33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
岩本彗星 久しぶりに日本人発見の彗星
2013-03-16 Sat 00:00
C/2013 E2 (Iwamoto)、久しぶりに日本人の名を冠した彗星が発見された。発見者は徳島県の岩本雅之さん、おめでとうございます。デジカメでの発見は日本人初の快挙だそうだ。現在、明け方の東の空で14.4等。残念ながらかすてんまの位置からは当分見られそうにない。

昨年7月4日の「おそらくヒッグス粒子発見」発表以降に蓄積されたデータ解析の結果、「ますますヒッグス粒子らしさが高まった」とCERNが発表したらしい。
 →LHC アトラス実験:新しい結果は、CERNで発見された粒子がヒッグス粒子であることを示唆

1303151.jpg夕方の西空が晴れているとついつい霞ヶ浦へ足が向いてしまう。仕事帰りに「念のため」寄って来た。だが、昨日同様に綺麗な夕焼けは見えたが彗星は雲の向こうだった。
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この記事のコメント
>岩本彗星
 めずらしいパターンの彗星発見ですね。近日点が地球軌道の外側なので、太陽からじゅうぶん離れている時に楽に観測できなかったのかとステナビであたってみました。この彗星は、太陽をはさんで地球の反対側でにらみ合いの状態が続いており、近日点前に暗夜の空に見ようと思うと19等くらいの時しかなかったようです。すでに近日点は通過していますが、今後は明け方の高度が上がってくるまで待っても、16~17等くらいではみえるのではないでしょうか。

>おそらくヒッグス粒子
新粒子の存在を確認するのに必要なデータ量とそのスピンを確定するのに必要なデータ量を比べると、もちろん後者がほうが多いのですが、それが何倍であるかは場合によってまったく違います(1倍の時も100倍の時もあります)。これはスピンの違いが見分けやすいパターンと見分けにくいパターンがあるからですが、一般にこれは状況が多様で、理論計算と実験データ解析をやってみないとどちらのパターンになっているかわかりませんので、そこが新粒子業界の研究の一つのおもしろみになっています(といっても、これをおもしろいと思っている研究者は素粒子研究者全体から見るとごくごく一部だと思いますけど)。
2013-03-16 Sat 08:26 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>太陽をはさんで地球の反対側でにらみ合いの状態が続いており、近日点前に暗夜の空に見ようと思うと19等くらいの時しかなかったようです。

プロによる機械捜索時代になって、アマチュアコメットハンターはこういう領域でしか発見のチャンスが無くなっているということでもありますね。厳しい〜。

>そこが新粒子業界の研究の一つのおもしろみ

また、そうでないと多くの研究者がおまんまの食い上げになってしまいますものね。
2013-03-16 Sat 11:52 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>おまんまの食い上げ
 見つかりそうな新粒子が全部見つかってしまうとか、そういう物は存在しそうにない証拠が見つかって、おまんまの食い上げになる事態もかつては少しは想定されました。しかし、現在では、少なくとも私が生きている間にそういうことが起こる可能性はほとんどなくなりました。
2013-03-16 Sat 18:05 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>少なくとも私が生きている間にそういうことが起こる可能性はほとんどなくなりました。

新粒子業界のネタが尽きるかもしれないと言う不安のある時代があったというのは知りませんでしたが、まぁ少なくともこの先数十年は安泰という事ですね。
2013-03-16 Sat 21:14 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>新粒子業界のネタが尽きるかもしれないと言う不安のある時代があったというのは知りませんでした

 そういう危機的な時代があったというわけではないのですが、もし、仮に、次のようなことになっていた場合を想像してみて下さい。

1) ヒッグス粒子が1種類だけ見つかって、標準理論の粒子は全部見つかった
2) 超対称性理論に現実に合わない部分が見つかり、否定された
3) 小林・益川理論のCP非対称性で宇宙の物質起源が説明できる
4) ダークマターの正体は、バリオンとニュートリノで説明できる

こうなると、手詰まりになってけっこう困りますよね。

実際には、1)以外はこのようになっていません(上の2)~4)はウソです) ので、助かっています。
2013-03-16 Sat 21:55 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>手詰まりになってけっこう困りますよね。

それで物理学が矛盾無く組み立てられるのならばそれはそれで良いのでしょうが、、、私らの時代でもう終わり?という感じは拭えませんね。おそらく宇宙を説明する物理学大系がそんなに呆気ないものではないと思いますので心配は無用なのでしょうが。

統一理論を得られていない事も、逆にそれを得られてしまう事も、どちらにしても悩みのタネになるということは、人の心が休まる時は永遠に来ないと言う例証のようなものです。
2013-03-16 Sat 22:21 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>私らの時代でもう終わり?
 終わってはいないけれども、終わらす方法がわからないので、ドローゲームというのがいちばん困ります。あるいは、詰め将棋で、どんどん王手をかけていったはいいが、次に王手の指し手が無くなってしまい、はて、どこが間違っていたかと何手も戻るのも困ります。これは結構心配になるのではないでしょうか。

 でも素粒子物理は、ダークマターの謎があるので当分は大丈夫です。
 銀河天文学様々です。
2013-03-16 Sat 23:06 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>どこが間違っていたかと何手も戻るのも困ります。

20世紀以降を考えた時、どのくらい手前まで戻るかにもよるのでしょうが、このような状況になった事例はあるのでしょうか?

>銀河天文学様々です。

私は子ども時代、物理学が自然科学の最先端を切り開く学問に対して、天文学というのは古典的な学問と言う印象を持っていました。いまや天文学は宇宙物理学となって物理学の最先端を担うまでになっています。
2013-03-17 Sun 10:40 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>手前まで戻る
 私の知識と才覚で適当な例は思い浮かびませんが、電磁気理論と重力理論の統一と、強い相互作用の包括的な記述をする理論が豪腕で片付かず、結局は、クォークの登場を待ってフェルミ場の理論を経由することになった、というのは手前まで戻ったことになるのかもしれません。クォークのアイデアを「手前」というのは不適切かもしれませんが、お子様向けQCDカードもあることだし、まあいいんじゃないでしょうか。

2013-03-17 Sun 14:40 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
なるほど、この辺りが実例の一つとなるのか。お仕事はたくさんありそうですね。
2013-03-17 Sun 19:45 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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