2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
「自分が犠牲になれるのか」という問い直し
2012-08-22 Wed 00:00
1208072.jpg 『原発の「犠牲」を誰が決めるのか』 高橋哲哉 落合恵子       クレヨンハウス 500円 2012年

原発の問題点として指摘されているその多くは技術的問題だと思う。核廃棄物処理の問題などは解決の目処すらたっていない。それでも、推進論者は未来の技術が解決すると主張し続けるだろう。でも、いつの日にか、分裂させてしまった原子核をもとの状態に戻す技術を手に入れる日が来るにしても、分裂で得られる以上のエネルギーを必要とすることが原理的に分かっているのだから、システムとしてもすでに破綻していると感じる。

では、技術的問題が解決し、安全運転が保証されれば原発を認めてもよいのか。以前、納得できる原発推進論があるとすれば、ここが出発点だと思うで書いた様に、廃棄物処理技術確立の他に、
・住民を見殺しにしない事故時対策
・被曝労働を前提としない原発システム
の2点が解決しない限り原発を認める事はできない。

原発が差別と犠牲を前提にしたシステムだということを再確認して、ここからまた進みたいと思う。

本書の最後に掲載されていた長谷川如是閑の「戦争絶滅受合法案」をここにも紹介しておく(→全文がこちらに出ている「戦争絶滅受合法案」)。すでにご存知の方もいるだろうが、私は知らなかった。戦争にしろ原発事故にしろ、突撃を命じるからには最高責任者自らが先頭に立ってもらわなくては理が通らない。それこそが責任者の唯一の仕事のはずだ。
別窓 | 大震災・原発・社会 | コメント:4
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この記事のコメント
>突撃を命じるからには最高責任者自らが先頭に立ってもらわなくては理が通らない。それこそが責任者の唯一の仕事のはずだ。

私も知らなかったです。昔にこんな当たり前の事を当たり目に言う人がいた事を。
が、現実の日本は特権階級の人は保護されて家族・親族も保護されていました。
最前線には政府や権力を批判する人たちが送り込まれて名誉?の戦死として扱われています。
今の日本も同じですね。権力者やそれらに付随する者は優遇されて、バカを見るのは善良な庶民です。
福一の大事故を契機にさらに明瞭に分かりました。
2012-08-22 Wed 22:02 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
>今の日本も同じですね。権力者やそれらに付随する者は優遇されて、バカを見るのは善良な庶民です。

庶民が善良かは分かりませんし、少なくともこういう日本にした責任の一端は庶民にあるのでしょうから。
2012-08-23 Thu 21:34 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>少なくともこういう日本にした責任の一端は庶民にあるのでしょうから。

確かにそうですね。
みんな意見を言わないですからね。
私みたいに直接文句を言ったり、ネットで苦情を発信するのは一握りですもんね。
2012-08-23 Thu 22:32 | URL | 中井 健二 #7w5mtEUg[ 内容変更]
>みんな意見を言わないですからね。

影でブツブツ言うだけでしたからね。
2012-08-24 Fri 14:23 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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