2013-05-28 Tue 00:00
・<原子力機構>放射能漏えい想定せず 通報に1日半
・<放射能漏れ>報告遅れ、憤り 住民「本当に大丈夫か」 ・機構、今度は通報遅れ 被ばく55人か ・KEK:J-PARCハドロン実験施設におけるトラブルについて ・東海村J-PARK レベル4〜5事故 内部被曝被害 事故原因などまとめ ・放射能漏れ:茨城県が立ち入り調査 排気ファン作動に不満 ・研究者ら被ばく 茨城県知事「大変遺憾」 ・武田邦彦:【緊急】東海村の放射性物質放出 ・武田邦彦:【最重要】早急に日本政府は日本国民を守れ! 加速器ファン、素粒子マニアにとって痛恨の事故が起きた。記事にできないまま数日が経過してしまった。 原発への厳しい視線が向けられているこの時にこのような事故が起きた。素粒子実験は基礎科学だからという免罪符が取り上げられるのではないかと心配になる。このような時期であるとか、被曝者が若い方々であるとか、事故時の換気方法とか事故後の対応とかの不備について、多くの理科系諸氏の憧れである素粒子実験研究者の方々までがと私は外部者ではあるが身内の失敗のように感じてしまいとても無念の思いを感じている。 外部放出放射能量について「泥棒に盗んだお金の額を聞く」(武田先生)とまで言われてしまったが、原子力ムラとは違うところを示し信頼を取り戻す誠実な処理をしていただきたいとただただ願っている。 |
大勢の方々に悲しい思いをさせたり、お叱りをいただくような事件を起こしてしまいました。中井さんにもご心配をおかけしました。私は勤務しているキャンパスが違うので事故の当事者ではないのですが、同じく職員として素粒子実験を行っている者としておわびを申し上げたいと思います。特に、KEKの素粒子実験を応援し、支えて下さっている物理ファンの方々や地元の方々の信頼を裏切ったかと思うと本当に心が痛みます。
かすてんさんが引用して下さった新聞報道などに書かれていることは、記者や外部の方の批判も、それから当事者の釈明も全体的には概ね正しいことのように思います。私がそれに釈明やコメントを重ねることはあまりしたくないのですが、ふだん他への文句を書いている手前、今回も少しは述べさせていただかないといけないですね。 今回、研究者にあると指摘された「安全文化の欠如」は、技術的なもので、原子力ムラの「安全神話」とは違う、と言いたいところですが、それも一種の安全神話だろうと言われればそうかもしれません。具体的には、加速器においては空気中に放射性物質が飛散するようなことはまず起こらない、という考えだったと思います。さらに、もう一つは、加速器では広範囲の過酷事故は起きない、と思っているということです。しかし、過酷でないにしても、研究者の内部被曝や管理区域外への放射性物質の放出を起こしたわけですから、それは程度の問題であり、問題ないと思ってはいけないことでした。報道等で「認識が甘い」「対応が遅い」といういくつかの問題点が指摘されていますが、直接的にはおおむねどれも空気に放射性物質が入ることについての危機意識の欠如が直接の原因だと私は思います。その客観的な詳細については今後の調査が必要ですので、しばらくお待ちいただきたいと存じます。 研究者にとって想像力は命ですから、想像力の欠如があったとは私は思いません。その想像力が実際の危機に生かされる態勢になかったということが問題であったと思います。 「素粒子実験は基礎実験だから免罪符」という感覚は私にはありませんが、これは人によって違うかもしれません。基礎実験の研究費は公費でやっていて現在に直接の金銭的収益はないので、多くの人々のご支持があってのものだということは、公的機関の研究者は誰もが認識していることだと思います。
2013-05-28 Tue 17:44 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさん
さっそくこの早い時点での説明をありがとうございます。 >加速器においては空気中に放射性物質が飛散するようなことはまず起こらない、という考えだったと思います。 筑波のKEKBの様に加速器は巨大であっても電子-陽電子の衝突実験であれば、仮に何か事故が起きたとしても大量の放射性物質が環境へ飛散して汚染すると言うイメージが無く、周辺の住民にとっての安全は確保されていると思っています。 >過酷でないにしても、研究者の内部被曝や管理区域外への放射性物質の放出を起こした 今回の事故は過酷ではなくても、特に管理区域外への放射性物質を「軽い気持ちで排気」した事、警報を切りながら実験を続けた事など、イレギュラーへの慣れと事故およびそれによる信頼失墜に対する認識の甘さは弁解の余地は無いでしょう。 >「素粒子実験は基礎実験だから免罪符」という感覚は私にはありませんが〜 「多くの人々のご支持があってのもの」との認識をもたれて誠実に研究をしていただければけっこうですし、まぁむしろ加速器ファンで部外者の私などの方が「原発と加速器実験は違う」と「免罪符」を発行しやすいかもしれませんね。 ともかく事故発生から5日も経っているというのにその全容をいまだに明らかにしていないのはどうなっているのかと思います。事故の程度もレベル1だともレベル5だとも言われています。放出放射能量も1000億Bqの数字まで出て来ています。時間が経てば経つ程隠蔽が疑われてきます。今後、加速器実験全般が十把一絡げに危険視される世論が形成される事を危惧しています。
2013-05-28 Tue 21:08 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
引き続きご心配をおかけしております。関連するご説明になるかわかりませんが、一般的に考えられること一点だけ補足させていただきます。
陽子ビームを金標的に当てるとどんな核種がどれだけできるかは以前より概ねわかっているはずです。今回の異常では通常の総量のビームが短時間に集中しましたが、原子核反応とその量は通常と変わらないはずです。報道されている400倍の強度というのは、時間が1/400になったことを指し、総量が400倍になったわけではありません。(強度=照射粒子数÷照射時間) 問題は、金が融けて蒸発がどの程度起こったか、その際に、空気がどれだけ密封されておりどれだけ外に漏れたか、これは当たり所やいろいろな箇所の環境条件によりますので、分析の難しい問題なのだろうと思います。私は分析に関わっておりませんので、個別のことはわかりません。
2013-05-29 Wed 07:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
多くの人が気になっているのは排気によって施設外、さらに敷地外の一般居住区域へ出た放射能(量、方角、距離、半減期)でしょうね。加えて中性子の放射も気になります。
2013-05-29 Wed 22:30 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
2013-05-30 Thu 18:50 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
お知らせいただいた環境影響評価、私も今朝確認しました。
分かりましたという訳ではありませんが、放出核種や汚染エリアや方向についていくつか知りたかった情報は出ていましたね。 この報告の中で示されていた「ハドロン実験ホール内に設置されたγ線エリアモニタの測定値」のグラフに、25日に出されている事象発生の時系列からビーム運転と排気ファンの運転のタイミングを取り出して入れてみました。 http://blog-imgs-59.fc2.com/k/a/s/kasuten/1305302.png
2013-05-30 Thu 20:17 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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