2010-04-08 Thu 00:00
松尾芭蕉の句
明けゆくや 二十七夜も三日の月 が、新しい小学校理科の教科書で月の満ち欠けを学ぶ教材として取り上げられたと紹介くださったS.Uさんが、それに関連した「天文俳句」として 荒海や佐渡によこたふ天河 を挙げられていた。これも有名な句で、1689年7月4日(陽暦8月18日)に現在の新潟県出雲崎から北西方向に佐渡を臨んで詠んだらしい。では、芭蕉はそのときどのような天の川を見ていたのか。 ![]() ![]() ちなみに、北西の水平線にべったり寝そべる天の川が出雲崎から見られるのは春のようだ。 [お知らせ]科学技術ファンのみなさんへ「科学技術週間」に関するお知らせがS.Uさんから寄せられています。下のコメントをご覧ください。 |
かすてん様、おはようございます。お調べありがとうございます。
陽暦8月18日の明け方なのですか。東空からはもうオリオンが昇る頃ですね。私は、何となくもっと涼しくなってからの句かと思っていましたが、日本海は8月中旬になると波が高いことが多くなりますからね。 ところで、勝手ながらこの場をお借りしてまた宣伝ですが(すみません)、全国の科学技術ファンの方向けのお知らせをさせて下さい。 来週(4/12-18)は「科学技術週間」です。日本各地で科学・技術にちなんださまざまなイベントがあります。 http://stw.mext.go.jp/ もちろん、つくばの各研究所でも特別の一般公開があります。上から目立つリンクがはられています(行った先がPDFばかりで見にくいです。お役所はなんでもPDFを配布すればよしということになっているようで...) が、日程表は http://stw.mext.go.jp/tci/kagiweek/2010/tsukuba_guide_book2010_02.pdf の2ページめをご覧ください。 例えば、高エネ研(KEK)は、16日(金)と18日(日)に実験室の公開をします。JAXAは17日(土)にきぼう管制室の公開などがあります。 つくば駅から無料バスが出ます。どうぞお越しください。
2010-04-08 Thu 07:56 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
芭蕉の俳句はシンプルでいいですね。
あの当時は、さぞや素晴らしい星空だったでしょうね。 星明かりで夜道も歩けたことでしょう。 スレが違いますが、実は僕は「はっさく好き」で社内で有名です。(笑 毎年、この時期になると、昼休みに「はっさくの匂い」を撒き散らして季節感を強引に廻りに振りまいています。 家では段ボール箱で2つ、内地から注文して取り寄せています。100個くらい食べていると思います。 一日で3個食べることもあるし。 僕は丸ごと会社に持ってきて、剥いて食べています。 オレンジやネーブルは甘すぎてダメです。 ポンカンもちょっと甘いかな? ブンタンは少し別物ですね。 はっさくの代替としてグレープフルーツにすることもあります。 20才くらいの時にはっさく好きになったので、かなり長いことそうですね。
2010-04-08 Thu 13:06 | URL | HG@会社 #ZBwv4ZW2[ 内容変更]
S.Uさん
「科学技術週間」についてのおしらせをありがとうございます。付け足しで申し訳ありませんが、本記事の最後のところにご紹介しました。 18日のKEKの公開日には残念ながら行けません。
2010-04-08 Thu 20:38 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
HGさん
こんな近くにはっさく野郎がいたとは驚きました。この話題は「はっさく(八朔)」の記事へ戻させてもらいますね。続きは以下のリンクへ: http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-1284.html#comment3939
2010-04-08 Thu 20:52 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてん様、ありがとうございます。「科学技術週間」は今ひとつ知られていないので助かります。KEKでなくても、たとえばまだ行かれたことのない研究所にでもいらっしゃって下さい。
