33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
武田邦彦「それが真実かどうかではなく、著者はそう考えていることが分かる。論文はそれで十分」
2014-04-11 Fri 00:00
・STAP事件簿07 私がSTAP論文を読んでみると・・・
 武田邦彦氏の解説を取り上げる機会が多いのは、広い視野からこの問題への意見を述べている人が少ない中で、至極まともな発言を続けているお一人だと思うからだ。

・それが真実かどうかではなく、著者はそう考えていることが分かる。論文はそれで十分で、真実が示されているわけではない(人間には不可能)。
・記者会見の後、やや心配な議論は「STAP細胞があればOK,なければダメ」という意見が出てきたことだ。いま、問題になっているのは、「論文の書き方に少し欠陥があった」ということであり、「論文自体が間違っていた」ということではない。
・いろいろな観測をみんなでして、次第に新しい発見が完成していく。最初から「正しいかどうか」などを問うたら学問は成立しない。その意味で、STAP細胞は本当か?という質問は科学の進歩にとってきわめて危険である。

まったくもってその通りだと思う。

小保方事件に注目が行っている間に、TPPとか原発再稼働とか袴田事件とか消費税とか既成事実が積み上がって行く、、、。
別窓 | STAP事件 | コメント:12
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この記事のコメント
 仮に「論文の結論が間違っていた」ということになっても、論文は未知のことを研究しているので、推論の手法さえ正しければ、それはまったく問題ではありません。これは、どんな研究であっても、小学生の研究であっても、世界最先端の研究であっても同じことです。研究について、そんなことまで問題にして論じないといけないとは、情けなく思います。

 言うまでもなく、STAP細胞がその時は出来たと思ったけど、追試すると出来ていなかった。これは、非常に大きな科学と技術の情報で、相反する2つの論文の存在は、きっと将来の役に立つことでしょう。

 たとえば、文系であっても、歴史上、「邪馬台国九州説・機内説」とか「南京大虐殺はあったか」とか論争になって論文がたくさん出ていると思います。これらだって、白黒をはっきり主張している論文は、どちらかはすべて間違いということになります。

 今後、仮に奈良県の遺跡が卑弥呼の墓であることであることが決定的になったとしたら、九州説に基づく論文を出した人は総つるし上げになって、論文はすべて取り下げさせられるのか、というとそんなことは決してないです。本当は、九州説を執拗に唱え続けた学者は、畿内説を批判することによって結果的に補強しその確証に大きく貢献してくれた人として、その評価は変わらないでしょう。畿内説を証明しようとする学者にとってもっとも重要な作業は、九州説の論文の読むことだと思います。
2014-04-11 Fri 07:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>研究について、そんなことまで問題にして論じないといけないとは、情けなく思います。

マスゴミやバッシングに加担している人たちの多くはこの様な事が理解できていないのでしょう。ここでも日本の教育の欠陥が露呈しているということだと思います。

>STAP細胞がその時は出来たと思ったけど、追試すると出来ていなかった。これは、非常に大きな科学と技術の情報

必ず出来るのではなく出来る場合と出来ない場合がある、武田先生の言う「月明かり研究」ではありますが、そこから多くの派生研究と進歩の道が開けますね。

>批判することによって結果的に補強しその確証に大きく貢献してくれた人として、その評価は変わらないでしょう。

それこそが学問の進歩への寄与だと思います。

現在、「STAP細胞があるなら直ぐにここに出せ」と言っている人たちはそんなことには全く興味が無く、どこかからすでに金をせしめていて「現物を早く引き渡せ」とせっつかれている様にさえ見えます。
2014-04-11 Fri 17:08 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>「月明かり研究」

 「暗闇研究」と「月明かり研究」ですか。武田先生、うまいこと言いますね。細胞実験の経験も武田先生ほどの見識も私にはありませんが、月明かりから暗闇に移動した時の変化というのは、よくわかります。

 自分の測定の精度が過去の論文にある実験の精度よりも悪いうちは「月明かり」なので、先人のデータや解析方法を手本にして、ただ間違いないようにやっていけばよいのですが、研究が進んできて、自分の測定の精度が過去の実験の精度より良くなったときに、景色がガラっと変わります。自分のほうが精度がいいのだから、過去の方法やその数値に引きずられることに、突然まったく道理が立たなくなります。こうなると間違うも間違わないもわからず、とにかく自分の考えるベストを尽くすしかありません。
 月明かりと暗闇では、当然ですが、この変化は大きいです。

>教育の欠陥

 どんな小さいことで良い、子どもたちが、答えのわからないような実験や測定に挑むような機会を持ってほしいですね。特に、彗星や変光星の光度観測などは、常に世界最新の観測データを得ることが出来るので、もっともっと広めたいテーマだと思います。

 天文学者の予想が当たらないことをなじる前に、自分の目で世界に先駆けて観測できるチャンスがあることに価値を見いだしてもらいたいものです。
2014-04-11 Fri 19:43 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>月明かりから暗闇に移動した時の変化というのは、よくわかります。

