33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
スーパーマーズ 勘違い集
2016-06-10 Fri 00:00
スーパーマーズも旬を過ぎたようで静かになってきたが今夜もしつこくスーパーマーズネタ。

・地球が火星に再接近!スーパーマーズ継続中!
 「最接近」です。「再接近」どころか2年2ヶ月毎に何度も何度も接近していますよ。

・31日夜は「スーパーマーズ」 火星が地球に接近、10年で最も近くに
 10年で最も近づくというのは、NHK視点・論点「スーパーマーズ・火星が地球に最接近」というタイトルで国立天文台教授の竝木則行さんも同じことを言っていた。もう一年足して過去11年まで遡ると最も近づいたと言えなくなってしまうので、10年はキリがいい数字という意味以上に「最も」→「スーパー」を言いたいがための舞台設定。全くしらけてしまう。

 →2003年から2018年までの火星接近表
 →火星超超接近
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この記事のコメント
「直近10年間で最も近い距離まで」というのは事実として正しいですが、「10年で最も近づく」というのは怪しいと思います。2年後に大接近がありますからね。

 仮に10年周期で近づいたり遠ざかったりしているのでしたら、任意の連続する10年間において最接近が1度あって、それがその10年の間の最も近い事象になっているはずですが、火星には10年周期がないのですから任意の10年を取るとその間に大接近やら小接近が入ってどうなるか一言では言えません。このへんは、ちゃんとした言葉を使わないと2年後に「ウソを教えられた」などという人も出かねないと思います。
2016-06-10 Fri 18:21 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
かすてんさん記事の引用サイトの「元データ」を作った(と思われる)Y氏は、ぼくと同世代に業界で活躍した方のひとりで、何度かお世話になりました。その方が5月末にツイートしてます。

↓近年の接近傾向
https://goo.gl/OT1RUZ
↓過去7万年ほどの傾向
https://goo.gl/juaoC4

現在は7or8回の接近毎に大接近が1回起こる周期ですね。で、その大接近自体も大きなゆらぎを持っているわけです。こういうグラフを提示して解説すれば一目瞭然なのにね。
2016-06-10 Fri 20:20 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
追加で…
私の下記記事中段にある図をご覧頂くと、だいたい「6200万km以内」なら大接近と呼ぶにふさわしい距離みたいですね。近年の場合、この幅の接近例には1986年、1988年、2003年、2018年、2035年が入ります。

http://goo.gl/9dR08b
2016-06-10 Fri 20:33 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
S.Uさん

こういう記事を書く人はS.Uさんが言われるような周期とかそのような科学を語りたいのではないと思います。とにかく話題作りのために、いまがスーパーであることを主張したいのだと思います。だから、11年前のことや2年後のことはなるべく知られない方がいいのでしょう。これも科学ではないところでの話題作りということならばスルーでもよかったのですが、天文学者までがその片棒を担いでいるのがいただけません。こういうのは正統派の天文普及とは思えないのです。

みゃおさん

山田さんのグラフを見ると、2018年の大接近は超級大接近ではないですが6200万キロ以下のかなりの大接近で、さらにその次の2020年もミニ大接近と呼んでも良いような中接近です。2回続けてそこそこの接近が続くところがいいですね。
2016-06-10 Fri 23:15 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>科学ではないところでの話題作り
 そういうことなんでしょうねぇ。
 私らは、その根本原理を尋ね、あるいは実験的に法則を導き出すのが科学だと信じてやまないのですが、とにかく突発的な話題の連鎖として「科学」を楽しむという人達も多いのかも知れません。それが本来の科学教育のために益になるのか害になるのかは見極めないといけないと思います。
 「火星を見て楽しむ」というレベルのことなら科学というほどのことではないのでどちらでもいいのですが、惑星が何年ぶりに近づくというのは古来よりの天文学の基本的な「教養」であると思うので、もう少し考えたほうがよいように思います。

みゃおさん、
 火星の「大接近」の定義の6000万kmというのはキリがよくて覚えやすいと思いました。奇遇ですが、私も大接近の定義について考えて、最近は79年の周期で「双子の大接近」というものが生じていることを見つけました。

http://www.d1.dion.ne.jp/~ueharas/seiten/gt49/idaishuki4.htm

http://www.d1.dion.ne.jp/~ueharas/seiten/gt49/collection3.htm

ここで、おまけで、2003年の超大接近のメカニズムについても少し調べたのですが、山田さんのご研究について知らなかったので、詳しいことはわからず、いい加減なところで茶を濁してあります。たぶん、離心率の変動が効くというのは正しいのではないかと思います。

