33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
『コメットハンティング 新彗星発見に挑む』
2013-09-30 Mon 00:00
1309143.jpg『コメットハンティング 新彗星発見に挑む』
   えびなみつる著 誠文堂新光社 2800円 2011年

少し前に『私の新彗星発見記』の紹介を書いたときにその続編的存在として書名を挙げておいたが、近くの図書館にあったので借りてみた。本書は2007年7月号以降『月刊天文ガイド』に掲載されたえびなみつる氏によるインタビュー記事『日本コメットハンター列伝』を再編集したものだ。

前著『私の新彗星発見記』に登場したのは、山崎正光、下保茂、岡林滋樹(本田実氏の文)、本田実、関勉、池谷薫、多胡昭彦、伊藤勝司、佐藤安男、山本博文、大道卓、阿部修、小島信久、鳥羽健次、三枝義一、鈴木繁道、森敬明、小林徹、池村俊彦、羽根田利夫の各氏20名。

そして、32年後に出版された本書には、本田実、関勉、池谷薫、多胡昭彦、小島信久、鳥羽健次、工藤哲生、中村正光、西村栄男、荒貴源一、岡崎清美、谷中哲雄、市村義美、板垣公一、百武裕司、中野主一、鈴木雅之、小林隆男、高見澤今朝雄、串田嘉男、宇都宮章吾の各氏21名が登場する。前書本書ともに登場しているのは、本田実氏から鳥羽健次氏までの6人で、その後に活躍された方々が15人登場する。

本書は、前著同様に彗星発見者が語るエピソードがページのほとんどを占めるが、タイトルの「挑む」は中野主一氏による巻末の特別寄稿「新彗星発見へ向けて」および山岡均氏の「新天体発見報告のためのガイド」に直接掛かっているように思われる。特に中野氏の稿は全天サーベイの網をかい潜って効率よく彗星発見に至るための捜索のポイントを指南する内容になっている。

とは言え、プロの全天サーベイが増光前の彗星を一網打尽にしてしまう昨今、11等級より明るい彗星を狙う伝統的な眼視や簡単な写真捜索によってサーベイで見落とされた彗星を見つけ出すことの困難さはあまりに明白で、アマチュアと言えども13~14等級での発見を目指さざるを得なくなっているのが現実だろうと思う(下のリンク参照)。
2書に登場する彗星発見者の発見光度とその手段(記載無いものは眼視)を、東亜天文学会「日本人が発見した新彗星リスト」を参考にしてリストにした。

 山崎正光   9
 下保茂    5〜6
 岡林滋樹   9
 本田実    3.5〜10
 関勉     8〜11
 池谷薫    8〜12
 多胡昭彦   7〜10
 伊藤勝司   8
 佐藤安男   6〜11
 山本博文   7
 大道卓    8
 阿部修    9
 小島信久   14(写真)
 鳥羽健次   10
 三枝義一   7〜9
 鈴木繁道   6〜9
 森敬明    8〜12
 小林徹    8〜8.5
 池村俊彦   12(写真)
 羽根田利夫  10

 板垣公一   9~13.5(CCD)
 岡崎清美   9〜13.5(シュミット)
 宇都宮章吾  7~10
 荒貴源一   7
 高見澤今朝雄 9~12.5(写真)
 市村義美   9
 谷中哲雄   9~11
 串田嘉男   13.5(写真)~16.5(写真)
 中村正光   9
 西村栄男   9
 百武裕司   10.5〜11
 小林隆男   18(CCD)
 工藤哲生   9.5
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