33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
原発200km圏にすっぽりと埋もれてしまう日本
2011-08-27 Sat 00:00
ピックアップしておいた数日前の記事をいくつか。眠くて今夜も手抜き。

・不検出(ND)の意味
 茨城県内では鉾田産玄米から52Bq/kgのセシウムが検出された(→茨城新聞8/19)。これは暫定基準値500Bq/kgよりも低い値だったが公表された。しかし、基準値よりも低い場合の扱われ方については行政と消費者との間に認識の違いがありそうだ。測定器では検出されてもそれがある値より低い場合には一律不検出(ND)というのはどうも納得しかねる。ある値を20Bq/kgに設定すると、これにすれすれの19.9Bq/kgは検出されていても不検出(ND)にしてしまう。ある値を意図的に高く設定するとか、感度の低い測定器を使うとかで不検出(ND)にする事が出来るわけで、これは消費者が知りたい情報とは言えない。

・福島メルトダウンの背後にある衝撃的事実

・浄化装置「サリー」配管から3シーベルト
 先日は構内に10Sv/hの場所が見つかったし、この記事でも3Sv/hだとか5Sv/hだとか書かれている。その場に1時間滞在したら50%致死ということで、10Sv/hに至っては1時間滞在で99%致死だ。このような高濃度汚染が広がって来ると、次第に構内での人の活動可能場所も制限されて来るのだろう。

・全国の原発からのおおよその距離を知る為の日本地図
 日本は原発から200km圏にすっぽりと埋もれてしまう。少しでも安全な場所を取り戻すためにも、廃炉の完了を早めないと。

・「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」?

・日本は終わった-英インディペンデント紙(オリーブ)

・東電の「想定外の津波だった」は嘘だった
 想定していたが、対策に取りかからず、ってどういう思考回路?
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この記事のコメント
>、基準値よりも低い場合の扱われ方
 これは消費者にとっては気になることですね。

 なお、お米の「暫定基準値」は500Bq/kgです。これは、これ以上は流通できないという基準です。引用されている新聞記事によると20Bq/kgは検出限界のようです。20Bq/kg以下でも公表されている野菜がかつてあったので、これは検査に使った測定器によるのだと思います。測定ではバックグラウンドが問題になってなかなか難しいそうですので、19.9Bq/kgは、今回は、本当にND(検出限界以下)だったのでしょう。

 500Bq/kgの基準は、毎日そこそこ(500gだったと思う)穀類を食べて、これによる内部被曝が 1mSv/yearになるという基準だそうです。
 
 私の主観の感想を書きます。1mSv/yは数値としては十分安全ですが、他の要因でも原発由来の放射線をあびる可能性があること、セシウムの内部被曝量の不定性や数十年後にどのような影響があるかは実際にはわかっていないことを考えると、本当に問題がないという値ではなく、やはり「非常時の我慢基準」であると思います。絶対的な安心を求める方は、たとえば(根拠はありませんが)10倍くらいの安全ファクターをかけてよいと思います。

そういう意味を採用すると、50Bq/kg以上は数値を公表して販売してもらいたいものです。牛肉や野菜なら、毎日は食べない、様々な産地のものを混ぜて食べる、という対策が可能ですが、お米は、毎日同じ所の産品を食べる可能性が高いので、そのような対策は困難です。

2011-08-27 Sat 07:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
ご指摘ありがとうございます。記事の中の数値を暫定基準値と間違っていました。私の記述も書き直しました。

今はまだ放射線管理区域以外の場所での放射線との付き合いは始まったばかりですが、そのうちに私たちの知識、認識、判断基準なども熟成して行くと思います。
農薬を使ってでも見栄えの良い農産物を選ぶ人もいますし、化学物質入りの様々な食品を食べたり、身につけることに抵抗の無い人もいます。そのうちに放射性物質とのつき合い方も個人レベルで判断する時代になるのでしょう。数Bq/kgという量が将来どの程度問題になってくるのかまだ分からないことが多いですが、基礎データは示して欲しいと思います。
2011-08-27 Sat 11:48 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>化学物質入りの様々な食品
 そうですね。食品の化学物質も「ただちに健康に影響がある」ものは販売が認可されているはずはないですが、広く浅くかつ深刻な影響が出ている可能性は排除できません。

 放射線の影響についても化学物質と基本的には同じであると思います。それに加えて、こちらは低レベルでは確率的影響しかありえないので、ますます人によってとらえ方に差が出て当然と思います。多少の確率を気にしてみてもしかたがない、というのも正しいですし、細かい危険をあちこちで許せばずるずると制御できない危険状態になってしまうのもまた事実です。個人による判断の差を認めるべきだと思います。

 いずれにしても、専門家のいうことを参考にせざるを得ないのですが、私の考えとしては、放射線安全の専門家としては、

・工学者や物理学者の話は参考にとどめ、判断のためには、放射線防護か医学関係の学者の話を聞く (工学者は、人体の影響については素人ですが、数値の制御については専門家なので、個人的な見解によって大小の安全ファクターが入っていたり入っていなかったりする)

・かつ、健康に対する安全ファクターの成分に言及し、それに当事者である個人の判断の余地を残してくれる人を信頼する。

ということが重要ではないかという結論に最近至りました。
2011-08-28 Sun 08:57 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
これまで放射線に関する物理量や放射線防護に関する概念など庶民の頭の中には全くなかったと言って良いと思います。しばらくは混乱やそれに便乗したまやかしも流れるでしょうが、次第に全体の理解は深まって、悪意が露骨な解釈は駆逐されて行くのではないでしょうか。
今回の事故はこの先何十年と影響を及ぼし続ける事なので、物忘れの早い日本人もさすがに忘れる事はないと思います。専門家の意見を参考にして、各人の頭で判断して行くようになるべきだと思います。
2011-08-28 Sun 10:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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