2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
夏休み自由研究とトンデモ本の大きなギャップ
2010-08-30 Mon 00:00
夏休みの自由研究の参考にという意図だと思うが、過去の良くできている自由研究のコピーが図書室に展示されていて面白いよと家人が言うので、週末の仕事帰りに寄って読んで来た。車酔いの研究、骨の研究、ミミズの大量死の研究などなど、小中学生が書いたものでも、着眼点がユニークで、構成がしっかりしていて、展開も面白く、読み応えのあるレポートがいくつかあり感心してしまった。

これら資料は禁帯出なので持ち帰れないが、せっかく図書室に来たからと『相対性理論の大嘘』(森野正春著)という本を借りて帰った。物理の本だと思って読んだらいわゆるトンデモ本だった。いやはや、著者も著者だが、こんな本を出版する出版社も出版社だ。徳間書店と言えばそれなりに見識ある出版社だと思っていたが、これからは考えを改めることにした。著者の主張を一言で言えば「常識人の私に理解できない相対性理論は大嘘だ」ということに尽きる。お金と時間を費やすに値しないと思うが、それでも読みたい場合は、Amazonのレビューに目を通してから決めても遅くはないと思う(というかレビューは面白い)。

100829.jpg子どもたちのレポートが良く書けていただけに、知力のギャップということをまざまざと感じてしまった。

今夜の観測:昨夜まではけっこう透明度が良好だったが、まだまだ明るい月が残っていた。今夜は月はかなり小さくなったが雲が掛かって透明度は格段に悪くなった。P Cyg4.8等、W Cyg5.9等、β Lyr3.3等。
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この記事のコメント
 かすてん様、おもしろい話題をありがとうございました。
そもそも『相対性理論の大嘘』という題名からして「ウソ」くさいですね。私が問題にしたいのは、そもそも相対性理論はウソとかホントとかの議論の対象なのか、ということです。

 取り上げられているらしい特殊相対性理論は、宗教のような「永遠の真理」でもなければ、唯一無二の「究極理論」でもないので、「ウソ」か「ホント」かは主観的な議論で結論が出るはずのないものだと思います。ですから、それが「ウソだ」という主張は、

1.数学的に正しくない。つまり、計算に間違いや矛盾がある。
あるいは
2.物理的に正しくない。つまり、既存の実験結果と合わない場合がある。

という2通りの場合しか断言できないはずです。ところが、今まで、数多いトンデモ本で、特殊相対性理論の数学的な誤りや、それが実験と合わない現象を具体的に示すものをひとつも見たことがありません。もちろん、そのような事実があれば、それは客観的なものですから、数学者や物理学者が容易に指摘するところになると思います。

 ですから、このような本は、相対性理論は「ウソだ」と主張しているのではなく、ただ「ウソくさく感じられる」という感想を述べているに過ぎないと思います(それはごもっとも)。あるいは著者がそれに代わる独自の理論を持っていてそっちのほうが本当らしいと思っているのかもしれませんが、自分の考えが正しいという信念だけでは、他人のウソを証明するにはまったく不十分です。

もちろん、将来、2.が見つかる可能性はありますので、著者の主観とは関係なく、客観的に相対性理論の誤り(というか理論からのずれ)が明らかになることはありえます。そういうのが見つかるとおもしろいですねぇ。トンデモ本で時間を費やすより、このようなことを考えるほうが楽しいです。
2010-08-30 Mon 18:30 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
S.Uさん

取り上げた書籍は、物理学の専門家の方にコメントをいただくに値しないものですが、こんなに真っ向からの分かりやすい「相対性理論の取り扱い方」解説をありがとうございます。しかし、この分かりやすい解説ですら著者には理解できないのだろうなぁ。

おっしゃる通りトンデモ本に付き合っているよりも本物の相対性理論について考えた方が何倍も面白いです。
2010-08-30 Mon 21:29 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
そもそも物理学や天文学の現在正しいと思われている理論は、量子論も熱力学法則も、ビッグバン理論でも、どれも究極理論ではないので同じ状況のはずなのですが、なぜ相対性理論だけがいつもトンデモ本の標的になるのか、これはこれで興味深い問題だと思います。かえって、量子力学の計算など、2.は良いとして、1.が怪しいですよね。

 アインシュタインの人気が第一でしょうが、その根源は、他の理論はどれも実験結果や現在の宇宙を説明するためにあとから組み上げられたものなので、実験と合うことが当然なのに対して、相対性理論に限っては、「光速度一定の仮定」からトップダウン式に組み立てられて、あとから実験との比較がなされたからではないかと思います。このために、後者は何か「永遠の真理」に近いという感触があるのでしょう。

 しかし、これらの状況は人間の歴史に属することで、自然法則の理解のためには、このような人間の勝手な経験をいったん払拭して見てみるのも大事なことのように思います。歴史は歴史で面白いですから、2通りの楽しみ方が用意されているということだと思います。
2010-08-31 Tue 19:56 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
相対性理論がトンデモ本の標的になるのは、なまじっか卑近な例が出回っているからだと思います。光速の99%で走る素粒子の寿命が延びるというような例だけであれば、トンデモ本著者も「自分の常識に合わないから大嘘だ」という論を展開する事もなかったのではないでしょうか(光速の99%で走る素粒子なんて常識の外ですものね)。そこに人間の双子を出してしまったがために、餌食になったような気がします。

ともかく、人間の思い込みや自分勝手な期待ではなく、観測と実験の結果から検証されていくしかないことは確かですね。S.Uさんのコメントからはちょっとずれてしまって済みません。
2010-08-31 Tue 20:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
なるほど。確かに、「年齢の違う双子」というのは、命をはって量子力学に挑む猫さん以上のインパクトがありますね。「相対性理論恐るべし」です。

 昨今は、書類上に超高齢者がぞろぞろいらっしゃって、これまた相対性理論に似たインパクトがあります。

 ところで、我が同好会誌の新号を発行しましたので、よろしければまたご覧くだされば幸いに存じます(URL)。
2010-09-01 Wed 19:39 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
同好会誌33号発行作業おつかれさま。毎号内容が濃いですが、それに加えて出し続けている事がこれまたすごいと思っています。それについては1月15日の記事に書かせていただいたので繰り返しませんが。
http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-1171.html
2010-09-01 Wed 23:14 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>それに加えて出し続けている
 いえいえ。毎夜毎夜多方面にわたってバランスよくブログの話題を作っておられることに比べればたいしたことではありません。
2010-09-02 Thu 22:52 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>毎夜毎夜多方面にわたってバランスよく

今の夏はKEKでネタを仕入れられないので、他所へ仕入れに行こうと思ってます。
2010-09-02 Thu 23:29 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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