
2016年04月10日 寝る前に外へ出たら南東の低空に赤黒く明るい星が上がっていた。今季初めて見る火星(なんと怠慢)。最接近まで2カ月を切ってしまったのでぼちぼちスケッチを始めようと思う。
[火星の左下は土星、右下はアンタレス。街灯を避けながら1秒露出の手持ち撮影]

2016年04月26日 火星観測用の主力鏡筒TS-65Pを同架して準備完了。最接近までひと月足らず。それまでに観測機会が何日あるかにもよるが、目のリハビリは間に合うのか!?といったところだ。
画像は、いつものように左列はタカハシTS-65P(口径6.5cm屈折)、右列はセレストロンEdgeHD800(口径20cmシュミカセ)でのスケッチをもとにしたイメージ図。

2016年04月27日 00時40分。65P。x179。視直径約15.5秒。薄雲が掛かりながらも明るい星が見えてきたので久しぶりに屋根を開けてみた。月明かりを屋根の縁で隠すと、火星-土星-アンタレスの三角形が写った。続いて2年ぶりに65Pで見る火星、71倍でいきなり黒い大きな影が見えた。大シルチスのお出迎えだ。71倍→139倍→179倍と変えながら模様をしばし眺めてスケッチした。2年ぶりの上に眼視とスケッチの勘が戻っていないのでちょっとリアリティに欠けるかな。まぁでも薄雲があった代わりにシーイングが安定していたので見え方はくっきりしていた。約15秒というのは2年前の最接近時の大きさだ。今年はあとひと月かけて2割増しまで大きくなる。

2016年04月30日 04時00分。65P。x179。視直径約15.9秒。冬に戻ったような快晴の寒い朝。大気の流れが安定せず像はぶよぶよで大シルチスもぼんやりとしか見えなかった。

2016年05月13日 03時45分。65P。x179。視直径約17.66秒。気流は安定してはいるがなにせ低空、視直径17.66秒まで大きくなっているが像はぼんやり。南極冠の表現がちょっと白すぎた。南極冠右上はシレーンの海の西端か。中央付近には何かがありそうなのだが掴みどころのない模様が感じられた。まさかケルベルス運河?

2016年05月18日 22時50分。65P。x179。視直径約18.1秒。火星表面模様の観望好機表(→
昨日の記事)を作ったので、さっそく使ってみた。今夜23時はアキダリアやオーロラ海が見えるはず。確かにそれらしき模様は正面にあるのだが、シーイングがいまいちでまったく摑みどころなかった。EdgeHD800は南屋根で半分蹴られてコントラストが無く65Pよりも締まらない像のためスケッチできなかった。南東と北西の縁に白っぽく見えたのは極冠ではないが、朝霧夕霧の類だろうか。

2016年05月22日 23時30分。65P。x179。視直径約18.4秒。今日は火星が衝。最接近まで10日を切った。今夜もアキダリアやオーロラ海が真正面に見えている。しかし、それ以上の形は見分けられない。

2016年05月22日 23時30分。EdgeHD800。x290。視直径約18.4秒。今季初めてEdgeHD800でもスケッチをした。南屋根で半分が蹴られるのは残念だがどうしようもない。コントラストに乏しい像ではあるが、じっと眺めていたら海の形がだんだんに見えてきた。オーロラ会の東側に線状に見えるのは子午線の湾(アリンの爪)からザバ人の海にかけてだろう。視直径も随分大きくなっていることは感じるが、シーイングが安定せず、よく見えた感に乏しい。

2016年05月23日 22時20分。65P。x179。視直径約18.4秒。さらに1時間早く観望を開始。薄雲が掛かっているが、子午線の湾、サバ人の海が今季初めて65Pでも確認できた。

2016年05月23日 22時30分。EdgeHD800。x290。視直径約18.4秒。スケッチの調子も上がってきて、自分の見たイメージに近く表現できるようになってきた。最接近前後にシーイングの良い日が来ると良いのだが。

2016年05月27日 23時20分。65P。x179。視直径約18.6秒。夕方まで雨が降りストーブが必要な寒い1日だった。夜遅くになり晴れ間が出たので望遠鏡を覗いた。65Pでは子午線の湾とサバ人の海が分かっただけ。

2016年05月27日 23時25分。EdgeHD800。x290。視直径約18.6秒。一瞬模様が見えた瞬間があったが、間もなく像はボケボケになってしまった。それでも、その一瞬に消えていく大シルチス、現れるアキダリア、中央に子午線の湾とサバ人の海などがはっきりと見えた。このイメージ図は実際よりもだいぶ汚らしくなってしまった。