いわゆる前人未到の領域へ踏み込んだ時ですね。

>答えのわからないような実験や測定に挑むような機会を持ってほしいですね。

これはほんとうに大切な事だと思います。自分は独創性に乏しい答え合わせに興味が行ってしまう子供だったので、そういう教育をされたらかなり苦しんだかもしれませんが。

>天文学者の予想が当たらないことをなじる前に、自分の目で世界に先駆けて観測できるチャンスがあることに価値を見いだしてもらいたいものです。

おお、耳が痛い。
2014-04-11 Fri 21:36 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>前人未到の領域
 若い独創性で前人未踏の領域を切り開いている研究者に、業界の掟がどうのノートの書き方がどうのというのは、それはまあ基礎は大事ですから近くの人が教育的指導をするのは大いにけっこうですが、外野がやいのやいのと口を出すのは、あまり適切でないというか見苦しいというか。

 イチロー選手にバットの振り方の基礎を教えるようなもので、所属するチームのコーチが指導するぶんにはけっこうですが、部外者の論評は、まあ居酒屋の話のタネ程度の価値しかないです。

>独創性に乏しい答え合わせに興味が行ってしまう
 自力で問題を解くなら、それでもいいんじゃないでしょうか。答え合わせでも良いので、ぜひこれを、天文や生物や実験など、自然の観察の分野でやってほしいものです。

 そうすると、参考書にすべての答えが載っているわけではないことに気づいて、子どもの景色もガラっと変わるかもしれません。
 今のかすてんさんは、独創性があり余ってらっしゃるくらいですよね。

>耳が痛い
 このSTAP事件のご論評シリーズにおいては、こちらも耳の痛いことが多いです。
2014-04-12 Sat 06:27 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>居酒屋の話のタネ程度の価値しかない

かつては居酒屋での話のタネで済んでいた世間話が誘導のされ方次第で、個人はおろか大組織、国家までも動かせること、それは社会の不安定要因と独創性の萎縮に繋がると思います。

今回の事件は国内で研究する特に若い研究者を萎縮させるに十分な効果があったと感じます。誰が得をしたのでしょうね。

今後もしも小保方vs理研が訴訟になって小保方側が勝つ事にでもなったら日本の科学は崩壊するとまで書いている人がいました。その人の目から見た日本の研究業界って、全然信用できないってことになりますね。

>参考書にすべての答えが載っているわけではないことに気づいて、子どもの景色もガラっと変わる

答えの無いものがあることを知ってもらって、自力で考えたその過程を評価してあげれば、考える事の楽しさやたいへんさを分かってもらえると思います。

>今のかすてんさんは、独創性があり余ってらっしゃるくらいですよね。

随分と買いかぶっていただきましたが、S.Uさんの目はかなりの節穴かもしれないですね。
2014-04-12 Sat 08:28 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>今回の事件は国内で研究する特に若い研究者を萎縮させる
>小保方側が勝つ事にでもなったら日本の科学は崩壊する

 私は逆に、勝つ事にでもならないと優秀な研究者は海外に流出する事になると思います。海外に追いつけ追い越せが頑張ってきた日本にはもったいないことですが、科学に国境はないので研究の進展にとってはそれでいいのかもしれません。教育や人材育成のことを考えると、誰も得をしていないでしょうね。

>S.Uさんの目はかなりの節穴かもしれない
 そうかもしれませんね。
 でも、そんなこと言われたのは初めてです(笑)。
2014-04-12 Sat 14:55 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>教育や人材育成のことを考えると、誰も得をしていないでしょうね。

この間の無駄なエネルギー、勿体ないですね。なにか良い教訓が残れば良いですが。

>そんなこと言われたのは初めてです(笑)。

私が自分の独創性に気づいていないということで、それは私にとっては喜ばしい事ですね。
2014-04-12 Sat 15:41 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>この間の無駄なエネルギー、勿体ないですね。
 かすてんさんは憶えておいででしょうが、ついこの間までは、「日本人は、物を売りつけるには熱心だが、基礎科学や文化の面での国際貢献が少ない」とか「そもそも日本人は独創的な研究ができない猿真似の国だ」とかボロカスに言われたものです。外国人のみならず日本人もそのように言って卑下していました。そういうことを聞かなくなったのは、ついこの10年くらいのものです。この間の努力を考えると、やはり許し難いことだと思います。

 でも、最近は、諸外国でも情勢は厳しいものがあって、海外に行ってもそれほど状況は変わらないかもしれません。かえって、科学研究の環境にかけては日本が世界でもすばらしい国だと見られているかもしれません。そういう世界の期待を考えると、ますます許し難いことだと思います。
2014-04-12 Sat 19:28 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
無駄な消耗戦はやめてくれと言いたいです。
2014-04-12 Sat 21:38 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
消耗戦は辛いですね...

 今、日本の科学教育は分水嶺に立っていると思います。科学教育の振興に関わっている方々には、今起こっている事をとことん考えていただいて(STAP細胞事件に限りませんが)、これまでの努力が実を結ぶよう、社会情勢や政策を動かすもう一踏ん張りを期待しております。
2014-04-13 Sun 06:16 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
武田先生は、STAP事件はある種の人たちが「火の無いところに煙を立てて、日本の科学に打撃を与えた」事件だったとまとめていました。
http://takedanet.com/2014/04/post_6e57.html
2014-04-13 Sun 14:57 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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