 今日、火星の離心率の変化などを論じて、ミランコビッチ説のようなことを論じている論文を見つけました。

https://www.wakusei.jp/book/pp/2004/2004-3-03/2004-3-03.pdf

火星の楕円軌道の離心率は、10万年くらいと何百万年かのスケールの変動があって、相当大きく変わるみたいです。この論文によると120万年ほど前には今の地球と同程度以上に円軌道だった時代もあるようです。
2016-06-11 Sat 06:19 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさんのお話し伺ってしみじみ思うのですが、「科学的な情報」とやらをAさんがBさんに伝えるだけなら科学でも何でもないんですよね。近年の科学教育(=学校授業)が単なる情報伝達になってることを、とても憂慮しています。と言って、自分ならうまくできるという自信もないけれど。

科学っぽいことを楽しむのは必要なことと思います。興味関心のきっかけ作りや気持ちを高めるためには大切だからです。でもだからといって(事実誤認するほどの)扇動的な文言で楽しさを演出して良いとは思えません。今回の「スーパー」って、何が「超」なのか分からない曖昧さ、見境無い安っぽさがぼくの引っかかってるところです。

ミランコビッチサイクルって、どこかで教わった気がします。どこだったかな…?長期的な惑星軌道が「輪ゴムのようにプヨプヨ」しそうなのは何となく想像できますね。どう変化するか科学的にシミュレーションすると面白いのでしょうけど、個人PCでは無理そうな予感もします。

「双子の大接近」は興味深いですね。ぼくも作図してて感じました。これって、いわゆる「モアレパターン」のようなものですか?まとまった「双子」の周期ではなくて、複数の単周期が作り出した新たなパターンのような気がするのですが…。
2016-06-11 Sat 09:38 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>きっかけ作りや気持ちを高めるためには大切だからです。でもだからといって
 教育的な「きっかけ作り」というだけならば、火星が時々地球に近づくという現純な事実だけを伝えるだけで十分で、いらぬ解説はないようがよいのかもしれません。あとは、太陽系の惑星ぐるぐるのイメージである程度は追求できることですから。子どもの教育、生涯学習、広報、普及、宣伝・・・ テレビ番組にはいろいろな視点や思惑が混じっているから難しいのではないかと思います。ネットもそうかもしれません。
 ここは、やはり、かつての子ども向けの雑誌(「小学○年生」とか「少年マガジン」特集記事とか)のようにある程度限られた層を対象としたものがあるとよいように思います。

>ミランコビッチサイクル~どこだったかな…
 どうでしょうね。私がこれを最初に知ったきっかけはよく憶えています。新生代の氷河期と大型哺乳類の盛衰のサイクルの原因を地球外に求める学説をいくつか紹介してくれた研究室の後輩の学生の発表があって、その中に、隕石衝突説、ミランコビッチ説、太陽系の銀河面に対する振動説が取り上げられていました。

>「双子の大接近」~「モアレパターン」
 どうなんでしょうね。多少高次ですが、モアレパターンと言えるかもしれません。近年の大接近の間隔が、15,15,17,15,17(年)の79年の繰り返しになっているところで、この後のほうの17が実は(15,2)の双子になっています。でも、何百年もこのパターンで続くわけではないので、モアレの縞が延々と延びているわけではありません。

2016-06-11 Sat 11:18 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
きっとフーリエ展開的な何かで調べれば具体的に周期を構成する関数がすぐ分かっちゃうのでしょうね。ぼくには無理そうですが…。

ところで、勢い余って800年間の火星接近をCalSkyで計算して、グラフに描いてしまいました。長すぎるので400年ずつに分けて下記に保存してあります。閲覧できるでしょうか?1800*800pixelですが軽いpng画像です。

http://goo.gl/lVylMT

http://goo.gl/BvOtXN

6000万kmラインを下回る「双子」の形を見比べてゆくと面白いですね。S.Uさんのおっしゃる79年周期がぎごちなくも続いてゆく様子が分かります。
2016-06-11 Sat 13:05 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
ほぅ、こうして図示していただきますと、一目瞭然というか、微妙というか、とにかくよくわかります。
2016-06-11 Sat 18:23 | URL | S.U #vA7m9YNQ[ 内容変更]
S.Uさん、みゃおさん

>「火星を見て楽しむ」というレベルのことなら科学というほどのことではないのでどちらでもいいのですが、〜
>「科学的な情報」とやらをAさんがBさんに伝えるだけなら科学でも何でもないんですよね。近年の科学教育(=学校授業)が単なる情報伝達になってることを、とても憂慮しています。
 お二人の危惧も私のひっかかりも同じような本質的なところに絡んでいるのかもしれないです。

