33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
かんむり座R(R CrB) 次の一手は?
2015-12-07 Mon 00:00
1512051.png12等台以下まで暗くなった7月以来ご無沙汰しているかんむり座R(R CrB)だが、最近の光度曲線をAAVSOのページで描いてみた。7等台前半まで復光した3月の極大も普段の定常値6等までは届かなかった。しかし、この図を眺めていると、 RCrBはもしかしたら7等前半にデンついたことで一瞬でも「ほぼ」完全復光を果たしたと思っているように感じられる。案外この後はケロっとして6等までなんなく戻るかもしれない。
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この記事のコメント
>7等前半にデンついたことで一瞬でも
 まだ「逆大返し」の途中なのですね。
 京・近江まで戻らなくても姫路まで戻れば作戦上はよしということでしょうか。
 
2015-12-07 Mon 08:25 | URL | S.U #n86D0FW.[ 内容変更]
>京・近江まで戻らなくても姫路まで戻れば作戦上はよしということでしょうか。
 そんな感じでしょうね。ただ、本人はそれで納得しても周囲が認めるかどうか。それも、今後の行動次第だと思いますが。
2015-12-07 Mon 13:27 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>周囲が認めるかどうか
R CrBのホームポジションは6等ということになっていますからね。もうすでに数年以上ホームから出払っているわけですけど。

 ここで、自由研究として、R CrBのWikipedia 英語版のRef.[11]を参照して古い観測を見てみました。

http://www.jstor.org/stable/106921?origin=ads&seq=1#page_scan_tab_contents

すると、この変光星が発見された頃の1785年、1795年のもっとも明るかった時の観測では、π CrBと同じくらいの明るさとあります。π CrBは現在のデータでは5.57等ということになっています。これが元来の「ホームポジション」なのでしょうか。
 もし、京・近江まで戻ったら、R CrBとπ CrBの明るさを比べてみて下さい。
2015-12-10 Thu 12:46 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>1785年、1795年のもっとも明るかった時の観測では、π CrBと同じくらいの明るさとあります。π CrBは現在のデータでは5.57等ということになっています。これが元来の「ホームポジション」なのでしょうか。
 へぇー、面白いですね。いまは6等がホームポジションと思っていますが、かつてはもう少し明るかった。そして今回7等で折り返した。だんだん手を抜くことを覚えてしまったのでしょうかね。
2015-12-13 Sun 20:18 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>かつてはもう少し明るかった
 AAVSOのデータページによると変光範囲の上限は5.71等になっていますのでその可能性はあるのかもしれません。ただし、比較星が1個だけでは頼りないので、発見頃の論文にはもう一つ別の比較星に w というのがあるのですが、これが著者によって勝手に与えられた符号でどの星を指すのかよくわかりません。なんとも言えないです。
 図を見ると最近の観測(ここ50年ほど)でも、5.7等というのもあるみたいなのですが、これは本当に明るさがふらついて5.7等になるのでしょうか。それとも観測誤差によるものでしょうか。
2015-12-14 Mon 20:22 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
AAVSOで過去50年間の光度曲線を出してみましたが、5.7等は誤差かもしれませんね。私も富山市科学博物館の図を繋いだものを何度かアップしていますが、それを眺めても5.7等は誤差かなと感じます。
http://blog-imgs-74-origin.fc2.com/k/a/s/kasuten/1504161.png
2015-12-14 Mon 23:16 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>5.7等は誤差かな
 ランダムな並びで、常に一定のσ(標準偏差)で上下にばらついているから誤差だろうということですね。

 では、極大光度、5.71等の根拠となる観測はいつなのでしょうか。天文年鑑、Star Catalogue 2000.0でも 5.71等になっています。等級はV等級(眼視光度)になっています。これらは、General Catalog of Variable Stars (Kholopov et al. 1985-1988)に基づいているようですが、観測の原典は書いてありません。

たぶんさらに古い時代のAAVSOの観測にあるだろうとLight Curve を捜してみると、JD2419000-2423000の間で、1917年?頃を境に極大光度が下がっているように見えます。比較星の光度が改訂された可能性もあるので本当にフラットトップ部分が減光したのかはわかりません。
2015-12-15 Tue 07:31 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
AAVSOのカーブでは1843年が最も古いデータのようで、1890年ころまでは6等、1900年以降5等台になって、長い周期でわずかに波打っているように見えます。比較星図、比較星がどれだったのかまで調べるのは大変でしょう。
2015-12-15 Tue 23:31 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>AAVSOのカーブでは1843年が最も古いデータのようで、1890年ころまでは6等、1900年以降5等台

ありがとうございます。そんなに古くから記録されているのですか、これは貴重な情報ですね。

>比較星図、比較星がどれだったのかまで調べるのは大変
 困難そうですね。おおかた当時もAAVSO星図があってそれに載っている比較星の等級を使ったのでしょうが、そんなもの今見つかりませんしね。π CrB が比較星だったと仮定して、ボン掃天星表とヘンリー・ドレイパー星表で その光度を見てみると、前者では6.2等、後者では 5.60等(写真実視等級)となっていました。この線だと、20世紀前半に0.6等明るい側にシフトしないといけませんが、実際の観測は増光の時期がずれていて、1920年頃には逆の傾向です。

 何とも言えませんが、フラットトップの明るさが変わっている可能性もあるのではないでしょうか。

 何にしても、現代の R CrBの観測は、また新しい歴史をつくろうとしているのかもしれません。
2015-12-16 Wed 21:45 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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