確実な衝突イベントを1つ捕らえればよいのですが、ルミノシティ測定となると、単位時間当たりのイベント数の推移を見る必要があります。

>実際の衝突の時はそれぞれどのくらいの電流値まで上がっている予定
 初衝突の時点では、電流は、現在の100~200mAでじゅうぶんそれなりに当たるはずで、むしろ、ビームがどれほど絞られているか(焦点距離)のほうが効きます。
 あっ、画面で「初衝突は週明け以降」とアナウンスされましたね。
2018-04-21 Sat 14:41 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ルミノシティモニタ
 ルミノシティ値といえば、性能をアピールする最前線のセールスポイントではないですか。SuperKEK-B事業の成功の鍵はS.Uさんにかかっているって言っても過言ではないですね。

>むしろ、ビームがどれほど絞られているか(焦点距離)のほうが効きます。
 それはバンチの集まり方のような概念ですか?それについてはこのニコニコ画面からはモニタ出来ないですか。

>画面で「初衝突は週明け以降」とアナウンスされました
 週末にチューニングが進んで月曜日以降が楽しみです。
2018-04-21 Sat 16:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>バンチの集まり方
 そうですね。バンチの進行方向に垂直な断面でのサイズの絞られ方に対応するのですが、天体写真家の方には、レンズの焦点距離の喩えのほうが正確に伝わると思うので、そちらで説明しますね。

 太陽光線のような「ほぼ平行」な光束を鏡筒のような筒に導き入れたとします。それを絞って一点に集中させたいのですが、元が完全に平行でないので(太陽の視半径などのため)一点というのは無理です。でも、元がだいたい平行であれば、凸レンズで小さいスポットに絞ることができます。この時、凸レンズの焦点距離が短いほど小さく絞ることができることが知られています。

 実際には、1個のレンズでは短い焦点距離を調整するのは無理なので、複数のレンズの強さを組み合わせて、魚眼ズームみたいなのをつくり、焦点距離を変えるようにすれば便利です。

 加速器では、これと同じ理屈で、同じビーム電流でもルミノシティが変えられます。加速器の場合は、このレンズというのは、四重極電磁石のことです。ズーム操作では、電磁石の場所は変えられないので、磁場の強さを変えます。実際、こういう設計はビームオプティクスと呼ばれています。
ニコニコじゃわからないですね。
2018-04-21 Sat 17:08 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
そいうと、コースを曲げる磁石とかビームを収束させる磁石とか、いろいろな目的の電磁石がありました。四重極電磁石が収束用ですか。
2018-04-22 Sun 13:41 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>四重極電磁石が収束用
そうですね。正確には、水平方向用と垂直方向用は別の電磁石で、だいたい2つで1セットになっています。「収束」は「集束」と書かれる場合もあります。「強集束シンクロトロン」という仕組みの基本技です。
 
2018-04-22 Sun 18:44 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>「収束」は「集束」と書かれる場合もあります。
 事態を収束させるわけでないので、集中させる集束の方が合っていますね。

現在、電子および陽電子のビームが安定していない様に見えているのは、周回部分の問題ですか、発生部分の問題ですか。発生部分はB-ファクトリーだけでなく、フォトンファクトリーへの供給もしているから、すでに安定した稼動をしているだろうと想像していますが。
2018-04-22 Sun 20:07 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>集中させる集束の方が合っています
 そうも言えますが、古くはフォーカス用レンズのことを「収斂レンズ」と呼んだので、「収」の字も強ち的外れではないかもしれません。

>安定していない様に見えている
 安定していないというわけではなく、運転パラメータの組み合わせを試して探しているいるような状況です。膨大な数のパラメータをダウンロードしてビームを入れて、あとは自動制御で運転しているのですが、運転状況を見て情報を読みつつ、徐々にパラメータを衝突に適したものに変えていきます。それから、「真空焼き」という業務があり、高ビーム電流を長時間ビームパイプ内に溜めこむことによって、ビームパイプからのガス放出を枯渇させることもやっています。

>発生部分はB-ファクトリーだけでなく、フォトンファクトリー
 現在、おもに調整しているのは主リングですが、フォトンファクトリー入射は、線形加速器のパラメータもエネルギーも入射路も違うので、本体の故障でもない限り、特に安定性の関係はありません。フォトンファクトリー入射の時と、SuperKEKB入射の時には、素早くパラメータを切り替えて、別の顔して動いているのです。今の加速器は、OS内蔵ソフトダウンロードマシンです。
2018-04-22 Sun 22:50 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>安定していないというわけではなく、運転パラメータの組み合わせを試して探しているいるような状況です。
 ビームがときどきアボートしてしまうのも、そういう作業の過程と思って、ビームが止まってしまったなどと一喜一憂しなくてもいいわけですね。

>「真空焼き」
 原田氏が「焼き出し」と言っていたのと同じですね。イベント画面に赤くチラチラ信号が出ている内は残存ガスが残っていると言っていました。

>高ビーム電流を長時間ビームパイプ内に溜めこむ
 この作業が進んでいるかどうかは、ニコニコ右上画面のパラメータを見て、ある程度推測できることですか?

>フォトンファクトリー入射の時と、SuperKEKB入射の時には、素早くパラメータを切り替えて、別の顔して動いているのです。
 ニコニコ右上画面でビームがアボートしていても、フォトンファクトリーへは供給されているわけですね。大きな主リングとかBELLEIIに注目が行きがちですが、地味ですがリニアックは縁の下のものすごい力持ちですね。
2018-04-23 Mon 13:14 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ビームがときどきアボートしてしまう
・調整の勢いでアボートしてしまう
・不安定さのためはからずもアボートしてしまう
・入射からやりなおしたくなって手動でアボートする
の3種類あり、これはオペレータをじっと見ていないと区別つきません。

>高ビーム電流を長時間ビームパイプ内に溜めこむ
ご引用のスナップショット画面のように、Vacuum Scrubbing と出ていればそれです。

>地味ですがリニアックは縁の下のものすごい力持ち
 今はまだ機能していないと思いますが、フォトンファクトリー、PF-AR、SuperKEKB-HER、SuperKEKB-LERの「4リング同時入射」機能というのがあります。パルスごとに行き先リングを切り替える(電子・陽電子、エネルギーも違う)という、地味なだけとは言えない神技を持っています。
2018-04-23 Mon 15:05 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ご引用のスナップショット画面のように、Vacuum Scrubbing と出ていればそれです。
 その作業は徐々に終了が近づいてくるのですか、それともある時急激に完了するのですか?判断する担当者が、ある値を見て、ここらで完了とするか、みたいに判断するのですか。
2018-04-23 Mon 16:24 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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