2010-04-08 Thu 21:52 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
18日は、市民天文講演会『天体望遠鏡おもしろ話』へ行ってみようと思っています。
http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-1282.html 「科学技術週間」は12日から始まっているようで、KEK、JAXA筑波宇宙センター、食と農の科学館など常設展示は見られるみたいですね。その日はつくばへ買い物に行く予定があるのでいくつか回ってみようかと思います。
2010-04-08 Thu 22:44 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
あっ、そうでしたね。18日は川崎天文同好会さんのイベントでした。日本のアマチュア向き望遠鏡の歴史、というのはさすがにユニークな話題です。
つくばの研究所の常設展示は、平日も土日もやっているところがけっこうあります。KEKの常設展示もそうですが、これは4月1日にリニューアルオープンしたばかりです↓ (またも宣伝) http://www.kek.jp/ja/event/communicationplaza/
2010-04-08 Thu 22:57 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
では、新装なったKEKコミュニケーションプラザへも足を延ばしましょうか。
2010-04-09 Fri 07:03 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
この芭蕉の句は、芭蕉の研究家の間では想像して詠んだ句、実際は見えなかった、というのが定説のようです。
確かに当日は天気も悪かったようだし、シミュレーションのとおり「よこたう」ようには見えない。というのが根拠のようです。 でも、どういう天の川を芭蕉が「よこたう」と詠んだのか、一晩じゅう雨が降っていたのか?など、想像と結論付けるのは少し性急な気がしています。
2010-04-09 Fri 07:30 | URL | ほくと #MDo56pwE[ 内容変更]
ほくとさん
おもしろい情報をありがとうございます。 最初は私も「よこたふ」というのを「水平線にべったり寝そべる天の川」と想像していました。シミュレーションしてみるとあの時期にそれはあり得ないことが分かりましたが、明け方の斜めに覆いかぶさる姿を見て、これを「よこたふ」としても良いように感じました。 芭蕉は旅のプロですから、星の巡りや気象に注意を向けなかったはずはありません。当日は荒れた天候で天の川が見えなかったとしても、数日前の旅の中で見た光景をオーバーラップさせた可能性はあります。そうであればまったくの想像とも言い切れませんね。
2010-04-09 Fri 08:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
俳句についてのご議論を聞かせていただきありがとうございます。
「佐渡に横たふ」をどう解釈するかは、鑑賞者のまったく自由ということで、芭蕉さんもそれでよいと思ってくれていると思います。「どのように横たふのか」の副詞句を補う字数が足らないのだからもうどうしようもありません。 出雲崎で天頂付近に横たわっているのなら、佐渡島に行けばそこでも天頂付近に横たわっているはずだ、というようなヘリクツの解釈もアリかもしれません。 「理科教材になる」と言った者がいい加減な感想で茶をにごしてすみません。
2010-04-09 Fri 19:14 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>出雲崎で天頂付近に横たわっているのなら、佐渡島に行けばそこでも天頂付近に横たわっているはずだ、というようなヘリクツの解釈もアリかもしれません。
まったくもって、やけくそですなぁ。でも、ガリレオ的相対性俳句だったとは新たな発見!?
