33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
ヒッグス粒子の姿は見えて来たか? LHC実験の最新成果、今夜発表
2011-12-13 Tue 00:00
1112123.jpg物質が質量という特性を持つために重要な役割を担うと理論的に予言されている素粒子がヒッグス粒子。重い粒子のためこれまでの加速器では見つけられなかったが、欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の実験で何かが捉えられたらしいことが数日前のニュースに流れた。それについての公式発表がいよいよ日本時間今夜22時からある(S.Uさん、お知らせをありがとうございます)。
 →LHC実験の最新成果12月13日(火)に発表

LHCは2008年秋の始動直後に事故があったため約1年遅れた出発になったが、2010年の春には7TeV衝突実験に成功しその後も順調だったようだ。 ヒッグス粒子発見に向けてどのレベルまで近づいたと発表するのか、楽しみなところだ。単なる物理ファン・加速器ファンの私は、この発表を聞く前に以下の資料で予習をしておこうと思っている。
 →ヒッグス粒子の探し方

【追記】LHCアトラス実験オフィシャルブログに今夜の発表について載っていた。
 →12月13日のLHC最新結果の発表について
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この記事のコメント
かすてん様、
12月13日のLHCのヒッグス粒子探しの発表は、どのように聞かれましたか。もちろん、私は、眠り薬にならぬよう最後まで頑張ってweb中継をみました。

 それから、2週間たって、今日、KEKで、日本人研究者によるほぼ同じ内容の報告がありました。もちろん、情勢は何も変わらないのですが、残る質量領域にちらっと見える信号のヒントがヒッグスかどうか、おおかたの受け取り方は、わからない、五分五分くらいの印象でした。
 新聞には、半分以上見つかったようなことが書かれていますが、これは「あるものならもうすぐ見つかる」というのがエライのであって、本当にあるかどうかはまだまったくわからない、ということです。
 どちらかと言えば、LHC実験に関わっている研究者のほうが、(心配ごころからなのでしょうが)その領域にヒッグスが存在しないかもしれないと、気にしているように感じられました。

2011-12-27 Tue 19:24 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>12月13日のLHCのヒッグス粒子探しの発表は、どのように聞かれましたか。

会場の雰囲気を共有したかったので、ほぼ最後まで見ていました。残念ながらストリーミングはぶちぶちでしたが。もちろん内容は良く分かりませんでした。まぁ、事前のアナウンスが思わせぶりだった割にははっきりした証拠とまでは言えないのかと感じました。

>その領域にヒッグスが存在しないかもしれないと、気にしているように感じられました。

この7TeVで見つからないとすると、ルミノシティを上げる事よりもエネルギーを上げるための改造ですかね。
2011-12-27 Tue 20:50 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ヒッグス粒子探し...ストリーミングはぶちぶちでした
 ストリーミングのぶちぶちも含めて、思わせぶりな雰囲気が良く出ていましたね。
 オマケに講演者や聴衆の画像ばかり出て、スライドを読む時間ないので、私は、スライドが映ると、急いでPC画面のコピーをしてWindowsペイントにペーストして保存、という作業を30枚くらいしてたいそう疲れました。

>この7TeVで見つからないとすると、
 まだ確定的ではないそうですが、来年は8TeVに上げたいとのことでした。エネルギーを上げるとルミノシティも上がる可能性があり、生成断面積は上がるので、運転さえ順調にいけば、とにかく有利だそうです。

 「あるものなら来年中に見つかる」という期待が高まっていますが、逆に言うと「見つからなければ、無いということで、途方にくれる」ということのように感じられました。1990年頃から研究されている、ウィークボゾンに関する輻射補正の研究というのがあって、ヒッグス粒子は200GeVより軽いと予想されているので、今ありそうなところに無ければ、ヒッグスに関わる予想は全部いったんリセットされ、戦略は練り直しになるのかもしれません。
 超対称性(SUSY)粒子の探索については、天文学におけるダークマターの証拠があるので、予定通り続けられるとは思いますが、予想という点では指針に欠けます。予定通りにはビームエネルギーを14TeVまで上げるのでしょうが、大幅改造の話については、いずれにしても、新しい理論が出るか、妙な物が見つからない限り現時点では難しいように思います。
 まあ当面は、2012年の決着を待つのみです。
2011-12-28 Wed 08:01 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>私は、スライドが映ると、急いでPC画面のコピーをしてWindowsペイントにペーストして保存、という作業を30枚くらいしてたいそう疲れました。

私も面白そうなグラフのスクリーンショットを何枚も撮りました。すぐに変わってしまうので急ぎました。でも、ブログネタにするためなのでS.Uさんとは目的が違いますね。Fabiola Gianottiのショットは沢山撮れました。

>来年は8TeVに上げたいとのことでした。

エネルギーを上げるとルミノシティも上がるのでしたらやらない手は無いですね。

>「あるものなら来年中に見つかる」「見つからなければ、無いということで、途方にくれる」

ひぇ~、LHCにとって2012年は正念場ですね。予定の14TeVというのは、大幅改造無しで達成できる範囲なのでしょうか。
2011-12-28 Wed 21:59 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ひぇ~、LHCにとって2012年は正念場ですね。
 実験に直接参加していない人の場合は、「ヒッグスはない方が面白い」と言っている人もいますが、当事者はやはりあってほしいようです。長期的には無い方が面白いが、短期的にはあったほうが助かる、ということでしょう。
 自然は物理屋の都合のために粒子を用意しているのではないので、これは科学的な意味のない議論でした。

>予定の14TeVというのは、大幅改造無しで達成できる範囲
 14TeVは、元々の設計値なので、大幅改造は必要ありません。しかし、エネルギーを上げると、先年の超伝導電磁石の重故障のようなことが起こる危険性が高まるので、「大幅補強」程度のことは必要だそうです。いずれにしても、これは今のレベルのヒッグス探しが完了した後の話です。
2011-12-28 Wed 23:09 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>自然は物理屋の都合のために粒子を用意しているのではないので、これは科学的な意味のない議論でした。

宇宙の真理を追究する素粒子物理学者さんたちといえども人の子ですから、思惑が脳裏を掠めることもあるでしょう。

>14TeVは、元々の設計値なので、大幅改造は必要ありません。

そうですか、そこまではいずれ行くのですね。
2011-12-29 Thu 19:24 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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