33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
鬼怒川水害復旧のボランティアへ行ってきた
2015-09-29 Tue 00:00
1509281.jpgようやく平日に1日時間が空いたので鬼怒川水害復旧のボランティアへ行ってきた。こうした災害ボランティアは初めてなので茨城県と常総市のボランティア募集のページで持ち物などは事前に予習しておいた。
 →茨城県災害ボランティアの募集について
 →常総市災害ボランティアセンター

自分が行ったのは常総市石下総合運動公園に置かれた県のボランティアセンター。9時の受付開始に少し遅れたがズボンにステッカーを貼ってテントで待っていると、倉庫の藁出しに男性5人とか、食器の片付けに女性一人とか、室内の清掃に男女混合7人とか、募集が来るのでやれそうなところに参加表明する。釜ヶ崎で仕事探しているみたい。メンバーが決まったら本部との連絡係のリーダーを決めて、スコップ、デッキブラシ、箒、バケツに雑巾などの道具や市のゴミ袋、土嚢袋を預かって現地まで車で送ってもらう。因みに、運転は行きは行方市、帰りは那珂市の職員さんだった。東西の道を走ると至る所でガードレールが上流側から下流側へ倒されているのが目に付いた。

[掲載写真について]
ボランティアセンターで配布された「ボランティア活動中の心得・注意点」の中に、「被災地でのカメラ撮影は控えてください」の項目があったのでご当主に確認して許可を頂いた。
1509283.jpg現場は市の中心部に近い農家。50代のご当主と80代のお母さんの二人暮らし。今日でボランティアが入るのは5回目とのこと。流入した瓦礫の撤去、家具の処分、畳上げと処分、床板外し、泥のかき出し、石灰散布などの初期の重労働部分はほとんど終わっていて、室内の壁と柱、風呂場、お勝手とダイニング、床の間の拭き掃除が主な作業だった。鴨居の高さに水が達したことを示す線が残っている室内、想像を絶する。室内はまだまだ水気が残っていて造作に入るにしてももう少し乾いてからになるのだろう。「災害時の避難とか炊き出しなどはニュースの中の世界で、まさか自分がそうなるとは思ってもみなかった」と言われていたが、それは多くの被災した方の正直な実感なんだと思う。
1509282.jpgご当主に「水塚」のことを聞いてみたが、この周辺には無いとのことだ。この辺りでは洪水の時はこれを使うよと納屋の天井を指差して見せてくれたのが木の船。小貝川氾濫の時に使ったことがあると言われた。

15時30分にお迎えが来てくれてボランティアセンターへ戻り帰還報告をして(リーダーは報告書を書いて)解散。ボランティア経験のある人と今日が初めての人半々の男性4人に女性2人の混合チームだったが作業はとてもやりやすかった。帰り道、つくば市桜のCoCo壱番屋でカレーを食べた。CoCo壱番屋はボランティア活動をしてきた人に当日1000円以内で食事をサービスするというボランティア活動バックアップをしてくれている!

なお、石下総合運動公園に設置されていた茨城県のボランティアセンターは本日をもって閉鎖され、屋外作業については明日以降は常総市災害ボランティアセンターに1本化される。一方、県のボランティアセンターは水海道総合体育館での物資仕分け作業だけになるということだ。しかし、被災者の中にはこういうシステムの利用についてご存知ない方もいるので、ボランティア派遣が必要な現場はまだまだ残っているはず。常総市ボランティアセンターのサイト(→[Q]どんな活動がありますか? New!)では被災家屋のがれき除去、壊れた家財の撤去、泥のかき出しや清掃、側溝整備(泥だし)、土砂の土嚢詰めなどの要員を募集している。重労働から軽作業まで、まだ当分ボランティアの必要性は無くなりそうにない。
 →常総市災害ボランティアセンターFacebook

・東京新聞:災害ごみを処分場へ 笠間の施設に搬出 1日平均250トン
別窓 | 観測所の周辺 | コメント:6
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この記事のコメント
かすてんさんはボランティアに行かれましたか。偉いですね。私などは行っても、足腰が弱いので足手まといになりそうです。物の拭き掃除ならできるかもです。

