33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
「天文趣味はお金が掛かりませんね」
2013-04-03 Wed 00:00
いつものクールな彼がそう言った。
「ちっちっちっち、すぐにラプトル50では済まなくなるんだよ」
「機材は少しずつ良い物・高い物が欲しくなるのはどんな趣味でも同じじゃないですか、ゴルフや乗馬なんか高い道具を揃えた上にプレーする度騎乗する度にお金が掛かりますよ。」
「まぁ、自宅観望の間はそうかもしれないけど、これが暗い空を求めて遠征だ海外日食ツアーだとなれば結局プレー料金払うみたいなことになるのだよ」

「自分はたまたまかすてんさんを知っていたから教えてもらえたけど、知らなければ量販店の数千円の望遠鏡を子どもに買い与えて、何も見えないやって放り出して終わりだったと思う」
「普通の人は星を見るのは天体望遠鏡だと思い込んでいますよ。自分は星を双眼鏡で見るなんて思ってもいなかった」
「誰でも一生に一度は宇宙に興味を持つはずなのに、そういう人たちを取り込めていないと思う、自分もそうだけどほとんどの人が知識を持っていないのがその証拠」
「この前彗星を見せてくれたような会を小学校でやってくれたらすごく人気があると思いますよ」

ご父兄の貴重なご意見として傾聴させていただきます。
別窓 | 雑感 | コメント:15
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この記事のコメント
お金をかけずに天文趣味を長続きさせるにはどうしたらよいか? ちょっと考えてみました。

 結論から言うと、昔のお金を持たない天文少年に倣うのが最良の方法でしょう。

・小学高学年向けの天文書を読む。
 これは現在でも適当な本があるのではないでしょうか。
 ネット情報は雑多で全体の見通しがつかず集中力がつかないと思うので、最初はやはり専門家によって書かれた紙の本がよいと思います。

・星座を憶える
 星雲・星団、彗星を自分で見つけるには、星座を憶えないといけません。また、どの星座がいつ見えるかも感覚でつかめないといけません。問題は、現在の夜空では2~3等星までしか見えないことです。ですから、まず、広視野低倍率の双眼鏡(性能が良ければオペラグラスも可)の普及を進めなければなりません。ついでに紙の星座早見と肉眼星図も必要です。

・あとは50~60mmの小望遠鏡、コンデジがあれば天体写真も撮れる、くらいで長持ちしませんでしょうか。

 肉眼で見えない天体を自力で望遠鏡に導入できた、という自信と誇りを持つことが重要なのではないかと思います。そこまでくれば、「この望遠鏡では天体は見えない」とは思わないで、望遠鏡の性能を最大限引き出せるまで自分の努力を継続できるのではないでしょうか。

 天文書に課題が出ているといいかもしれませんね。

・プレアデス星団を双眼鏡に導入せよ
・シリウスを100倍以上で天体望遠鏡に導入せよ
・3等星までしか見えない空で、プレセペ星団を50倍以下で天体望遠鏡に導入せよ
・変光星アルゴルの減光を確認せよ(予報は天文年鑑の「毎月の空」にある)

 こうするとスポーツの特訓のノリになれるかもしれません
2013-04-03 Wed 07:18 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
昔は、変光星観測は天文の他の分野に比べてお金がかからないといっていたのですが、最近は。

もちろん、現在でもお金をかけないですます手はあるのですが、すぐに、もっと暗い星が見たいとか、CCDが欲しいとか、お金がかかってorz
2013-04-03 Wed 11:09 | URL | meineko #-[ 内容変更]
S.Uさん

