2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
天気が悪いのでテルミンのことなど
2010-03-03 Wed 00:12
1003022.jpegテルミンも最近ではかなり知名度が高まり、みなさんもその名前くらいは耳にした事があるでしょう。しかし、どんな楽器でどんな仕組みでどんな方法で演奏するのかご存知ない方も多いはず。天文とは直接関係ないですが、電子機材ということで科学の心を揺さぶられる方もいるに違いないと予想してテルミンについての簡単な紹介をしてみましょう。

050924.jpgどんな楽器:ロシアの物理学者でチェリストのレフ・セルゲイヴィッチ・テルミン博士(1896-1993;左上)によって1920年に発明された最古の電子楽器。その後、テルミン博士はロシア革命の時代の流れに翻弄され、まさに小説よりも奇なる生涯を送った。その辺りのエピソードは映画『テルミン』に詳しく、ドキュメンタリーとしてもお勧めできる映画だ。

どんな仕組み:周波数のわずかに異なる二つの高周波発信器の共鳴を利用した楽器。それだけではただ唸っているだけだが、片方の周波数は固定、もう片方の周波数は可変にすることで、唸りを微妙に変化させて音階を作れるようになっている。その周波数を可変にするバリアブルコンデンサーが演奏者の体とアンテナとの距離というわけだ。テルミンは触れずに演奏する珍しい楽器ではあるが、人体そのものが楽器の中に組み込まれているとも言える。

1003023.jpg演奏方法:演奏は自分とアンテナの間の空間に手をかざし、位置を微調整することで音階を作って行く。まさに真空のエネルギーを紡ぎだすといった感じで、場の量子論的楽器とでも言えよう。

市販されている製品:(1)最もポピュラーなスタンダード機はMOOG社EtherwaveTheremin(国内価格本体約6万円、他にアンプ、コード、スタンドなどが必要;右上)
(2)テルミン演奏の第一人者竹内正美氏のマンダリンエレクトロン社が製造販売しているかわいいマトリョーシカ型テルミン=マトリョミン(約44016円;右中)
100302.jpg(3)『大人の科学マガジンVol.17』付録のテルミンmini(2300円;右下)は、よくぞこの価格で作った驚きのコストパフォーマンス。テルミンはどんなものかを手軽に知る良い教材だ。そうは言っても演奏は決して容易くはない。容易くはないが、もしも巧く音が出せずちゃちなオモチャだと諦めかけたらその前に、名手たちの演奏をぜひご覧あれ。
(4)『大人の科学製品版 テルミンPremium』(9975円)、この製品だけは実物を知らないが、評価記事を読む限りではお勧めできる。お小遣いに余裕があるなら、テルミンminiではなく音量コントロールのできる2本アンテナ型テルミンPremiumを購入して、より本格的に演奏を楽しまれるのが良いかと思う。

[参考書]『テルミン エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男』 竹内正実著 岳陽舎 2000年 2100円
『テルミン 不思議な電子楽器の誕生』 尾子洋一郎 ユーラシア・ブックレットNo.83 東洋書店 2005年 630円
[教則本]『テルミンを弾く』 竹内正美 岳陽舎 2002年 5500円
マトリョミン教則DVD「マトリョミン演奏の手引」 マンダリンエレクトロン 2006年 2100円
『テルミン学習帳』 佐藤沙恵 ASCII 2008年 2580円
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この記事のコメント
「場の量子論的楽器」ということなので捨て置けず、とりあえず大人の科学のminiのほうを発注しました。私のところに来たものは、残念ながら高尚な楽器とはならず、ガラクタ科学玩具収集の一部に分類されてしまうことでしょう。
 気の毒なことに、ソビエトの優秀な科学者や芸術家には、権力者の浮沈の巻き添えを食ってしまった人が多いのですが、テルミンさんもその一人なのでしょう。でも愛らしい楽器に名を残すことが出来たのは良かったと思います。
2010-03-03 Wed 21:07 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
「場の量子論的楽器」、S.Uさんの琴線にびびびんと響いたみたいで、我ながら巧い名称を思いついたものです。
それにしても、名手たちの演奏、実に見事です。miniでここまでできるのかと驚嘆しました。
2010-03-04 Thu 00:25 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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