33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
宇宙線を使う原子炉透視撮影
2015-02-13 Fri 00:00
1502121.jpg・福島第1原発で溶け落ちた燃料を宇宙線使い透視する装置設置へ(15/02/10)

 →・KEK:宇宙線ミュオンを用いた原子炉の調査
   2014年1月23日にプレリリースされたこの技術を使うようだ。

1502122.jpg格納容器も突き破って溶け落ちている場合にはこの装置に写らないだろう。

1502123.jpgその場合、次の手としては測定器を地下に設置することになる。

1502124.jpgそれでも映らなかったら、、、地球の裏側から飛んでくるニュートリノを使った透視技術が開発されるまで待つ?

職場の友達に、今回の測定で核燃料が見つからないとなると格納容器内には残っていないことになるから深刻さがはっきりするのではないか、と言ったら、世間の人は核燃料は無いことが分かって安心するんじゃないの、となかなか核心をついた答えが返ってきた。

[2〜4枚目の画像はYouTubeキャプチャ画像に変更を加えた]
別窓 | 宇宙と物理ネタ | コメント:12
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この記事のコメント
>それでも映らなかったら、、、地球の裏側から飛んでくるニュートリノを使った透視技術が開発されるまで待つ?

 ニュートリノでは、反応率が低くてまったくデータの数がたまらないでしょうね。

 格納容器の底の部分や建屋の床の物質の厚さはどのくらいあるのでしょうか。それを透過するのに必要なミュー粒子のエネルギーがそんなに高くないならば、地下に陽子加速器とミュー粒子ビームラインを作って、宇宙線の強度程度のミュー粒子を地下から上向きに飛ばすことは、技術的にも費用的にも可能性があるように思います。 

 
2015-02-13 Fri 06:29 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>地下に陽子加速器とミュー粒子ビームラインを作って、宇宙線の強度程度のミュー粒子を地下から上向きに飛ばす

でも、そもそもどこに溶け落ちた核燃料があるかわからないと、どこに加速器を設置するかを決められないのではないかと思います。
2015-02-13 Fri 08:10 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>そもそもどこに溶け落ちた核燃料があるかわからない
 それは基本的な問題としてどこまでも残りますが、技術的には、加速器と照射箇所の間は何十メートルかの細長いビームライン(部分的には曲線でもよい)で結ぶことになるので加速器の設置場所の制限は緩いです。少し離れた所の任意の場所に置けばよいでしょう。加速器はリング型(シンクロトロン)がよいと思います(ビームラインの途中でミュー粒子の加速も多少は可能)。

 ビームラインの最終端を低めの位置に作っておけば、最終段電磁石の最小限の変更で、ミュー粒子照射の位置や方向の変更は可能だと思います。イメージ的には、消火栓と消防ホースの関係だと思って下さい。
2015-02-13 Fri 09:58 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>イメージ的には、消火栓と消防ホースの関係だと思って下さい。

一般的な加速器施設ではターゲットは一旦設置されたらそうそうあっち行ったりこっち行ったりしないでしょうが、そういう設計も可能なのですね。加速器の小型化と共に新たな道を開くかもしれませんよ。
2015-02-13 Fri 11:57 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>加速器の小型化と共に新たな道を開く
 そうですね。原発事故対応といっしょに論じるのは適切でないと思いますが、実験目的以外でも、新規の用途に応じて加速器の周囲にビームラインを増設することが放射光施設ですでに行われています。

 医療用の陽子・重イオン加速器でも、その用途の高まりに応じて照射ラインを増やし、治療1件あたりのコストを下げることなどが期待できます。
2015-02-13 Fri 15:35 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
40年前、大型加速器は最先端の素粒子実験以外に何の役に立つのかと思われていたのが、今やなくてはならない技術になっています。宇宙線実験も、宇宙の謎を解く一助にはなるだろうけども、それ以外の何の役に立つのかは自分にもわからなかったです。それが、原発事故というのは皮肉ですが、人間生活での利用レベルになったとは未来への想像力の射程距離など高が知れているなと感じます。
逆に言えば、その時には利用価値のわからないものの中にも、大切なものが隠されているはずで、経済性だけを基準には取捨すべきでないと感じます。
2015-02-13 Fri 22:12 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>それ以外の何の役に立つのかは自分にもわからなかったです

 私たちが、素粒子物理を習い始めた頃に、「素粒子はすごい性質をもっているなぁ」と感心したことは、基本的にはすべて常識をはずれたすばらしい特性ですから、いずれ遅かれ早かれ徹底的に実用化されるものと思います。また、そう考えるべきでしょう。100年以上前の基礎科学の画期的な発見を思い起こしてみると、だいたいそうなっていて、実用化されていないもののほうが珍しいのではないでしょうか。
2015-02-14 Sat 08:02 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
その時点で何に使えるのか分からないものでも、棚に並べて置くことが大切なんだ、小柴先生はおっしゃっていました。近頃は、自分の気にくわない人間の成果だと、棚に並べたものを掻き落とす輩が多くなって困ったことです。
2015-02-15 Sun 11:25 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
「そんなことをして、何の役に立つんだ!?」
ということばは、若いうちは決して使わないことばだったと思うのですが、最近はこれが口から出そうになるようになりました。でも、そんなことを言ってはいけないなぁ、という中高年の自戒です。
2015-02-15 Sun 15:26 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>「そんなことをして、何の役に立つんだ!?」

S.Uさんをしてそのようなことを言わしめるのはきっと微妙な部分なのでしょうね。
でも、私の環境だとそのように思えわせられるアイディアを耳にする機会が皆無に近いという点で本質的な危機なのかもしれません。
2015-02-16 Mon 00:11 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>きっと微妙な部分
 学問の境界分野とか、ちょっと怪しげな教育普及効果を狙ったものなど、確かに微妙な部分かもしれません。でも、「役に立たない」と決めつけるのはいけませんね。

>私の環境だとそのように思えわせられるアイディアを耳にする機会が皆無に近い

 たぶんそうではないと思います。かすてんさんは幅広い分野の可能性を暖かく見られているのだと思います。良いことだと思います。(それに対して、つぶさない程度に批判的に見るのも、また良いことでしょう。)
2015-02-16 Mon 21:43 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>広い分野の可能性を暖かく
>つぶさない程度に批判的に

この二つの視点でバランス良く見て育てることが理想だと思います。
2015-02-16 Mon 22:57 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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