>今回の「スーパー」って、何が「超」なのか分からない曖昧さ、見境無い安っぽさがぼくの引っかかってるところです。
 この話題で何度か書いてしまったのは、科学者までもその片棒担いでいることへの失望感ということでしょう。

>最近は79年の周期で「双子の大接近」というものが生じていることを見つけました。
 面白くはないですが「双子の小接近」はもっと頻度が高いですね。
2016-06-11 Sat 21:00 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
火星の大接近は次の2018年ですが、何故2016年の接近がスーパーマーズと呼ばれるのか分かりません。
天文学者が片棒を担いでいるのもいただけません。
どちらにせよ火星が接近するのが夏場なら自宅では2階の窓からしか見られません。
高度が低すぎて隣の車がなければ、自宅と母宅の間を通る時に見れるのですが(2003年のはそうした条件があって見事な火星が見れましたし、撮影できました)。
どちらにせよ高度の低い夏場の接近では惑星は望遠鏡では見られません。
2016-06-11 Sat 22:05 | URL | 中井 健二 #uhioM94o[ 内容変更]
中井さん

>何故2016年の接近がスーパーマーズと呼ばれるのか分かりません。
 まったくですよ。今年の火星をスーパーマーズと言っている専門家の方に、2年後の大接近との関係を説明して欲しいです。

>どちらにせよ高度の低い夏場の接近では惑星は望遠鏡では見られません。
 実は私も同じ状況です。今年の高度が限界です。2年後はEdgeHD800では見られません。西空で高度18度以下になれば見られそうですが。亀の子同架の65Pならば屋根に蹴られながらでも見られるかどうかといったところです。2年後までに屋根を作り変えるかどうか、悩みます。
2016-06-12 Sun 00:00 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてんさん、中井さん、
>天文学者が片棒を
 おっしゃる通りだと思います。
 天文学者といえども、天文の教育や真面目な普及に関心の深い方ばかりでなく、自分の研究と、その研究を宣伝してそこに予算を持ってくることが第一の人もけっこういます。教育に使命感を持ち普及活動が面白いという人達とは種類が別の人達です。

 でも、こういう自分の研究一途の人も間違ったことはしておらず、普及教育が大事なことはよく理解した上で、自分はそれが苦手だから、それはそれが得意な人に任せておけばよい、という考えの人が多いようです。こういう人が、たまに広報の人手不足とかで、たまには自分もやらざるをえないか・・・ということになると、慣れないこともあって、まあ不適切な結果が生じることもあるのかもしれません。専門の先生方に、時間不足や人手不足の現状があるなら、たまには仕方ないかと思います。

***** 上は、あくまでも自然科学者の分類としての一般試論であって、今回、かすてんさんがテレビでご覧になった天文学者の先生がこれに当てはまるかどうかはわかりません。(その先生には当てはまらないかもしれませんが、別の機会の別の似たような先生に当てはまるかもしれません) *****

>南天~高度
 私は逆で、南天高度20°前後は家の中から見られて好調です。火星接近の写真も家の中から撮れました。ただし、家の中では、温度が安定せず筒内乱流がなかなか収まらない、人が動くと(家が傾いて!)望遠鏡の向きが変わるという問題があります。
2016-06-12 Sun 08:06 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
不幸自慢みたいになってしまいますが、自分の体の移動すら困難な私は、自宅アパートのごく限られた環境でしか観察できません。天体観察どころか生活そのものが閉鎖空間です。それぞれの不自由はあるでしょうか、お互い限られた条件を最大に活かして楽しみましょう!

別スレッドでS.Uさんのご指摘ありましたが、スーパーって言葉は「何かに対して」のスーパーであって欲しいので、漠然と使うのは乱用かもしれないですね。有り難みが薄れるというか…。スーパームーン、スーパー台風、スーパーフード、スーパーマーケット、スーパー銭湯…比較対象や基準がはっきりしないまま使ってる和製英語的イメージ戦略のような印象が残ります。自分は「科学に興味関心が高い児童」以外の多数の児童に対して科学普及が大切と思って実践してきました。そういった児童は論理思考でなく直感でかっこよさそうなイメージ戦略に容易に左右されてしまいます。「誰かが言ってたから自分も」という傾向も強いです。SNS全盛だから、あっと言う間に洗脳されますよね。大人だって知らない分野では無防備なんですから。

