2年前の小接近よりも視直径的には大きく見えているのだが、季節が春になって靄のかかった夜も多く、観測は低調になってしまった。2年後は梅雨真ただ中、そしていよいよ4年後は真夏の大接近になる。
★画像は、いつものように左列はタカハシTS-65P(口径6.5cm屈折)、右列はセレストロンEdgeHD800(口径20cmシュミカセ)でのスケッチ。

2014年02月17日 03時15分。65P。x179。3時起き。赤い火星はもう南に高く上っている。今期初の火星観望。65Pに18mmのアイピースを装着。視直径約10.3秒の火星を見るにはこれではあまりに小さい。7mm、3.6mm、2.8mmとアイピースを変えながら一歩一歩近づいて行く。2.8mmで179倍はスケッチ用の定位置。地上は無風だが上空の風が見えるようなぶよぶよ像。極冠は見えない。中央やや東寄りに南北にうっすらと黒い陰が見えるような、、、。アキダリアだろうか。
さぁ、ここから2ヶ月かけて視直径15.2秒までになる。シーイングの良い日は模様もよく見える様になってくるだろう。

2014年02月22日 01時41分。65P。x179。視直径10.8秒。火星に焦点が合うといきなり大きなアキダリアが現れた。それだけでなくアキダリアの南端から南西方向へもかなり濃い模様が見えている。子午線の湾だと思われる。北極冠は小さいが東側縁に白く光る部分がある。朝霧だろうか?初めてEdgeHD800の眼視でも見てみた。65Pよりもよく見えるかというと、今夜の空では同じ程度だった。

2014年02月26日 03時20分。65P。x179。視直径11.4秒。像はぶよぶよ。昼間稲波へ行ったときも、春霞なのか黄砂なのかPM2.5なのか、なんだかすっきりしないぼんやりした快晴だった。夜になるとさらにぼんやり。GLOBE at Nightの評価も今夜はぎりぎりMag3だ。

2014年03月06日 02時10分。65P。x179。視直径12.2秒。雨上がり。ぼやぼやでまったく楽しめない。

2014年03月08日 02時20分。65P。x179。視直径12.4秒。南に水平に帯状らしき模様?北極冠は見えない。

2014年03月23日 22時35分。65P。x179。視直径14.0秒。久しぶりに模様が見えたが、掴みどころが無い印象。北極冠は小さい。

2014年03月28日 21時58分。65P。x179。視直径14.4″ほど。小さくなった北極冠に接してアキダリアの海が広がり、南側には子午線の湾らしき影が分かる。子午線の湾の東側に接する白く光る部分は朝霧と思われる。今期では最も良く見えている様にも思うのだが、それでもいまいち。目が衰えているのか?

2014年04月07日 22時40分。65P。x179。視直径約15″。最接近日が15.2″なのでもうほぼ最大の大きさになっている。そして、今期初見の大シルチスが正面に見えている。その南に接した部分は位置的にはヘラス盆地だが、白く光って見えるのは霧が覆っているためだろうか。北極冠の南にうっすらと見えるのはユートピア海のようだ。うす雲の掛かった空だったがシンチレーションが少なく良い像で見られた。

2014年04月07日 22時50分。EdgeHD800。x290。EdgeHD800でも見てみた。65Pに比べてコントラストが下がる分細部が曖昧になってスケッチでは再現できない。これは65Pでの画像の色味とコントラストを調整しただけの参考画像。

2014年04月08日 21時41分。65P。x179。視直径約15″。昨日よりも像の落ち着きが悪い。大シルチスはまだ正面へ来ていない。ヘラス盆地の霧やユートピア海がうっすらと見えている。

2014年04月11日 21時10分。65P。x179。視直径約15.1″。シンチレーションがものすごく、ゆらゆらぶよぶよ。最接近まであと3日。良い夜はあるかな。

2014年04月12日 22時04分。65P。x179。視直径約15.1″。今夜はなんとか模様が見えた。南側に見える黒い帯はチュレニーの海からキンメリア人の海そしてシーレーンの海、正面はユートピア平原だろう。真っ正面には鈴木壽壽子さんも憧れたケルベルス運河があるはずだが、今夜の空ではそれは対象外。

2014年04月14日 21時40分。65P。x179。視直径約15.2″。最接近。揺らぎが落ち着かなかったが一昨日と同じくらいの見え方だった。見えている火星面の位置もだいたい同じ。

2014年04月14日 21時55分。EdgeHD800。x290。今夜は微妙な模様については65PよりもEdgeHD800の方が見えたような気がする。西の縁に小さいがかなり明るく光る部分があった。しかし、口径20cmでもケルベルス運河は見えなかった。

2014年04月24日 21時05分。EdgeHD800。x290。最接近から10日後で、視直径15.0″。わずかに1%ほど小さくなっただけなのに、ずいぶん離れた感じがした。65Pでは北極冠と周囲の黒い帯が認められるくらいだったが、EdgeHD800では低緯度の淡い縞を見る事ができた。

2014年05月04日 21時45分。EdgeHD800。x290。視直径約14.3″。火星は65PとEdgeHD800で観望した。アキダリアが正面にあって、久しぶりに模様らしい物が見えた。
2014年05月09日 22時45分。65P。x179。視直径約13.9″。ボケボケでスケッチする気にならない。

2014年05月16日 20時15分。65P。x179。視直径約13.3″。風が吹きシーイングは悪い。ぱっと見では模様は見えなかったが、揺らぎが収まる瞬間を何回も待つうちになんとなく見えてきた。小さな北極冠がわずかに見え、そこから南東方向へかすかな帯が伸びているように感じられる、南東の辺縁は最も濃く感じられる。南の高緯度地域がなんとなく白っぽく感じられた。このシーイングでこれだけ見えれば上々だと思う。

2014年05月29日 21時45分。65P。x179。視直径約12.1″。南高緯度地帯は北極冠よりも白さが目立つ。