33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
かんむり座R 順調(?)に増光
2013-04-10 Wed 00:00
1304092.jpgかんむり座R(R CrB) 昨日の明け方パンスターズ彗星を撮り終わった後、すでに西へ回りかけていたかんむり座Rを久しぶりに撮ってみた。望遠鏡がちょっと他所を向いていたので前回までの写真(2012-09-292012-06-15など)と同じ様にはトリミングできなかったが、この写真からおよそ10.3等と読み取った。右上図はAAVSOのLCGで描いた過去2190日間の光度変化。1304093.png2011年秋に目立った減光があったが直後はその直前までと同じ勾配で再度増光していたのが、2012年春以降は勾配が若干緩くなり順調に単調増光を続けて現在に至っている。順調にとは言っても、それまでならば数ヶ月で一気に復光しいていたのが今回はまる6年掛かってようやく10等手前までだからこの先まだ波乱はありそうなので、ときどきチェックして行きたいと思う。1304094.png参考までに過去10000日の光度変化の図も作ってみた。

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夜の部:夕方からまた風が強くなり始めた。酷くなる前に少し見ておこうと思ったが、霞んでボケボケ空のため15等台の対象は無理だった。

1304095.jpgアイソン彗星(C/2012 S1 ISON) 霞んで透明度が悪く、写ったかどうかのレベル。

1304096.jpg超新星SN2012ht 写っていないみたい。

1304097.jpg超新星SN2013am これも写っているのかどうかのレベル。
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この記事のコメント
>かんむり座R
 これは、星の回りに煙のようなものがあるのでしたっけ。
 そうだとすると、ここまで減光が長いということは、星の周りの全周が一様に煙だらけということでしょうか。
 もしそうなら、一気に晴れることはあり得ず、びしょびしょの洗濯物が乾くように時間をかけて徐々に傾斜をゆるめながら増光していくしかないと思います。そうなりますでしょうか。
 それとも、煙が絶えず供給されている結果がこれであれば、供給が止まれば案外素早くサッと晴れることもありえるのでしょうか。
2013-04-10 Wed 06:35 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ここまで減光が長いということは、星の周りの全周が一様に煙だらけということでしょうか。

これまでの減光期間に比べると圧倒的に長いのはなぜなのかがポイントでしょうね。自分でも忘れていましたが、変光のメカニズムのいくつかは丁度4年前にまとめてありました。S.Uさんもコメントに参加いただいていました。
http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-861.html
2013-04-10 Wed 21:51 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かんむり座でアールもようやく頑固な態度を和らげてくれ始めましたね。
お冠が溶け始めでしょうか。
一気には元の明るさには戻らないと思います。
時間をかけて、ゆっくりと増光でしょうか。
2013-04-10 Wed 23:34 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
2011年と2012年の短期の減光の直前は増光を急ぎ勾配がきつすぎて息切れしたので、その後は勾配を緩めて無理をせず回復へ向けてリハビリを続けているといった感じです。
2013-04-11 Thu 07:06 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>かんむり座R
 そうですね。リンクをたどると以前の議論が見られるのでした。
 減光時間が長い場合に、普段の減光とはどう違うかの答えにせまるコメントは見つかりませんでしたが、これは回復の様子を見るとかなりわかるのではないかと思います。

>時間をかけて、ゆっくりと増光でしょうか。
 そうですね。おかんむりのほうにも意地があるでしょうから、いっぺんに許してはくれないでしょう。
 もし、元の明るさに戻らず途中で安定したりすると、恐いですね。
 
2013-04-11 Thu 07:12 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>回復の様子を見るとかなりわかるのではないかと思います

前記のリンク先記事にまとめた様に大きく分けると炭素の大気内循環モデルと放出モデルとに分けられる様です(最近は後者が優位らしいです)。それらモデルからさらにいくつかの炭素雲パターンを考えて比較してみるとおもしろいかもしれません。

>もし、元の明るさに戻らず途中で安定したりすると、恐いですね。

うへ〜、確かに14等台へ再転落するよりも怖いです。
2013-04-11 Thu 17:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>リハビリを続けている
 リハビリが穏やかにじっくり時間をかけて行われれば「大気内循環モデル」有利、リハビリ中にも乱高下があれば「放出モデル」有利、と言っていいでしょうか。
2013-04-11 Thu 19:36 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
中井さんが言われる、星の周りを回る過去に放出された遠い雲と新しく放出された近くの雲がタイミング的にたまたま重なって長い減光期間になる場合があるという「放出モデル」の方がより複雑な変化パターンを考えやすいでしょうかね。
2013-04-11 Thu 20:48 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>タイミング的にたまたま重なって
 タイミング的にたまたま重なるにしても、今回は、飛び抜けて長いので、たまたまが幾重に重なったとも思えず、考え込んでしまいます。

 重なる一発一発がでかく、そのへんじゅう煙だらけになったために、拡散できなくなった(拡散しても薄まらない)というのはどうでしょうか。
2013-04-12 Fri 20:41 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>今回は、飛び抜けて長いので、たまたまが幾重に重なったとも思えず、考え込んでしまいます。

おまけにあの2回の特徴的な増光挫折。その心は何だったのか。

>重なる一発一発がでかく、そのへんじゅう煙だらけ

動径方向へ拡散出来ずに回転方向へ拡がり過ぎたところへさらに炭素放出が続いてますます濃厚に拡がってしまったのでしょうかね。
2013-04-13 Sat 13:18 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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