2013-09-16 Mon 00:00
この前、PhotoshopElements11で画像処理をすることにしたと書いたが、そのための参考書を紹介しておこう。
![]() 西條善弘著 誠文堂新光社 2000円 2013年 副題に「画像処理の基本をマスター」とあるように初めて天体写真のレタッチに挑戦する人が対象らしいが、私の様にいままでいい加減にやって来た者にもピッタリだと思う。 本書は『月刊天文ガイド』2009年5月号から2010年10月号までの間連載された記事を再編したもので、当時はPhotoshop Elements7ベースだったのが本書ではPhotoshop Elements11になっている。18ヶ月に渡る長期連載記事を毎月きっちりと読み続ける根気の無い私のような者にはこういう書籍化はありがたい。 著者は天体写真を修正したくなる三つの理由を挙げている。(1)光害の影響を修正(2)かすかな天体を見やすくする(3)自分が見て感じたイメージに近づける。そして、この中では光害の影響のレタッチが主な目的のはずだと。 処理の手順が1ステップ毎に示されているので、理屈は分からなくても取りあえず例題に沿って処理を完了させることができる。また、処理前と処理後の比較画像が示されているため処理によってどのような効果が得られるのかも分かりやすい。 これまでにすでにPhotoshopなどである程度の画像処理を経験済みの人にはもの足らない内容だと思われるが、試しに写した夜空の写真を天体写真に変身させてみたいレベルには手軽な参考書になると思う。 |
レタッチテクニックの一部に安心しました
修正したくなる三つの理由に安心しました。特に”自分の見た感じに近づける”に共感しております。と申しますのは最近雑誌に発表されるものをみますと、色彩がドギツく高級機材を使うとこんな風に見えるのかと感心と疑問の板挟みです。
一方いや現実の色彩ではなく、どうせ見るなら美しくとアート的で現実を離れても綺麗と感じればそれで良いのではとの考えもあるのでしょうか。 画像処理ソフトが愛好者の目指す方向を外れて商業ベースに乗せる為であれば、星空の中に宇宙の神秘に惚れ探求する愛好者に反することで疑問が残ります。 光害で見えにくかった星を見やすくする。かすかな天体を良く見えるようにする。机上でこの操作をし、見えなかった星が見えた感激は実際望遠鏡を操作して見るのとは別の感激であり、楽しさで趣味であると割り切ればそれまでですが、あまりにも神秘性を欠いたものには、一言とゆうところでしょうか。 デジタル時代になって処理の仕方で画像のイメージに大きな幅がでてきました。本当のイメージとは何なのだろうかと、私も画像の調整をしながらいつも心に引っかかるものがあります。現在の日本では見たままの天体写真など誰も面白さを感じないと思います。少なくとも私はそうです。光害のために肉眼では見えないけれど、長い旅路の果てに光害をくぐり抜けて私のカメラに辿り着いた光子を、再現できるだけ再現すること、でいいのかなと思いながら画像を調整しています。
2013-09-17 Tue 23:58 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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