2010-01-08 Fri 00:05
以前から、俳句、短歌、俚謡、川柳など自分でも作れるようになりたいと思っていたが、どうも密かに思っているだけでは進歩しないみたいなので、恥を覚悟で実際に作ってみる事にした。季語が無かったり、どこかにあるようなものも現れるだろうが、手習いをしていると思って大目に見てやってください。
年は改まっても星は変わらずにそこにありますが、同じ星を見ながらまた一期一会も感じます。 風受けて 視野の火星 跳ね回る 天仰ぎ ピュルルと風に 星凍る 今夜の火星は模様どころではありませんでした。 (01月01日) 枯れ葉踏み 迎える火星 東空に 2年間待ちに待った火星が近づいてきた。まだ小さすぎて観測には適さないが、東の空へようやく上がってくるのを待ちわびる様に冷え込みの厳しくなった夜半過ぎの庭へ迎えに出て行く。晩秋に感じた気分。(01月03日) 天狼の 眩き光 青く冷え この夜のシリウスの光のなんと冷たく青かったことか。天狼では季語にならないかもしれないが、星句であれば許されるだろうか。(01月05日) 寒き夜 仰ぎて「ああ」と星一句 「ああ」という感動の叫びが俳句を作る源泉という山口誓子の言葉に励まされ、「星の俳句」カテゴリーを作ることにした。 凍てし夜の 霞に赤き寿老星 凍てし夜の 林に遠き寿老星 寿老星はカノープスとふりがなを振った方が良いかもしれない。この2句は昨年鈴木壽壽子さんに触発され作ったもの。(01月06日) 小接近 視野へ火星を招き入れ 小接近でも今回は特に待ちわびていた。その気分から「招き入れ」た。冬場に起こる小接近は季語の代わり。(01月10日) 夜明け際 寒風背にし 細き月 細き月 筑波おろしで星三昧 1月11日の早朝、変光星観測を終えたとき、寒風吹く夜明け前の東の低空に月齢25過ぎの細い月が昇っていた。月が細くなった上に筑波おろしの空っ風が吹けば、雲も吹き飛ばされ星見の好機。まぁ、この際シーイングの悪さは諦めよう。 賑わいの星々率いて 寒昴 冬を代表する明るい星々の先頭に立って1年の出発を宣言する昴。これは『星のふるさと』「旄頭胡星」の変奏。(01月11日) 明けの雪 朝陽たちまち斑にす 冬型が強まって明け方に雪が降ったらしい。雲が切れて陽が射して来ると雪はすぐに解け始め、至る所斑な模様になってしまった。(01月13日) 火の星を追う獅子 東空駆け上る 火の星も 今夜は川底の石となり 鼻頭の火星を追うようにしし座が東の空へ駆け上って来た。寒いといいながらも春の星座が後に続く。ただ、シーイングの悪い今夜は火星観望は諦めた。(01月14日) 西空の木星 空林駆け下る 帰宅するころ西の空で一番星になっている木星。この時刻この位置では私にとっての観望期はすでに終わっている。(01月16日) 幼き絵 日食報告 小正月 大阪の小2の甥っ子に1月15日の日食の見方を事前に知らせておいた。しかし、日没直前だし、地平線近くまで見通せる場所を見つけられるか心許なかったので、まさか観察報告が届くとは思っていなかった。おまけに絵まで描いてある。「1月1日に日食(月食の間違い)があったといってたとおもうけどしってますか」だと、かすてんも甘く見られたもんだな。(01月18日) 朝霜に さそりのかまの立ち上がり 1月25日の早朝、オリオンも西へ沈んだころ観望を終えようとしたとき、南東の林の上に怪獣が蠢(うごめ)く様にさそりの頭が現れていた。まさにウルトラQの光景、思わず仰け反った。火星観測を終えたときのこと。(01月27日) 気がつけば 冬大三角も西に居り つい最近までこの時刻にはオリオンもおおいぬも南にあったと思っていたが、ふと気づくともう西空の星になっている。季節の移り変わりを印象づけられる瞬間だ。(01月28日) 氷点下4℃の朝、観測台は霜でバリバリだというのに、隣の放牧場の牛は霜の降りた枯れ野原で悠然と寝ている。天空へ目を転じると、火星はししに追われて西の林に逃げ込んだ。2年2ヶ月後の次の接近までの旅立ちのときだ。(02月05日) 天仰ぐヘッドライトに息凍る 午前中の雪もすっかり消え、12日ぶりに晴れた。ただ、風も無いのに、空気は凍っている。椅子に座ってしばし空を仰ぐ。点灯したままの赤いヘッドライトの先に凍った息が昇って行く。(02月18日) 冬星は 西の地平へ みな集合 誓子の「名ある星春星としてみなうるむ」の発句をいただいたが、星のうるむ夜はまだしばらく先のことに感じられる寒い夜だった。(03月10日) 雲だらけ 予報外れて句もだらけ 記事のタイトルに「雲だらけ」と書いたつもりが「句もだらけ」と誤変換。それを拝借。(03月16日) 盃月になみなみ注がれた地球照 彼岸入り 天狼霞を染め滲む 火の星に追われし天狼青く燃え 火星もそろそろ見納めとは思ったが、そよそよとではあるが風が吹いて星が瞬いているので望遠鏡は出さずに終わった。(03月19日) 久しぶりの晴れ間に誘われて、つくば市の宝篋山へハイキングに行った。小田休憩所から極楽寺コースで沢伝いにゆっくり歩き、途中いくつもの小滝を見ながら約1時間10分ほどで山頂へ到達。帰りも同じ道を下ったが、山にも膝にも普段の運動不足を嘲笑われてしまった。(04月06日) |
季語は?とか、伝統俳句の立場から一言?