火星接近も、ステーキのウエルダンやミディアムレアとか、松竹梅みたいなみんな知ってる分かりやすい段位分けを作れたらいいんですけどね。小中大接近に対応する英語って何でしょうか?ザッと調べてみましたが、総じて「Close Approach」か「Closest Approach」になってしまい、分かりませんでした。Superは無かったですね。学術用語でなくても良いので、ご存じでしたら教えてください。
2016-06-12 Sun 10:27 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>小中大接近に対応する英語
 適当な英語の本が手元にないので、ネットで調べただけですが、みゃおさんのおっしゃるように、接近は"close approach" ですが、特に大接近、小接近ということばはないようですね。"closest approach"もせいぜい幾何学的な最接近(極小距離事象)を意味するようです。

 下のWikipediaの
https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Mars_observation
の4つめの図のキャプションにある

closest oppositions every 15–17 years

というのが、せいぜい正式な用語のようです。衝の中での最接近のものという意味でしょうね。

super approach は、golf では使われるようですが、Marsでは使われないようです。

 だとすると、昔から「大接近」、「小接近」ということばがある日本語はそもそも英語より偉く、わざわざ擬似英語などを引用するのは愚の骨頂ということになりそうです。

 では、「大接近」という言葉を最初に使ったのは誰か。野尻抱影の『天体と宇宙』(1953)には「十五年に一回ずつの衝では、火星は約五千五百万キロにも大接近することがある」と書いていますので、このへんが初めではないでしょうか。山本一清の『天体と宇宙』(1941、同じ題名だが別の本)では、夏期の火星接近は十五年毎に起こって観測の好時期とありますが、大接近という言葉はありません。
 「天文月報」1956年6月号には「大接近」という言葉が載っていますが、1939年の日本に「大接近」の言葉があった証拠は見つけられていません。「大接近」は1950年代の日本から始まったのでしょうか???

[附記]
 といっているのもつかの間で、なんと1924年の『天界』の中村要氏の記事に「大接近」がありました。

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/160080

起源はかなり古いようです。このぶんでは、英語でも古い文献を見れば何かあるかも知れません。
2016-06-12 Sun 16:43 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>昔から「大接近」、「小接近」ということばがある日本語はそもそも英語より偉く、わざわざ擬似英語などを引用するのは愚の骨頂ということになりそうです。
 「大接近」、「小接近」に相当する英語がないというのは意外でした。

>1924年の『天界』の中村要氏の記事
 これのことかもしれません。
http://goo.gl/RlwR7M
2016-06-13 Mon 00:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
わざわざ調べてくださりありがとうございます。とても参考になります。英語の古い文献が見つかると良いのですが、そもそも英語に頼る必要もないですよね。日本の使用例は少なくとも中村要さんの時代にはあったんですか。「遊星」という言葉が使われているところがいかにも京大です(笑)

ただ、この文献の様に単独で使われていると、接近距離を分類する「大」なのか、強調するための「大」なのか、ニュアンスをくみ取るのが難しいかも知れません。

◎「スイカの大玉」は「小玉」とともに分類を示す。
◎「大マゼラン」は「小マゼラン」とともに分類を示す。

英語だとbig/small、major/minor、superior/inferiorのような「大/小」でしょうか。でも「大輪の花」や「大海原」のように分類と言うより「すごい」「とても」に近い意味合いで使うこともあるので…。はっきり分けられることでもないんですけどね。

今回のsuper問題(?)のsuperとかspecialという言葉は、本来むしろ後者の意味合いに使われる気がします。それが、実際の「距離の分類」と合ってないぞ、という問題なのかなあ、という分析をしました。
2016-06-13 Mon 11:30 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>接近距離を分類する「大」なのか、強調するための「大」なのか
 これは微妙な問題ですね。火星の接近の場合は、強調の意味合いがおもであっても、観測史上有限回の接近の中から条件の良いものを選別しているのだから、潜在的に分類の意味もある程度含んでしまうように思います。
 
 でも、「15~17年に一度の大接近」とか「大接近と小接近」というふうに書かれていると前者の意味であることは明らかですね。日本語で私が初めて火星について学んだ時は、15~17年に一度も小接近も説明されていましたので、遅くとも1960年代には前者の意味が確立していたと思います。

 英語についても、一応、公平のために、昼休みに図書室へ行って紙の科学百科事典によって確認しました。
 
McGraw-Hill Encyclopedia of Science & Technology の 2002年の版の Mars のところには、以下のように書かれています。

The apparent diameter of the disk of Mars varies from a minimum of 3.5 seconds of arc at conjunction to a maximum of 25.1 seconds of arc at the most favorable perihelic (near-perihelion) oppositions, when the distance to the Earth is only 35x10^6 mi (56x10^6 km). At apheric oppositions the apparent diameter is no greater than 13.8 seconds of arc. The most favorable perihelic oppositions with Mars occur every 15-17 years, such as those in 1956, 1971, and 1986; the next of these occurs in 2003.

