>星地名は災害
仮に星地名が隕石落下によるものならば、災害を避ける手だてはないでしょうが、とにかく実用的も興味深い説ですね。 東北地方に星氏という名家の系統があり、これが地名に由来する可能性は高いと思いますが、必ずしも空の星や占星術がらみの由来説が有力ではなかったと思います。「保志」などとかく家もあり、もちろんこれも「当て字」的なものでしょうが、当て字的なものから「星」姓が発生した(つまり「星」も当て字)という可能性もあると思います。 データで相関が見られれば数学的な可能性はあると思いますが、地名は人間が名付けるものですから、合理的に納得できる因果関係が説明できなければ、偶然の可能性のほうが大きく、読者が納得できるかどうかが案外重要かもしれません。
2018-01-13 Sat 07:34 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
著者の示す地名が少なくとも東日本大震災のときには大災害に遭わなかったということは事実のようです。これは大切な記録だと思います。その浸水地図は(地理院の数値データから)よくまとめられていると感じました。
ただ本書の場合ここから先が難しいです。著者は、この地点に共通するのは星を示す縄文語起源の地名、縄文時代の三点測量から選ばれた地点であると結論しています。私にはそこら辺の知識がないので理解も批判も出来ません。
2018-01-13 Sat 10:04 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>縄文語起源の地名、縄文時代の三点測量
東北地方の太平洋岸の人は縄文時代から、弥生人の混血、北海道アイヌ(の祖先にあたる人たち)の移動、北海道交易ルートの変化などにあまり左右されないで、定着してかつ独自の交易活動を続けたという説が正しければ、縄文時代以来の知識が蓄積されているというのはあり得るということだと思います。 いっぽう、東北地方の他の地域には、まだら的に、大和政権の遠征、北海道からの移住者など経済や文化圏の変化が起こったところもあると思うので、そういうところの地名にも同じようなのがあるのかないのか比較してみると手がかりになると思います。 また、同じ東日本の地名でも、アイヌ語の比率が高いもの、和語の影響のあるもの、借用語など、いろいろ混じっているそうですから、それがいっしょくたの縄文起源として同列に論じられていたら、やまとことばと漢語を同列に扱うようなものですから、分析としてあまり信用ならないかもしれません。
2018-01-13 Sat 11:37 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
縄文時代の三点測量については、著者の別著で詳しく論じているとありますが、さすがにそれを購入する気にはなりません。
また、仮説で仮説を説明する展開のため、ネット上ではトンデモ本の評も受けてしまっていますが、ただ、地名と非被災地についてまで無視するのはちょっと勿体ない感じを持っています。 買って読んで頂くまでもないと思いますが、ただいま読んでいる別の本を読み終わりましたら、本書と合わせて2冊をお送りしますので、おヒマな時に目を通してみてください。
2018-01-13 Sat 12:40 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
そうですね。縄文時代の測量については技術史的に確立しているわけではありませんから。
でも、東日本の地名が古いものでどのようにトレースできるのかは学問的に確立しているのではないでしょうか。 考古学では、仮説に仮説を重ねると何でもアリになってしまうので、前提と推論のどちらか一つは実証されたものか必然的なものでないと、その可能性の判断すらできなくなります。それで、アマチュア考古学でもそういうルールになっているのではないでしょうか。 例えば、ある種の天文現象に関連する遺跡があると主張するとして、少なくとも、確実にその時代に天文現象が起こったこと、あるいは、その種の天文現象を観測して建築土木に生かす技術があったこと、のどちらかは立証されていないといけないと思います。天文現象があったことも仮定、それを観測して使う技術があったことも仮定では、「トンデモ本」と言われるのだと思います。そういうことを昔天文考古学の本で読みました。 お送り下さるとはありがたいです。また、いつでも、ついでのある時でもけっこうです。(ついでというとかえって語弊がありそうですが)ありがとうございます。
2018-01-13 Sat 13:22 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
完全無視もできない内容か、やはりトンデモ本か、S.Uさんの目でご覧になってください。
2018-01-13 Sat 17:12 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
はい、お送りいただければ拝見します。なかなか申し訳ないことです。
2018-01-14 Sun 08:32 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
お送りいただきありがとうございました。さっそく第1章をざっと読んでみました。以下は、1章だけの第一印象です。