>昔のお金を持たない天文少年に倣うのが最良の方法

つまりS.Uさんの少年時代(そして私の少年時代でもありますが)のことを思い出してみよということですね。

>天文書を読む

本を読むのは、いつの時代、どんな分野の趣味でも基本だと思います。求めて進めば、良い本に出会えるはずです。

>スポーツの特訓のノリ

おもしろそうな、そしてちょっと難しそうな課題が目の前にあるのは良いですね。

必ずしも子供用の課題ではないのですが、スポーツで思い出しました。重星や惑星面の分解能はもちろん光学系に依存しますが、自分の身体能力に相当影響されます。そしてトレーニング効果が顕著です。この様な星の楽しみ方を「スポーツ天文学」と称したらどうかと以前考えたことがあります。山下洋輔の演奏をスポーツジャズだとタモリが評していたのを拝借したものですが。

meinekoさん

変光星観測は、確かにお金の掛け方の幅が広いです。
2013-04-03 Wed 12:57 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
下から二番目のご意見がとても身にしみます・・・がんばらなきゃ>自分。

いま一番お金かからない分野は何でしょう?流星の計数観測?黒点とか星雲のスケッチなんかもあまりお金は要らないでしょうか。写真撮像に手を出し始めると予算が二桁変わりますね^_^;;

> 山下洋輔の演奏
彼のピアノは「打楽器」ですよね。
2013-04-03 Wed 15:30 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
みゃおさん

このクールなお父さんはお金が掛かることが問題だとは思っていないですね。子どもと大人では規模の違いはあるにしても、趣味にはお金が掛かるものだとそこは認めていますから。こういう親子が増えてくれると天文業界は安泰です。

彼はいま、子どもが開いた星の世界への扉を一緒にくぐりながら「どうしていままでこの世界のことを誰も教えてくれなかったんだ」と感じているようです。私たちも最初のきっかけはほんの些細な偶然だったと思いますが、大抵はその100倍くらい些細な偶然が積み重なってやっと扉をくぐるのが普通なのでしょう。きっかけはなんであっても星の世界を体験することは悪い体験ではないはずです。
2013-04-03 Wed 18:07 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてんさん、meinekoさん、みゃおさんのような、天文が人生の主要な一部になっている方(笑)はいくらお金がかかってもやむをえないと思います。

 でも、空の条件や技術の伝承においては、初心者にとっては天文趣味はそうとう敷居が高いものかもしれません。
 
 「スポーツ天文学」はよろしいですね。初心者の方も少しは根性を入れてねばって空を見てくれるでしょう。
2013-04-03 Wed 19:21 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>天文が人生の主要な一部

星への情熱を比べたら、私などmeinekoさんやみゃおさんの足元にも及びませんが、その天文学すら取り込んでいる物理学の世界で宇宙を探求をされているS.Uさんなど、人生の主要な一部どころかそのものと言えるでしょう。一見、そのS.Uさんが機材への投資は一番少ないように見えますが、それは個人レベルの話、関わっていらっしゃる機器は、、、あれは金が掛かっていますね。

>初心者にとっては天文趣味はそうとう敷居が高いものかも

扉を開けても目の前にすぐに次の扉が待っているみたいな感じです。何枚か扉を開けるとようやくちょっと視界が拓けるけど、扉を開ける間に脱落もしやすい。

>「スポーツ天文学」

meinekoさんがご自身のブログに続きを書いてくれています。スポーツ的競技性というのは表立ってお互いに競うというだけでなく、個人個人のモチベーションを維持する役にたっているように感じられます。
http://d.hatena.ne.jp/meineko/20130403
2013-04-04 Thu 08:09 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>「スポーツ天文学」
 meinekoさんの DXing拝見しました。私どもの同好会誌に時々投稿されているF氏は「アマチュア無線」の人で(昔はHamとかCQとか言いましたが今は通じないでしょうね)、高校時代は、無線や短波ラジオと天文の交流をしておりました。電気オンチだった私が何とか電子回路も触れるようになったのはまったくF氏との交流のおかげです。
 
>物理学の世界
 私は、天文の楽しみは趣味として切り分けているつもりですが、「研究」するとなるとつながりますね。
 
 今、7時のニュースで、宇宙線陽電子の観測の発表があってダークマター新粒子説と関連づけられていることが報道されましたが、本当にくどいですがダークマター様々です。

>機材への投資は一番少ない
 まとまった金がないので個人的な大口の投資はできませんが、実はそのぶんレンズやら小道具やらPCやらはちょこちょこ買っていて、それらを足すとけっこうバカにならないのですよ。
2013-04-04 Thu 19:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>アマチュア無線