2010-04-09 Fri 21:28 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
こんばんは。
俳句に限らず和歌も必ずしも見たままは書かないです。 想像して書いたのもあります。本人の感性で色々な手法で書いているケースが多いです。百人一首もそうです。 芭蕉の佐渡に横たう天の川も過去の(数日前でしょう)の印象を佐渡で見たと置き換えたと思います。 文学的な表現では現実と波なれ離れて無限の可能性があります。なので文学は面白いです(^^) 文学に科学的な検証を持ち込んでも・・・あれですよ(^^) 芭蕉の詠んだ句をそのまま頭に描いて想像するのは楽しいです。例え実際とは違っていても。 でも佐渡に横たう天の川も夢でもいいから見てみたいです(^^) 以上、KYですみませぬ(^^) 中井さん
>俳句に限らず和歌も必ずしも見たままは書かないです。 心象風景であればシミュレーションの夜空そのものである必要はないですね。というか、芭蕉ほどの人ならば尚更でしょう。 8月18日の現実の夜空をシミュレーションで再現して、そのような夜空(あるいは悪天で見えなかったはずの夜空)を題材に、芭蕉があの句を詠んだのはどうしてか、そこに俳句を鑑賞する楽しみがありますね。
2010-04-10 Sat 09:39 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてん様、中井様、
そうですね。芭蕉が俳句を詠んだ頃に見た実際の天の河がどうだったかは、元来、心象風景である俳句の鑑賞においてはどうでもよいことなのでしょう。 しかし、現代の私たちが芭蕉の追体験をしてみたい、と考えた時には俄然必要になってくる知識でもあります。ですから、科学的穿鑿は、意味はないともあるともどちらとも言えると思います。
2010-04-10 Sat 13:06 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
予備知識なしに俳句から受ける印象をそのまま楽しむも良し、あるいは、どんな風景を見てそのような俳句になったのかを楽しむも良し、ですね。
2010-04-10 Sat 22:08 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
KYです。
芭蕉は明け方に起きて奇跡的に晴れた空に遭遇して佐渡に斜めにかかった天の川を「横たう」と表現したのかも知れませんね。 当時の人は早寝早起きだったのかも知れないです。 また、過去の人物の追体験をシュミレーションするのは意味があるとも思います。 昨夜、私が言いたかったのは前のコメントで「かすてんさん」の言われたとおりです(^^) 中井さん
少し上のコメでほくとさんが教えてくれたように、研究家の間では「想像して詠んだ句、実際は見えなかった、というのが定説」らしいですが、私も江戸時代の旅人は早寝早起きだったと思うので、中井さんと同じような解釈になります。定説と別の見方ができるのは楽しいです。
2010-04-11 Sun 06:22 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>研究家の間では「想像して詠んだ句
それでは芭蕉研究家は、芭蕉が何をもとに想像を広げたと考えているのか、いうことをちょっとネットで検索しましたところ、佐渡島が罪人流刑地であったことに想いをはせたという説が少なくないようです。(「銀河の序」というものに芭蕉がその通り書いているそうです) そうだとすれば、--佐渡島に観測点をガリレオ変換(並進移動)した--というヘリクツ・やけくその解釈も良さそうな気がしてきました。流罪の人々が望郷の念とともに佐渡の海岸で天頂付近に見上げるすさまじい天の河...。「夏草や兵どもが夢の跡」の作者にふさわしいのではないでしょうか。 でも、想像だとすると解釈は発散してしまいますので、できれば、天文俳句は見たままを詠んでいただきたいものです(恐れ多くも芭蕉さんに苦言)
2010-04-11 Sun 07:41 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
芭蕉の記録にさまざまな事実との相違があるのは知られていますが、だからと言って「見たままは書かない」のが俳句や和歌の常かといえばそれは違うと思います。
芭蕉にせよ山頭火にせよ、なぜ旅に出たかという理由を考えれば、心象や想像で詠むことには限界があることがお分かりいただけると思います。 結論的には沼澤茂美さんの研究↓が答になるのではないでしょうか?(紀行文の存在が事実なら) http://skywatch.jp/bsnradio/020.html
2010-04-11 Sun 08:07 | URL | ほくと #MDo56pwE[ 内容変更]
S.Uさん
>佐渡島が罪人流刑地であったことに想いをはせた S.Uさんのヘリクツをガリレオ的相対性俳句などと揶揄いたしましたが、芭蕉本人がそのように書いているとすれば、まんざら大外れとも言えないですね。 ほくとさん >心象や想像で詠むことには限界があること 芭蕉はその宵、天頂にアーチをかける天の川を見たことを自ら記録しているのですね。それを「よこたふ」と表現した理由は人それぞれ様々な解釈ができると思われます。 ともかく、 自然の振る舞いに接したときの驚きや感動こそが俳句創作への原動力と思われます。星好きの私たちも、創作するしないは別にしても、人智を越えた自然の姿に畏敬の念を抱いている点では同じなのではないでしょうか。
2010-04-12 Mon 17:54 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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