これだけ書いてあってもはっきりした「大接近」という分類用語はありません。"the most favorable perihelic opposition" が「大接近」の意味だとしても、直訳では「最好条件近日点付近衝」となってしまいますので、分類用語としては長すぎて不便ではないでしょうか。

 英語の古い文献には当たれていません。ホールやローウェルの書いたものを見ると、独特の言葉がある可能性は捨てきれません。
2016-06-13 Mon 13:08 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
貴重な昼休みに時間を割いていただき、重ね重ねありがとうございました。なるほど、perihelic oppositionという表現は確かに大接近に近い意味合いですね。当然ながらaphelic oppositionという言葉もあるわけで、ネット上でもいくつか見つかりました。さすがに中間はないでしょうか…。

これは火星のPerihelion近くで起こる地球視点のOppositionという意味ですよね。考えてみると地球自身はPerihelionでなくAphelion付近で火星の衝を迎えないと大接近できませんから、Heliocentricとしては火星と地球が逆の立場です。さらに火星の軌道傾斜で地球軌道面から離れることも加味するとなれば…。ハーシェルの時代には具体的な地心距離とか、衝と接近の違いとか自明だったんでしょうか?…困った、興味と疑問が止めどなく溢れてしまいます(笑)
2016-06-13 Mon 14:48 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>火星のPerihelion近くで起こる地球視点のOpposition
 
(笑) はい。Perihelion はその定義からして Heliocentricな概念ですが、Oppositionはその伝統からGeocentricな概念ですね。ということは、科学事典にperihelic oppositionと書かれても、古今の天文学の素養のある人以外の読者は幾何学的なイメージを持つことすら難しいかもしれません。また、他の軌道要素も気になってきますね。

 一方、「大接近」、「小接近」の用語においては、より直截的であり、2星の距離は(非相対論的近似においては)観測系に依らないので、このようなややこしい問題は起こりません。

>困った、興味と疑問が止めどなく
 困りましたね。私も深入りし出すと・・・
 ケプラーは、すでに、地動説の2体問題で、キリスト紀元頃の木星と土星の会合やら、将来の水星の太陽面経過の予報やら計算できたそうですから、惑星の軌道要素と計算法を完全に把握していたようです。ただ、その時代は、それができるデータを握っていたのはケプラーだけだったかもしれません。 
 ハーシェルの時代には、すでに、惑星位置を予報した英国航海暦が出版されていて、さらにレーマーとブラッドリーによる光速の効果の議論もよく知られていたので、一通りの天文学を学んだ人は、問題なく3次元で理解できるようになっていたはずです。
2016-06-13 Mon 18:05 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
6月13日の夜2階の玄関の踊り場で変光星の観測をしていたら、1階の貸家の住人に窓をピシャっと閉められました。この分ではいつもの観測場所での本格的な観測は難しいですね。冬場を除いて。
気を取り直して同じくティーガル100で火星を観ました。定状の43倍では安定していますが、明るすぎて模様は見えず。144倍にすると昼間に焼けた部屋と外の温度差で乱気流が発生して南極に青白い模様が見えます。高度が低くて色ずれを起こしていると判断しました。スケッチをしようにも火星は踊りまくってスケッチは断念しました。模様は見えていました。
土星や二重星やM4も見て感動しました。
翌6月14日はあらかじめ日没後から南西の部屋を窓を開けて温度順応をなるべくさせました。
FC100+EM200B+メタル三脚を伸ばさずに火星を観たら意外に良く見えましたが、10cmでは苦しい。
25cmシュミカセには遥かに及びません。
それでも焦点距離2000mmにて動画撮影しました。
極軸が合っていないので1分間で画面の南から北に移動します。それでもめげずに汗びっしょりになりながら10ショット撮影して最後のが1番良かったです。
もうファインダーでの画面への導入が窓にけられて無理な状態でしたので止めました。拡大率が小さすぎてもっと拡大すべきでした。以下のURLにあります。

http://star-kn.la.coocan.jp/aress.html/mars2016.html
2016-06-17 Fri 00:04 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
私も1回くらいはアストロカメラASI120MC-Sで写真を撮っておきたいとは思っているのですが、スケッチもろくに描けない程度の日ばかりで機会を逃しそうです。
2016-06-17 Fri 00:20 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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