元祖SNS。

>天文の楽しみは趣味として切り分けているつもり

以前『パリティ』の執筆者・翻訳者紹介で「趣味はアマチュア天文学」と書かれていたのを見て、この分野のプロは敢てこう書いて意識的に切り分けているのだなと感じたものでした。

>宇宙線陽電子の観測

アンダーソンが宇宙線から発見した陽電子が宇宙線を介してダークマターへのアプローチになるとは面白いです。

>大口の投資はできませんが〜ちょこちょこ〜を足すとけっこうバカにならない

ちょこちょこもバカにならないです。経歴も長いから尚更でしょう。
2013-04-04 Thu 23:52 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>アンダーソンが宇宙線から発見した陽電子

釣りはフナに始まりフナに終わり、天体観測は月に始まり月に終わるといいますが、
 新粒子探索は陽電子にはじまり陽電子に終わるのかもしれません。

 もちろん、そこで終わっていただく必要はないですが。
2013-04-05 Fri 06:47 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>新粒子探索は陽電子にはじまり

アンダーソンの陽電子発見と書きましたが、何も無いと思われていた真空から陽電子を紡ぎ出した真の発見者はスーパースター=ディラック先生ですね。 相互作用できないと考えられているダークマターとの出会い方をディラック先生ならばどのようにエレガントに演出してくれるでしょうか。
2013-04-05 Fri 17:23 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
> 相互作用できないと考えられているダークマターとの出会い方

  もしダークマターからの陽電子の発生の可能性に賭けるなら、それはそもそもは中性子のベータ崩壊の理論を述べたフェルミ先生の功績ですね。新粒子の素粒子反応を論じる時には、ディラック先生、フェルミ先生、湯川先生の三先生は別格です。

 ところで、今日、このAMS-2の観測のセミナーを聞きました。データの信頼性は高いと思いましたが、高エネルギーの宇宙線陽電子が多いならばこのような結果になるのは予測できることで、結局はなぜ高エネルギーの陽電子が多いかが別途わからない限り何とも言えないのではないかと感じました(私が一人でそう感じただけです)。
 他の独立な量の観測が出てくればだんだんにわかってくると期待します。
2013-04-05 Fri 20:18 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ディラック先生、フェルミ先生、湯川先生の三先生は別格

そうですね、宇宙の外から宇宙を見る目を持っていた特別にスーパーな先生たち。

>他の独立な量の観測が出てくればだんだんにわかってくると期待

さっそくAMS-2の観測に関するセミナーが開かれましたか。しばらくは陽電子が時の粒子ですね。そのうちもう少し事情が判明して来たら、素人向け解説をお願いいたします。
2013-04-05 Fri 22:31 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>宇宙の外から宇宙を見る目
 なるほど、そういう見方ですか。これらの先生方が自分でそう意識していたかどうかはわかりませんが、今になってみれば、宇宙~エネルギー~素粒子をつなぐラインをパラダイムとして築いた人達ですね。

>さっそくAMS-2の観測に関するセミナー
 それがさっそくなのかどうか、この実験は日本の機関が参加しておらず、このセミナーもフランスから来た人が以前からスケジュールされていた日程で行ったものです。ずっと前からこのスケジュールでこの結果が発表されることが、おそらく論文掲載雑誌の出版日としてわかっていたみたいです。

>解説
 かすてんさんにご紹介いただいたページとセミナーと論文でだいたい現時点でわかることは尽きたと思います。新たな観測結果が次に発表されるまで多少間があるでしょうから、記憶が新たなうちにスレッドを変えて解説をかかせていただきましょう。

2013-04-06 Sat 07:41 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>宇宙~エネルギー~素粒子をつなぐラインをパラダイムとして築いた人達ですね。

時間が経つにつれて、改めてスーパーぶりが鮮やかさを増して来ます。

>ずっと前からこのスケジュールで

それは早速ではないですね。

>現時点でわかることは尽きたと思います

では、会場をあちらへ移し、解説をお願い致しましょう。
http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-2685.html#blogcomment
2013-04-06 Sat 12:31 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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