2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
科学列車と星
2010-05-05 Wed 00:00
1005035.jpg2月22日に書いた「科学列車」について、星盗人さんがコメントで紹介してくれた野尻抱影『山で見た星』がようやく県立図書館から届いた。この中の「科学列車と星」という昭和16年に書かれた随筆がまさに科学列車についての文書だった。科学列車企画の最終回について野尻抱影氏は、「ああいう有意義な企ては、事変が納まったら、プランをもっと良く練って、復興してもいいのではないかと思っている」と、日中戦争が泥沼化して行く時代の中で、こうした青少年への科学の芽もむしられて行ったことをさりげなく記している。

 『野尻抱影の本 3 山で見た星』 筑摩書房 1989 2500円

自転車で100km走って来たのでへとへと。星見はさぼろうと思ったら幸い曇っていた。
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この記事のコメント
野尻抱影自身が甲府で教師をしたり、登山の開拓を行った経験を持っているので、抱影の参加する科学列車というのはなんとなく優雅なのんびりとした雰囲気だったように想像します。現代でも似たようなことは行われているのかもしれませんが、抱影の時代の風情はもう失われてしまったでしょう。
 
 科学の普及に効率が要求されたり、一つの型に押し込もうとしたり、最大限の教育効果をだそう、などと躍起になるのは、私はちょっと違うように感じます。最近は展示施設の「仕分け」まで行われているそうで、どういうことだ、と思ってしまいます。もっと、のびのびとできないものでしょうかねぇ。 -- グチになってすみませんでした。
2010-05-05 Wed 16:10 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
> 科学の普及に効率が要求されたり、一つの型に押し込もうとしたり、最大限の教育効果をだそう、などと躍起になるのは、私はちょっと違うように感じます。最近は展示施設の「仕分け」まで行われているそうで、どういうことだ、と思ってしまいます。もっと、のびのびとできないものでしょうかねぇ。

 科学や文化の発展の対局にある行為が、効率とか無駄の削減とかの美名の元に行われ始めていると感じます。時代を乗り越えて行く力は、どこから生まれてくるか誰にも分からないのですから、一時の流行や、限られた考え方の人たちだけで方向が決まるのは危険ですね。AppleのCMではありませんが、Think different.を容認できる社会であって欲しいです。
2010-05-05 Wed 21:10 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてんさん、こんばんは

昭和初期の「科学列車」は「博物学」の香りが漂って来ますね。昼は牧野富太郎、松村松年両氏の植物・昆虫の観察指導、夜は抱影翁の星座見学とはなんとも豪華で羨ましい話です。

ところで、、わが国の登山界の草分けの一人の木暮理太郎氏が若い時分に新聞紙上で星座紹介をしたり、「星の図」の著者で東京天文台に在籍していた小倉伸吉氏が木暮氏とともに「東京から見える南アルプス」の発見に夢中になったり、山と星は先人の中でも繋がっている方が結構いらっしゃるみたいですね。
2010-05-08 Sat 19:58 | URL | 星盗人 #qREMqHUA[ 内容変更]
星盗人さん、いつもありがとうございます。

科学列車の講師陣は実に豪華です。約80年前の参加費4円50銭は今の相場では幾らくらいの感覚なのでしょうね。
http://www.ma-museum.com/yamanashi/mesimori/02-kiyosato-01.htm#soratakaku

登山についてはまったく疎いのですが、当時の文化人は登山を好んでいたように感じます。山へ登って星空の下で語るのが教養人のスタイルだったのかも。そうであれば、星についてうんちくを語れるのも教養なのでしょうね。
2010-05-08 Sat 22:20 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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