 私の故郷でも洪水の時のためにお寺に木のボートがありました。お寺は高い所にあるので、そこから救助に向かったのかもしれません。昔は台風の時は前もって畳を上げたりしていました。しかし、今は家財道具が多いし、老人家庭でそんなことをしていると逃げ遅れてしまいますので、どうしようもないですね。水塚というのは聞いたことはありませんが、平屋でも天井裏や土蔵の2階に避難というのはありました。
 私の近くでは洪水は長いことありませんでしたが、昨年は私の故郷で被害が出ましたし、今年は常総市でこのような状況になりました。水害対策も市町村単位の避難計画だけでなく、川の治水整備の観点での見直しについて市民に情報を広げていくことが重要ではないでしょうか。昔の人は、堤防はどこどこが危ない、とか、市は次にどこの堤防を補強しようとしているとかよく知っていましたが、今の新住民は知らないでしょうね。
2015-09-30 Wed 19:51 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
偉いことでもないのですが、同好会の知人が小貝川氾濫での浸水を経験していて、その時の話を聞いて気にかかっていたので思い切って行ってきました。今回は初めてのことでとりあえず行ってきたという感じなのですが、配られた資料を帰宅後読み返して、あれをしたらよかったとか思う点もあり、また時間が空いたら行ってこようと思います。

記事にも書いたように、自分の力に合いそうなところに志願するやり方なので、強制的に力量を越えたところへ行かされることはないと思います。そんなことをすると却って足手まといになって非効率ですからね。私も普段運動不足な上にもともと腕力もないので、室内清掃+少し外作業の男女混合のところに入れてもらいました。初心者でも十分役に立つ内容でした。

近いうちに追加の記事を書く予定ですが、災害発生から20日経って、ボランティアの数が減っているらしいです(シルバーウィークの後なのでより減った感があるかもしれません)。初めての人を含め1回限りでなく何度でも参加してもらいたいようです。
http://www.facebook.com/josovcenter

畳を上げる意味が初めて分かりました。水を含むと持ち上げられなくなるのですね。

今回は小貝川の氾濫を知っている人たちにとっては裏をかかれたといった感じで、新住民にとったら寝耳に水だったかもしれません。しかし、自分の生活している地域の歴史を知ることはあまり試験の役には立ちませんが、命と財産を守る役には立ちそうです。
2015-09-30 Wed 22:07 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>畳を上げる意味~水を含むと持ち上げられなくなる
 そうなんですね。私は自分の実家がそうだったので言うのですが、昔の農家は貧しく物もなかったので、生活必需品である畳をだめにしないことと、農具を流されないようにするのが至上命令ということがあったと思います。

>自分の生活している地域の歴史を知ること
 実用的にも重要なことなのですね。
 小貝川と鬼怒川は常総市では隣り合って流れていますので茨城県の私はセットで兄弟の川のように思っていますが、源流はぜんぜん違うところなので、歴史的には性格の違いがよく知られていたことでしょう。
2015-10-01 Thu 08:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>小貝川と鬼怒川は常総市では隣り合って流れていますので茨城県の私はセットで兄弟の川のように思っています
 新住民の自分でも度々小貝川は氾濫を起こしてきた歴史を知っていますし、江戸幕府による利根川東遷事業で江戸を守るために常総地域を水浸しにしたという印象もあり、利根川、鬼怒川、小貝川流域はひっくるめて水害警戒地帯という認識だと思っていたので、今回の地域の反応はちょっと意外でもありました。小貝川氾濫の記憶が強いだけに、背後を襲われた感じなのでしょうね。

今回の水害では、多くの幸が重なりこの程度の被害で済んだとも言われます。明るくなる時間帯に決壊が起こった、雨が小降りへと向かった、風が酷くなかった、堤防が高すぎなかった、など、、、。堤防が高くなると、忘れた頃に壊滅的な災害が起こるようです。津波と堤防の関係もそうなのでしょう。小貝川氾濫で床上浸水を経験した知人が言っていますが、台風17号が近づいていたら利根川、鬼怒川、小貝川のトリプル決壊だってあったかもしれず、そんなことになったら5m以上の水がとんでもない範囲に広がったかもしれないと。
2015-10-01 Thu 10:24 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
少なくとも市の出しているハザードマップを分析しておくことが重要ですね。
 つくば市のを見ると小貝川と桜川沿いの氾濫しか載っていませんでした。先日、近くの花室川を見てみました。この川面からは住宅地沿いまでは徐々に土地が高くなっているので、急に氾濫することはなさそうです。(あくまでも私が見た範囲の話です)

 私の故郷のでは、川のそばから山に向かってなだらかに土地が下っているので、氾濫すると直ちに川のそばが危ないともいえず、遠い所が安全ともいえない難しいことになっています。(これもあくまでも私の出身区内の話です)
2015-10-02 Fri 17:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ハザードマップを分析しておくことが重要
 他所で災害が起こった時が「自分ならば」と省みる最も良いチャンスなので、地元のそういう資料を使って、頭の中で避難のシミュレーションをしておくことは大切ですね。
2015-10-02 Fri 21:04 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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