2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
T2K実験、ニュートリノ振動の4つ目のパターンを発見
2013-07-20 Sat 21:02
1307201.jpg・KEK:T2K実験、電子型ニュートリノ出現現象の存在を明らかに!

・毎日新聞:ニュートリノ:未確認の「変化」発見 宇宙誕生の謎解明へ

久しぶりに素粒子物理学で大きな成果のニュースがあった。茨城県東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)と岐阜県神岡町のスーパーカミオカンデを結ぶT2K実験は、3種類のニュートリノがそれぞれ入れ替わる現象のうちの観測可能な最後のパターンを発見したらしい。J-PARCでの主要実験での成果ということでめでたい一方で、同加速器は5月23日の事故以来停止しているという皮肉な状態にある。ところで、ニュートリノ相互の入れ替わりには観測不可能なパターンもある様で、これはなぜなんだろう。そのうちに勉強してみましょ。
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この記事のコメント
このT2Kの成果に関するセミナーが金曜日にあったのですが、他の仕事のために聞き損ねました(残念)。

 「観測不可能なパターン」があるというのは、私はあまり聞いたことがなかったのですが、

電子型→ミュー型
ミュー型→電子型
ミュー型→タウ型
タウ型→ミュー型
タウ型→電子型
電子型→タウ型

の6種の中に観測不可能なものがあるという意味でしょうか。原理的にはそのような不可能はないように思います。(現在のところ、実験的に技術的困難が非常に大きいものはあります)
2013-07-21 Sun 11:55 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
タウ型から電子型あるいはミュー型へのパターンが不可能ということのようですので、現在のエネルギーでは技術的に発生できないというような事でしょうかね。

そういう技術上の問題ではなく、原理的に不可能だとしたらそれは興味深いです。お分かりになりましたら教えてください。
2013-07-21 Sun 12:46 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>タウ型から電子型あるいはミュー型へのパターンが不可能

 そういうことですね。
 それなら、タウ型のニュートリノのサンプル数が少ないという技術的困難によるようです。原理的な不可能ではないでしょう。

 Bファクトリー実験では、

 e+ e- → τ+ τ-
  τ- → π- ντ

というタウレプトンの崩壊で、タウ型ニュートリノを数千億個作ったはずですが、同ニュートリノの振動と反応を観測するには、まだまだ数が不足で、おそらく1京個以上必要です。

(附記:訂正 数千億個 → 数億個)

 このντが振動を起こしたあと、物質に当たって、電子かミュー粒子を作るのを測定すれば、一応、観測できます。(タウ粒子の再生成や、別のニュートリノが混入する可能性を押さえる必要があります)

2013-07-21 Sun 16:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
引用した毎日新聞の記事には「実験で確認不可能」と書いてありますが、KEKの記事はそれについては言及していませんね。

>タウ型ニュートリノを数千億個作ったはずですが〜まだまだ数が不足で、おそらく1京個以上必要

ということはこれまでの10万倍必要という事ですかね。何年かかるんでしょ。
2013-07-21 Sun 20:42 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>「実験で確認不可能」~KEKの記事はそれについては言及していません

 なるほど。毎日新聞の図にそう書いてありますね。見落としていました。

 実験をする人は、観測問題か何かで原理的に不可能でない限り、こういうもののいい方はしないです。10万倍足らない場合でも、私なら、「現在の実験技術では検証が困難」くらいにしか言わない??

2013-07-23 Tue 16:01 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>観測問題

実験結果が出るのにたとえ10万年かかるとしても、「実験で確認不可能」とは表現しませんよね。私は毎日新聞の記事を読んだ時に、このように書くからには観測問題かなにかで原理的に無理なんだと受け取りました。であればそのわけをぜひ知りたいですからね。
2013-07-23 Tue 16:31 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>実験結果が出るのにたとえ10万年かかるとしても
 タウニュートリノ自身の検出はすでに2000年に観測されています。これにはフェルミ研の高エネルギーの加速器が使われましたが、振動は、おそらく、数GeV程度のタウ粒子、あるいはタウ粒子に崩壊するチャーム粒子(Ds)を大量に発生する中型の衝突型加速器の高電流の加速器を作るほうが有利と考えられます。

 今後、こういうような加速器を作る方向に世の中の興味や必要性が動けば、10万年も待たずともタウニュートリノの振動が観測されるのではないでしょうか。
2013-07-24 Wed 17:19 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>中型の衝突型加速器の高電流の加速器

中型でも高電流で高密度に粒子を発生させるイメージですね。お金もなく社会の興味も向かない場合には10万年先までJ-PARCを運用ですね。

それにしても毎日新聞の「実験で確認不可能」の書き方は気になります。
2013-07-24 Wed 20:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
> Bファクトリー実験では、
>
> e+ e- → τ+ τ-
>  τ- → π- ντ
>
>というタウレプトンの崩壊で、タウ型ニュートリノを数千億個作ったはず

 すみません。計算間違いしていました。数千億個も作っていません。数億個の間違いなので、訂正しておきます。

 タウニュートリノの振動の観測への道はさらに遠くなりましたが、結論は同じです。
2013-07-26 Fri 18:53 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
訂正をありがとうございます。
1000倍先へ遠ざかってしまいましたが結論は同じですね。
2013-07-26 Fri 19:40 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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