地名に関しては、7割がたトンデモと見ました。 空の☆を「ホシ」と呼ぶのは縄文語であるというのはそうかもしれませんが、その他の「コシ」とか「オツ」とか、アイヌ語でも解釈できる地名とか古代日本語と考えられる地名というののなかの多くには、のちに縄文語と混じった外来語である北方系言語とか南方系言語が起源になるものがあるはずで、その可能性が述べられてすらいません。ここはおかしいと思いました。 それから、北極星の偏角の議論ですが、北の空の適当な星を選び、歳差で調節して何百年か時代をずらせば、いかなる遺跡の方向でも何らかの星の偏角と結びつけることができますので、それだけで天文遺跡と結びつけるのは無理があります。遺跡そのものが観測所のような天文的な性質を持っておれば別ですが、この本では、根拠無しに縄文測量が星と結びつけられていて、この部分がロジックのまやかしのように感じました。 山のピークを結んだ交点がよいランドマークで特定の地名を付けたという仮説はすばらしいアイデアだと思います。しかし、それが、星やら天体観測と関係する根拠はありませんよね? 特定の地形に特定の名前を付けた、そこが共通して防災上の利点がある、というのは、☆とは関係なしにあってよいので、その部分についてこれから楽しみに読ませていただきます。
2018-01-18 Thu 20:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
早速お読みいただきありがとうございます。
1章についてのご意見を読み、自分の頭の中でモヤモヤしていたことが、すっきりした様に感じました。 >特定の地形に特定の名前を付けた、そこが共通して防災上の利点がある、というのは、☆とは関係なしにあってよいので〜 私もそう思うので、トンデモと受け取られかねない論理や仮定と結び付けない方が、地名の本来の意味へ近づける様に思います。
2018-01-18 Thu 21:17 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
別の観点の意見ですが、「星地名のついているところには地震被害を受けたところがひとつもない」という信念で研究を進められているところも疑問に思います。いかに古代人の智恵や予言能力がすばらしくても、何百とあるであろう星地名が周辺で大被害を巻き起こす大地震の被害をまったく受けない道理がないでしょう。星地名であっても多少の被害を受けたところはあるはずで、ないと予想していること自体、トンデモ間違いだと思います。ちゃんとした統計を取るべきですし、星地名の被害確率がゼロと出れば、かえって怪しいです。
星地名のあるものは、縄文語で説明しなくても、人の仕事や信仰で説明できそうなものがあるように思います。それが、生業に関わる街道とか神社に関係していると、それが断たれると仕事が困難になりますので、そういうのは災害に強い場所に設けたかもしれません。「○越」とかいうのは仕事で何度も通る街道っぽいですし、「板橋」というのは、関東に板橋不動というのがいくつかあるので、不動信仰(困難に負けず元気で仕事ができるように)に関わっていそうです。すなおなイメージで考えるとそうではないでしょうか。(お「不動」さんという名前からして、地震被害を受けにくそうな場所に造りそうなものです。)私の説もいいかげんですが、星地名よりは素直なだけマシだと思います。
2018-01-19 Fri 07:22 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
第4章まで(本質に関係ない紀行部分はとりあえず飛ばさせていただいて)読んで見ました。
星地名のアサインの仕方はちゃんと書かれておらず、おそらく先行著書を読んでみないとわからないのだと思いますが、どうやら、星の方角を歳差で調節しているみたいで、そうだとすれば、上に書いたように、どの方角でも星に関連づけられるので、やり方自体が成立しないものと思います。 それで、星を離れてみるのですが、そうすると、これは、結局、山のピークで囲まれている場所は、津波に強いと言っているだけではないでしょうか。周りにピークのある場所は、当然、波が入りにくいのでそういうことになるのではないかと思います。また、そういうところは、一方向的なズレ断層にもなっていないでしょうから、地震による地盤変動や地割れにも強いでしょう。 そうではないというならば、山のピークとの関係は捨てて、地名だけあるいは方向だけで、分類してもらえば何とか議論ができそうに思います。地形と地名を一緒くたにすると、実は地形で救われているものが、さも名前で救われたような議論にされてしまうのではないでしょうか。
2018-01-21 Sun 20:09 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
さらに先までお読みいただき、ありがとうございます。
>星の方角を歳差で調節しているみたいで〜やり方自体が成立しない >山のピークとの関係は捨てて、地名だけあるいは方向だけで、分類してもらえば何とか議論ができそう 縄文星地名や縄文測量を安全地点と結びつけるという著者の試みは成功していないと言わざるを得ませんね。
2018-01-22 Mon 00:47 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>縄文測量
これも怪しいです。こういう「測量」をするにおいては、天体を利用したとしても、ピラミッド建設などで知られているように、下げ振り、平面出し、角の2等分などのテクニックが必要です。 こういうのを縄文人が知っていたかどうか。長い水糸やロープは持っていなかったでしょう。こういうことができたのでしょうか。道具や数学原理を使わず、目の子で合わせた程度だとしたら測量というのも言い過ぎだと思います。
2018-01-22 Mon 08:33 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさんが上の方のコメントに「特定の地形に特定の名前を付けた、そこが共通して防災上の利点がある、というのは、☆とは関係なしにあってよい」と書かれているように、地名と非被災地の関係は災害が起こるたびに話題に上がります。そのことは違和感なく議論の出発点にできると思います。
