2023-09-19 Tue 00:23
![]() 倉沢愛子、松村高夫著 岩波書店 2023年 2300円 中国大陸での七三一部隊による戦争犯罪と同じような蛮行が他地域でも行われていたのではないか、と考えるのが自然だと今は思うのだが、9月2日付けの週刊現代:インドネシア人を破傷風のワクチンの実験台に…ほとんどの日本人が知らない「日本の暗い過去」を読むまでこのことを想像してみたことはなかった。七三一部隊の分隊とも言える南方軍防疫給水部がインドネシアで行っていたのも、失敗の隠蔽、自作自演、捏造、拷問、自白強要、処刑、証拠隠滅。自分たちの失敗を隠蔽するためにインドネシア人医師を主犯にでっち上げて、斬首後にローラーで潰したとは!どこまで鬼畜の仕業か。敗戦後、七三一部隊の上層部医師たちは、情報を米国へ渡す代わりに戦争犯罪を不問に臥され、戦後日本の医学界・医薬品メーカー・厚生省の要職に戻って行った。米国の手に渡った七三一部隊のデータのDNAはファイザーやモデルナに受け継がれ、七三一部隊の人脈は日本の医療界に受け継がれ今に至っている。そして因果は巡り巡り、日本人の健康・生命への脅威はそこにこそあったことがコロナ禍で再度浮かび上がったと言える。 かつて、1981年頃、森村誠一の『悪魔の飽食』を読んだ時には、戦争という異常時にはナチスではなくとも、日本人ですらこういうことができてしまうのかという日本人への信頼が揺らぐ恐ろしさを感じたが、関東大震災時の朝鮮人大虐殺然り、入管での所業然り、そして本書の虐殺然り、いまやこれこそが日本人のお家芸なのだと認めざるを得なくなっている。 |
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
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