まぁ、こだわらずに、現代俳句だと言い張れば良い気もしますが。
2010-01-08 Fri 11:32 | URL | meineko #-[ 内容変更]
>季語は?とか、伝統俳句の立場から一言?
立場といわれるところを見ると、meinekoさんは伝統俳句を嗜まれる立場の方ですか? 何が季語になるのかも知りませんのでそれは次の段階ですね。まずは「ああ」と感動する自分に気づく事から始めようと思います。
2010-01-08 Fri 12:26 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
私も俳句の鑑賞は好きですが、自作の場合、どうも満足がいきません。
さて、「季語」ですが、鑑賞する上では、「一つ『季語らしきもの』が入っている」というのがよろしいです。季語のない俳句は、ルール無しのスポーツ試合と同じで、見る方は興ざめすることがあります。 季語が二つ以上というのもちょっとよろしくないです。 (もちろん、作る人にとっては、季語がいくつあろうが全くなかろうが、本人さえ良ければまったく自由です。) しかし、天体の名前にどれほど季節感を感じるかは、鑑賞者がどれだけ天文に打ち込んでいるかによるので、それを「季語らしきもの」と見るかどうかは個人差があると思います。いわゆる季語集や歳時記は天文ファンには不満が多いと思います。星座の名前は季語集に無くても我々にとっては季節感にあふれていますよね。 「火星」は季語ではないですが、「火星跳ねる」は冬の季語!? >風受けて視野の火星跳ね回る これは霞天師匠の冬の名句ですね。 「満月」は季語ではないですが、「高き満月」だったら冬の季語ですね。 飲み会の帰りの満月空高し S.U
2010-01-08 Fri 20:25 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
「季語」とか「五七五」を大きく逸脱しては俳句という形式を選ぶ意味が無いと思いますので、伝統的な形式は尊重したいと思います。一方で、俳人の方が「新らしい季語も増えている」と言われていました様に、多くの人に季節を想起させるものが「季語」として定着し、また追加されて行くのでしょう。ですから、星への世間の関心が高まれば、S.Uさんの言われる「高き満月だったら冬」も季語になるときが来るはずです。
また、お決まりの「季語」よりも、「星の動きや位置関係を共通のバックボーンにした人には分かる」くらいの事項の方が気が利いている感もあったりします。 > 飲み会の帰りの満月空高し S.U これは投稿句として採用します。
2010-01-08 Fri 22:17 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>これは投稿句として採用
ははは。どうぞ、ご自由に句集に転載して下さい。
2010-01-08 Fri 23:35 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
わたしは、俳句は素人(以下かも?)です。
祖父が、ホトトギスの同人でした。
2010-01-09 Sat 16:32 | URL | meineko #-[ 内容変更]
>祖父が、ホトトギスの同人でした。
meinekoさんの中にはお祖父さんからの隔世遺伝で、近代俳句の祖、子規直系の血がきっと流れているのでしょうね。私の祖父は二人とも明治人でしたが、meinekoさんの叔父さんも明治末生まれくらいだったでしょうか(子規に直接会えるお歳ではないでしょうが)。
2010-01-09 Sat 17:11 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
いいですねぇ。早逝された子規さんには無理でも、高浜虚子さんには会っていらっしゃるかもしれませんねぇ。
去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの 虚子 捉え方はだいぶちがいますが、冒頭の >新年の夜もひと夜またひと夜 と共通する精神がありますね。
2010-01-10 Sun 08:12 | URL | S.U #n86D0FW.[ 内容変更]
虚子大先生の脇に並べられるのはおこがましい限りです。
2010-01-10 Sun 10:51 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
|
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
|
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
|
FC2カウンター