安全地名の中には縄文語起源と考えられる地名が共通する要素になっているか、という方向へ議論していくのが自然な感じがします。また、著者がいくつか挙げている縄文語星地名以外にも、まだ知られていない縄文語星地名があるとしたら、それらが津波に浸水していない証拠とか、縄文測量のポイントに合致していない証拠といったものはまだ手に入っていないことになります。これですと、安全地名の中になんらかの共通点は見つかるかもしれませんが、それが安全地名で安全地点である証拠にはならない様に思われます。 つまり、著者が挙げた地名は今回の東日本大震災の時は安全だった、ということ以上の内容はない様に感じられてきました。尤も、それはそれで興味深いですが。
2018-01-22 Mon 10:25 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>地名は今回の東日本大震災の時は安全だった、ということ以上の内容はない様に感じられてきました。尤も、それはそれで興味深いですが。
たとえば、東北のリアス式海岸で、安全地名がある場所は、決まったパターンになっていることが考えられますね。 基本的に、東方向にのびるリアス式の半島の中ほどにある山のピークと内陸にある山のピークの線状で、人が住んでいて、縄文時代から陸地だったところ(縄文時代は今よりも海面が高く、かつ、河口近くは平地が整備されていなかったでしょう)に限られます。そういうところは、「安全気味」の場所が増えることが考えられます。 東北の岩手あたりの太平洋岸は、特に岩盤が安定している(ILC加速器の候補地になっていることでもわかる)とか、古代にヤマト政権や北海道アイヌ(の先祖)の移動の影響も比較的少なかったとかそういう事情も、地名の選び方に有利に働いている可能性があります。 東北の太平洋沿岸は研究上有利かもしれませんが、おっしゃるように、東海岸での東日本大震災の影響ということで内容が偏っているので、関東や日本海側で別の災害でもやらないといけないと思いますが、そうなると研究自体が困難になりそうな気がします。
2018-01-22 Mon 12:17 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>縄文語
そもそも、どの言葉が縄文語かというのがわかりません。 縄文時代の日本語がそうなのでしょうが、それは今は残っていません。アイヌ語や琉球語が縄文語に近いと考える人もいるでしょうが、それらの人たちは日本の中央から周辺に移動したと考えると、北方や大陸の言葉を後から取り入れている可能性があります。もちろん、ヤマト言葉も移入されています。ヤマト言葉は縄文語もありますが、弥生時代以降に日本語になった言葉もあります。それよりも新しいアイヌ語もあります。 「ホシ」がつく地名が縄文語の可能性が高いのは認めてもいいですが、その他の多く星地名が縄文語かどうかは証明のしようがないと思います。たとえば、明らかにヤマト語起源、朝鮮語、北方語起源の地名は除外することを考えるべきではないかと思います。それらは、弥生時代以降の日本語かもしれないからです。でも、本当はそうではなく、星地名を付けた人たちは、大昔から朝鮮語に近い言語を話す人たちだった可能性もあります。どう仮定してよいのかすらわけがわかりませんので、どうしようもありません。
2018-01-22 Mon 18:21 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
「縄文人が星に関連した地名を付けた場所は災害を受けにくい」ということについては、実証は困難だが著者は信じている仮設である、ということでそっとしておけばよさそうですね。
2018-01-22 Mon 21:30 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>実証は困難だが
そうですね。私は、商売柄、実証が困難な説を持って来てもらっても、高い評価はできないのですが、面白い視点で著者ご自身が正しいと信じられるのであれば、よろしいかと思います。 しかし、向きを星に合わせれば、遺跡年代が決定でき、土地の安全性がどうのこうのとかいうのは、ちと天文知識の濫用いかがなものかと存じます。
2018-01-22 Mon 22:10 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
著者が主張される「星地名」は、サイエンスとして解明されていくのがよろしいと感じますが、現時点では科学的実証に耐えられるとは言い難い残念なレベルということの様です。今後の進展に期待して本スレッドもそろそろお開きということでよろしいでしょうか。
2018-01-24 Wed 21:17 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
はい。問題の方面はだいたいつきて来たので、本スレッドは、お開きといたしましょう。また、何かあれば、私信にてお知らせします。文句をいうのも楽しませていただいているうちということで、そういうことで、お礼申し上げます。
せっかく、お送りいただきましたので、もう置かせて下さいませ。地名の着眼のほか、紀行や、風土、名物の案内には味があるように思います。年をとってから、これだけ旅に出られたらよろしいと思います。
2018-01-24 Wed 22:02 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさんの科学的な視点からの批評を聞かせていただけたおかげで、自分の頭の中でもやもやとしていた本書に対する不満足感がなんだったのかが分かってきました。
本は必要なだけお持ちくださって結構です。
2018-01-25 Thu 08:20 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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